NHKスペシャル「東京裁判」2016年12月15日

ドラマ 東京裁判 第4話
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20161214

NHKのドラマ「東京裁判」を見た。
本当に考えさせられる。どんな極限状態でも自分の信念を何処まで貫き通すべきか、はっきり持っていた人達があの頃にもいたということを知る。今はどうか、人の知性は少しも進歩していないということを知る。国が自殺か戦争か二者択一の立場に立った時それを超越した立場で自分は判断できるか、自国の利益に叶わないことに反して何処まで自分の信念を貫き通せるか、正義とは一体何処までの深さを執るべきなのか、結論は同じでもその根拠は違うとはっきり自覚できるか、今の自分にはとても覚束ないと思う。結果からだけでは分からないことを今回見せて頂いた。
 自分が子供の頃は戦後まもなくで偽善者じみた表現は軽蔑され不言実行が美徳とされて偽悪者の裏側に好意的視線が向けられる時代であった。現在では誤解を避けることが優先されて極めて表層の正義をとるのが普通である。第3者にも判るように「李下に冠を正さず」「瓜田に靴を入れず」は必要な対応になっている時代だからこそ逆に今political-correctnessの裏の顔に疑念を持たれ反発され、populismが歓迎されたり逆に警戒されたりするようになって先祖返りしている。そして何かが歪んで抑えられてきたためにトランプが米大統領候補に選出され、イギリスがEU離脱へ流れた。
 これからの歴史も必ずしも正しい選択が行われるとは限らないがそれなりに対応することしか出来ないことは自明だ。
 宗教の違い、イデオロギーの違い、相互の違いを認め合い個々人の互いの共存共栄、集団どおしの共存共栄、国どおしの共存共栄の受容がなければ戦争か自滅かしかない。人の人生は思うように行かないことばかりだというし、歴史に「もし」は無いというからこそ、社会の決定を甘んじて受け入れる諦観を大事にしたいと思う。

和解の力 The Power of Reconciliation2016年12月28日

和解の力 The Power of Reconciliationについて、
今朝、安倍晋三首相がハワイ真珠湾を訪問しオバマ大統領とともに戦艦アリゾナ記念館に於いて世界に向けて所感を表明した。真珠湾が寛容の心と和解の力のシンボルになって欲しいとのメッセージを発信した。
 戦争犠牲者への慰霊、敗戦日本への復興援助への感謝、不戦の誓い、寛容の心がもたらした和解の力、この4点を強調していた。
 未だ世界各地で戦争の惨禍が消えずそしてこの訪問にも様々な思惑が渦巻く中での日本自身の立ち位置を明確にした淡々とした素晴らしい表明であった。それを素直に受け入れてくれたオバマ大統領の寛容の心は未来への希望を抱かせてくれるのに十分なものだ。
 1400年前の聖徳太子が示した十七条憲法の中の「和をもって貴しと為す」を具現化したものと思う。
 相互に自己主張し合うことが強調された戦後西洋思想が席捲する中で忘置き去りにされてきた和の心はいまなお生きているようだ。ややもすると疑心暗鬼を生じ、和して同ぜずと付和雷同、迎合と自己主張の違いが混同されて、今は失ったように見えていた和解・寛容・諦観など古来からの思想はいまなお通用するのかも知れない。