極く最近製品化されたPCV20に関連して思うこと2024年06月24日

(2024/6/21facebook メモ)

極く最近製品化されたPCV20に関連して思うこと

【新しく導入されるワクチン ~多価結合型肺炎球菌ワクチン~ 千葉大学真菌医学研究センター感染症制御分野特任助教・竹内典子 2024年6月20日 https://medical-tribune.co.jp/rensai/2024/0620563339/index.html?_login=1#_login 。】

 上記資料によれば、肺炎球菌ワクチンについてはこれまでにない血清型置換が進んできておりPCV13(プレベナー)に含まれない血清型の成人IPDが最近は2/3に上るという。
 そして現在、既に更に多価のPCV20が製品化されて小児IPDには今年2024年3月に認可済となり、大人にも5月現在承認申請中であるという。

ワクチンの用法が小児に対しては「皮下注ないし筋注」と筋注が加わったのは喜ばしいことではあるが、高齢者等大人の場合はワクチン添付文書の用法の傾向が最近は逆に筋注限定になってきているのが気になっている。
筋注できなければ皮下注でも良いのではないかとの意見もあるがそれは社会通念上容認されている場合である。添付文書に沿わなくても許されるのはその時代の医学の常識レベルにかなっている場合の話だと思っている。
ところが新型コロナワクチンの初期の頃が典型的であったように、世間の専門家たちの常識が筋注と皮下注は天と地ほどに違う、免疫効果も違うとの意見が圧倒的であった。免疫の専門家に聞いた所エビデンスがないだけでどちらも大きな違いはないとの答えで医学的には問題ないとは後日に判断できたが、当時は社会通念上は許容される雰囲気ではなかった。
そのため万が一の訴訟問題を考えてエコー検査でワクチン対象者全員の確認をした所、介護施設入所者の場合は当時約1/3が医学的に筋注不可能言い換えれば「見做し筋注」(医学的には皮下注になって仕舞うということ)になって仕舞うことが解った。従って第1回目の新型コロナワクチンは希望の有無とは別に医学的にワクチンの適応なしと判定した。その後2回、3回と接種が続く中で世間では高齢者の接種率が上昇してきて見做し筋注を容認している社会の実態が明らかになってからは自分でも見做し筋注を行うようになった。
西欧では肥満等のために筋注の針の短かさを気にしているが日本の高齢者の筋注では別の問題が出るので、用法は我が国の実態を見て判断すべきことである。
新型コロナワクチンだけでなく、高齢者に特に必要なワクチンと謳われながらPCV13やRSVワクチン等見ても最近のワクチン行政は筋注限定に傾いてきているのは明らかである。ワクチン認可担当官は是非一考して頂きたいと思っている。そして法曹界との認識の不一致がないような努力もお願いしたい。

(愛西市ワクチン死亡の件)メモ2024年06月03日

facebookメモ (愛西市ワクチン死亡の件)。

 2022年11月5日の新型コロナワクチン接種直後に死亡した42才女性の報告書が2023年9月26日に愛西市医療事故調査委員会から出た。この報告書のニュースをチェックしていたら、何か気になる言葉がいくつか出てきた。新型コロナワクチンに係る健康被害救済については、その制度は既に決まっていて粛々と進めればいいはずなのになぜスムースに行っていないのか改めて調べてみた。第3者委員会もその行政対応もマスコミの報道姿勢も旧態依然のようだ、と思うようになり、疑問もいくつか出てきた。

