「覇権主義」 の定義 メモ2024年01月19日

「覇権主義」 の定義 メモ

ウクライナ・ロシア戦争、イスラエル・パレスチナ ガザ地区戦争、イラン・パキスタン間紛争、米英のイエメン・フーシ派空爆、解決が見通せない中で北朝鮮が武器商人国家になりあがり世界を巻き込む政情不安が世界中を覆い、平和ボケした日本も火の粉が降り注いでいる時代になってしまった。覇権主義・権威主義・民主主義等の言葉が時に空しく時に重く圧し掛かるような状況の中で改めて「覇権主義」という言葉の普遍性について調べてみた。

〇覇権(=ヘゲモニー=hegemony)とは、政治的あるいは経済的あるいは軍事的に抜きん出た国家が他国を支配・統制すること、と捉えて良いようだ。覇権 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%87%E6%A8%A9 。
〇覇権主義(hegemonism)とは、影響力を拡大させるために一つの大国が軍事面・経済面・政治面で自国より弱い他の国々に介入し、その国の主権を侵害し続けること。通常では批判的な文脈で用いられることが多い。古い時代の使用例も見られるが冷戦以降は超大国を形容する通例的な用語となり主にアメリカ・ソ連・ロシア・中華人民共和国への批判に使う、とある。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%87%E6%A8%A9%E4%B8%BB%E7%BE%A9 。
日本国語大辞典・Oxford English Dictionaryでもほぼ同意のようなので、世界の中でも「覇権」「覇権主義」は、ほぼ世界共通の概念のようだ。

実際、1972年の「日中共同声明」でも「米中共同声明」でも、1878年#の「日中平和友好条約」でも使われている。その定義の共有がなされており同床異夢の言葉ではなく生きた言葉と言えるようだ。(追記:#1978年の間違い)

〇「日中共同声明」(1972年9月29日締結)出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%94%BF%E5%BA%9C%E3%81%A8%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD%E6%94%BF%E5%BA%9C%E3%81%AE%E5%85%B1%E5%90%8C%E5%A3%B0%E6%98%8E 。
これは日中平和友好条約の前段階の国交樹立のためのものであるが、やはり「覇権」の語が使われている。簡体字かどうかの違いはあるが日本文も中国文も覇権・霸权で同じである。英文はhegemonyという言葉を使っている。
〇米中共同声明(=上海コミュニケ=米中共同コミュニケ、1972年2月27日締結)出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E6%B5%B7%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%82%B1 。
ここでも中国文では霸权=覇権を使い、英文ではhegemonyを使っている(米中関係資料集 東京大学東洋文化研究所 https://worldjpn.net/documents/indices/USC/index.html )。

下記に日中平和友好条約の具体的条文を記しておく。
〇「日中平和友好条約」(1978年8月12日締結・1978年10月23日発効)出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E3%81%A8%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%96%93%E3%81%AE%E5%B9%B3%E5%92%8C%E5%8F%8B%E5%A5%BD%E6%9D%A1%E7%B4%84 。
第2条で反覇権条項・第4条で第三国条項が謳われた。即ち中国はソ連を意識した反覇権を臭わしたのに対して日本は北方領土問題の解決を意識してソ連を意識したものではないと明示したいとの思惑から反覇権条項と第3国条項の両者が盛り込まれてやっと成立した。
【<日本語正文>(第二条 両締約国は、そのいずれも、アジア・太平洋地域においても又は他のいずれの地域においても覇権を求めるべきではなく、また、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国又は国の集団による試みにも反対することを表明する。
第四条 この条約は、第三国との関係に関する各締約国の立場に影響を及ぼすものではない。)
<中国語正文>(第二条 缔约双方表明:任何一方都不应在亚洲和太平洋地区或其他任何地区谋求霸权,并反对任何其他国家或国家集团建立这种霸权的努力。
第四条 本条约不影响缔约各方同第三国关系的立场。)】
 日本語正文にも中国語正文にも「覇権」=「霸权」が使われている。

 かつて周恩来がソ連を意識して覇権主義には絶対反対の意思を示し、北方領土問題解決の弱みを持っていた日本側がソ連を臭わす表現には絶対反対で直ぐには纏まらなかった1978年の日中平和友好条約が、特定の国を指すものではないという第3国条項を入れることでやっと纏まった頃からは想像できない程に、今の中国はその覇権主義の先頭を走っている。

また一方、民主主義や権威主義という言葉の定義は曖昧のようだ。本人個々の自由なイメージで使われている、全く同床異夢の言葉のようだ。何せ北朝鮮が朝鮮民主主義人民共和国を名乗っているのだから言わずもがなである。
(〇民主主義と権威主義2021年6月22日東京新聞 https://www.tokyo-np.co.jp/article/112023 。
政治学では、非民主主義の体制を権威主義とする考え方もあれば、民主主義と全体主義の中間にあるのが権威主義とする捉え方もあるという。)

特に民主主義という言葉は権威主義国家も覇権主義国家も中央集権としか言いようのない国家も使っているし、名実ともに民主主義の総本山と自他ともに認める米国さえ中身のない空しい言葉になってきている。利己主義と言った方が相応しい程に目暗だましのような言葉になり重みのない言葉になってしまった印象がある。ビジョンなき哲学なき戦略と戦術になりかねない状況に陥りつつあるように映る。日本流に言えば、仁義なき戦いが世界を今席巻している。

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