第1に、事故補償するのは当然だしその方法も額も決まっている(⑥⑦死亡一時金4420万円等)筈なのに、遺族はともかく愛西市はなぜ争う姿勢になってしまったのか(③)。ましてやご家族は「僕はワクチンがだめだと思っているわけではなく・・接種を行っていかないといけないと思っている。・・」等(⑨)と理解を示しているのにも関わらずである。
市もマスコミも弁護士も分かりやすい説明が何故できないのか、不思議だ。(事故直後の2022/11/11第88回厚労省部会評価ではγであったが2023/3/10第92回部会評価はαに既になっている(⑧⑱)。因みに初めのγは救命担当医が其の他に判定したので当然である。γ:評価不能、α:因果関係否定できず。)
第2に、医療事故調査制度は新たな制度になったはずである(⑬⑭⑮⑯)。それなのにこんな判り切った事故でなぜ争わねばならないのか。
第3に、なぜ今更日本法医学会ガイドラインが出てくるのか(⑰)※詳細後記。
第4に、原告の言い分がなぜ個人的責任追及に傾いてしまったのか、市側の言い訳がましい説明が却って仇になっているのではないか(③)。責任追及は誰にでも陥りやすい思い込みであるがそれを乗り越えるために多くの時間を費やして医療事故調査制度が生み出されたのではなかったのか、見本となったのは医療事故と類似の航空機事故だったはずである(決して起きてはいけないが起き得る可能性を秘めているという意味で類似)。
第5に、この報告書はアナフィラキシーとほぼ断定しているように見えるが、たとえアナフィラキシーだったとしても極めて特殊な形のアナフィラキシーであり医学的には追及すべき多くの未知の点を内蔵している特殊例であるのは(⑩⑪)の報告を見ても明らかである。だから中途半端に断定せずご家族にも分かりやすい説明をすべきではないのかとも思う。(自分には切り口によってサイトカインストームにも悪性症候群にも特殊なアナフィラキシーにも見えるがどれもなお説明し難い未知のメカニズムが潜んでいるように映る。)
第6に、この方はワクチン注射後7分で咳等症状が出始めて症状出現後9分で心肺停止している。このわずか9分間には呼吸促拍あるも呼吸音に異常なし・血圧(脈診)状況は不明であるが、現場の医師はアナフィラキシー以外の病態の可能性が高いと判断している。呼吸促拍の程度が不明であるがそのような現場で、アドレナリン注射しなかったのが悪いと決めつけるのは偉そうなことを言って申し訳ないがこの報告書も短絡思考過ぎるとさえ感ずる。【自分でも過去に忘れられない同様な例を経験しているが恐ろしい程強迫的な呼吸促拍で極深く極速い呼吸であった(⑫)。想像を超える深く速い強制換気の過呼吸で鬼気迫るものがあった。その時思ったのはアドレナリンではなく手元にないダントリウムだった。あの状況下ではアドレナリン選択は今振り返ってもできないと思う。】

前述のように航空機事故と医療事故はあってはならないが有り得るという宿命を背負っている点で似ている。法学系も医療系これに異を唱える者はいないはずである。そしてこの30數年航空機事故対応を見習って責任追及か再発予防かの問題を克服すべく多くの議論を重ねてきたはずである。航空機事故では自己責任よりも再発予防に力点を置いて、既に世界的に対応方針が確立されているのに対して日本の医療事故問題は対照的で相変わらず進歩していないのはなぜか。
事故被害者には当然補償されるべきであること、過誤の有無に係らず事故調査においては再発予防目的の原因追及こそが大事であること、警察ではない独立した第3者委員会が事故原因調査すべきであること、事故調査の主目的は責任追及ではなく再発防止である事、第3者委員会の原因調査結果を責任追及に使ってはならないこと、これらは皆の共有認識であるのは間違いないようだ(㉙㉞)。
しかし現実は、平成6年日本法医医学会異状死ガイドラインができる頃多くの殆どの日本の他学会も足並みを揃えて類似のガイドラインを発表したにも係らずまもなく問題に気付き取り下げたのに比べて、日本法医学会ガイドラインのみ変えていない。平成14年に見直し見解は発表してはいるが今も固執し変えていない(㉞p.12~)。他学会との溝は未だに埋まっていない(同㉞p.25~)。そして医師法21条の異状死と異状死体の区別を平成24年に一旦認めた厚労省も逆戻りしているように見える(㉛㉝)。即ち医師法21条の届出は異状死体の事なので異常死の届出義務の事ではないと勝手に医療側が縮小解釈したのが間違いであって、行政上、同条の法的解釈には元々変わりはなく「死因判定のための外表検査」であり初診も再診もない「検案」には医師の本来の使命に基づき「医師の個別の異状判断」で警察届出義務があるとし、医療者側が言う拡大解釈の意味を元々含んでいるとの解釈である。要するに良識ある医師の本来の使命を自覚して異状死体を含む異状死は警察への届出義務がある事を忘れるなと言っている。事実、死亡診断書書式には病死・自然死以外はすべて異状死になっている。こういう捉え方をするのかと感心する。そして異状死には検視(法律用語、刑事手続きへの移行)への連続性の実態がある。
自分でも勿論日本法医学会異状死ガイドラインには従っている中で問題意識を抱えていてその対策の在り方の暗中模索下で調べたり聞いたりするうちに、ある裁判官に聞いたことがあるがその裁判官は、法医学会のガイドラインは間違っていないと私は思う、と言っていた。考え方の違いに呆然としたことがあった。法学系の捉え方が医療過誤を隠蔽しようとの前提で医療系が考えているとの邪推はないとは思うが法学系の視点が医療系とは根本的に違っているのは確かのようだ。他学会は一致して捜査機関である警察への届出には問題があると言っているのであって、再発防止のための届出には喜んで応ずることは各学会の異状死届出に積極的に応じた多くの学会ガイドライン作成ブームが起きたかつてのことを見れば明らかである。殆どの医療者には医療事故の原因究明への協力姿勢がある事は間違いない。時代の進歩で犯罪性の有無に無関係に「死因究明すべき死である異状死」があるという法学系主張はその通りであり誰も異は唱えないし、問題はそこではない。
捜査機関である警察の性(さが)は、たとえ法学系の方が警察への異状死届出と法的手段とは無関係で死因追及は相互利益にも通じる、と言っても現実には警察には責任追及(犯罪追及)バイアスという消えようのない視点が自覚の有無に係らず染み着いており、その視点は変えようがないという現実と、届出側はそれを避けようがないという現実があると自分でも体で感じてきた。
日本法医学会異状死ガイドラインが主張するような解釈の裏に潜む医療事故を隠蔽するのではないかとの危惧は分けて考えるべき問題である。

医療事故調査制度は9年前にすでに制度化されてはいるものの、異状死の届出制度が理想通り機能していないのは医師法第2条の解釈(異状死体)が拡大解釈に戻りかつ「医療安全」と「責任追及」の区分けも元に戻ってしまったためのように見える(※後記)。
今、政府の方針も揺り戻されているという現実を思う時に、H27年北海道医師会講演での黒木弁護士らが予言した医療界の自助努力によっては逆戻りもあり得るとの予言は我々も噛み締めなければならないのかもしれない(・・医療界の自助努力により、有効な事故調査と再発防止対策がなされ、医療関連の死亡については医療事故調査制度に委ねることが適切であるという状況になれば、警察に届け出る異状死届出の範囲を縮小する方向での法改正が行われるでしょう。・・)。

以下資料:
①愛西市:新型コロナウイルスワクチン集団接種会場で発生した死亡事案について 2023/9/27 https://www.city.aisai.lg.jp/contents_detail.php?frmId=14866 。
②NHK:新型コロナ ワクチン接種直後に女性死亡 遺族が市を提訴 愛知 2023/11/30 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231130/k10014273511000.html 。
③NHK:東海NEWS WEB 新型コロナワクチン死亡損害賠償訴訟 愛知・愛西市は争う姿勢 2024/2/9 https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20240209/3000034151.html 。
④厚生労働省による COVID-19 ワクチン有害事象の関連性認定に関する考察 鈴村 泰 http://cont.o.oo7.jp/51_1/p91-101.pdf 。
⑤NHK:新型コロナワクチン接種後死亡 遺族らが国に賠償求め提訴 2024/4/17 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240417/k10014424721000.html 。
⑥厚生労働省:新型コロナワクチンに係る健康被害救済について(分科会資料) 2021/12/9 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000864824.pdf 。
⑦愛知県:新型コロナワクチン副反応等見舞金について 2024/4/24 https://www.pref.aichi.jp/site/covid19-aichi/hukuhannoutoumimaikin.html 。
⑧厚労省:ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 厚生科学審議会 (予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)  https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_284075.html (第88回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第18回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)令和4年11月11日(金)13:00~15:00WEB会議 合同会議 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00055.html 。資料1-3-1別添 https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/001011732.pdf 。)第88回議事録及び資料参照。
⑨NHK:愛知 コロナワクチン接種直後に死亡 調査委が検証結果公表2023年9月26日 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230926/k10014207301000.html 。
⑩Four cases of cytokine storm after COVID-19 vaccination: Case report Front Immunol. 2022 Aug 15:13:967226. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36045681/ .。
⑪コロナワクチン接種後死亡剖検例報告 大学病院医療情報ネットワークセンター https://square.umin.ac.jp/~massie-tmd/nagao_masataka.html 。
⑫オミクロン株BA.4/5ワクチン注射直後に急変した事例は悪性症候群? https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid02iE7SDPnmbH4RazBkpy2H1cYrDf61JtF3pU3GHd4quiJhmKxhhHBwcMxGhrM7P1tsl?__cft__[0]=AZWAgZ8D6zH4QErytUSC-JNldPj6pjPcDu7MBMo-mGYKEFFTrwjoCbr6jfD1wZ3uKnPO6Wtg079dYWI74is-oEKqh-uvpmcVa5cnVONix98y9pLU_ZDICuyGya3tLxgB4Ow&__tn__=%2CO%2CP-R 。
⑬社会技術研究論文集 Vol.1, 188-197, Oct. 2003 事故調査における情報の取扱いを巡って~日米の航空事故調査を素材に~ 服部 健吾 https://www.jstage.jst.go.jp/article/sociotechnica/1/0/1_0_188/_pdf 。
⑭医療の安全に関する諸問題について 日本学術会議第7部報告 平成14年11月26日https://www.jstage.jst.go.jp/article/sociotechnica/1/0/1_0_188/_pdf 。
⑮医療事故調査制度について(平成26年6月18日に成立した)厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061201.html 。
⑯医療事故調査制度の概要 一般社団法人 日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター) https://www.medsafe.or.jp/modules/about/index.php?content_id=24 。
⑰死亡診断書記入マニュアル 「法医学的異状」等は削除――医師法21条の「拡大解釈」是正へ(東京保険医協会2015年04月15日) https://www.hokeni.org/docs/2016111200077/ 。
⑱厚生科学審議会 (予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)  https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_284075.html (第92回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第27回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)令和5年3月10日の項の議事録及び資料1-3-1 新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要(コミナティ筋注)別紙1 p.272参照) 
⑲医療事故と航空事故、共通点は多々 - 高本孝一氏に聞く◆Vol.4 2013年9月10日 https://www.m3.com/news/open/iryoishin/178753 。
⑳第3回 医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会2012年4月27日資料3 医療版事故調査機関の早期設立 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000028iv0-att/2r98520000028izp.pdf 。
㉑東京保険医協会:【主張】医療事故調査制度をめぐって――真の意味での「医療安全」を 2014年11月25日 https://www.hokeni.org/docs/2016042700097/ 。
㉒異状死に関する厚生労働省の解釈について 日大医誌 74 (4): 192–194 (2015) https://www.jstage.jst.go.jp/article/numa/74/4/74_192/_pdf/-char/ja 。【異状死に対する厚労省の新たな解釈としての判断が示されたのは平成24(2012)年10月26日に開催された厚生労働省の「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」第 8 回会合の・・出席した田原克志医制局医事課長は医師法第21条について・・外表異状のない死
体については警察への届け出は不要との判断(以後,厚労省解釈・・】
㉓日本医事新報:異状死の届出 https://www.jmedj.co.jp/files/item/books%20PDF/978-4-7849-4978-6.pdf 。
㉔日本医事新報:識者の眼】「医師法21条の届出義務は『異状死』ではなく『異状死体』である」小田原良治No.5179 (2023年07月29日発行) P.66  https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=22335
㉕東京都保健医療局:異状死の届出の判断基準(医療機関向け) https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kansatsu/iryou.files/todokedekijun.pdf 。【・・診療行為中の予期せぬ死・・なし崩し的に異状死は警察に届出となっている。】
㉖千葉大学法医学教室: 異状死なんでも相談(千葉県限定) https://www.m.chiba-u.ac.jp/class/houi/topics/topics-5.html 。【厚生労働省から毎年発刊されている死亡診断書(死体検案書)記入マニュアルでは・・死体外表に異常がない場合異状死届け出は不要であるといった異説が出るなど・・この件につきましては、厚生労働省に問い合わせたところ、届け出るべき異状死は従来と変更ないとの回答を受けております・・、とある。】
㉗4学会共同声明 診療行為に関連した患者死亡の届出について~中立的専門機関の創設に向けて~平成16年4月 https://pathology.or.jp/news/rijichou/4kyodoseimei.html 。
㉘日本麻酔・医事法制研究会:診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会”に対する日本麻酔科学会事故調 WG の活動について日臨麻会誌 Vol.29 No.7/Nov. 2009 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/29/7/29_7_890/_pdf/-char/en 。
㉙日本医師会医療事故責任問題検討委員会:医療事故に対する刑事責任のあり方について平成19年5月 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/05/dl/s0511-3k.pdf 。
㉚Vol.317 「異状死」の定義はいらない~無用な警察届出回避のために その2~医療ガバナンス学会2011年11月17日 http://medg.jp/mt/?p=1520 。
㉛医師による異状死体の届出の徹底について 及びその通知に関する質疑応答集 (Q&A) について(全日本病院協会資料) https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2019/190508_6.pdf 。
㉜日本学術会議:報 告 異状死等について―日本学術会議の見解と提言― https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-19-t1030-7.pdf 。
㉝厚労省:平成3年度版死亡診断書(死体検案書)記入マニュアルの追補について(全日本病院協会資料) https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2019/190508_5.pdf 。
㉞厚労省資料別紙3関連学会の提言等:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/12/dl/s1227-8a_0003.pdf 。
2.日本法医学会「異状死ガイドライン」についての見解(平成14年)p.12~。
 6.診療行為に関連した患者死亡の届出について~中立的専門機関の創設に向けて~(平成 16 年9月)同p.25~。
㉟北海道医師会顧問弁護士黒木俊郎&武市尚子:第29回医療事故調査制度と異常死届出(2015/10/1北海道医報第1165号) http://www.kurokilaw.com/qanda/ijiqanda29.pdf 。
㊲NHK:HUMAN ドキュメント&クローズアップ現代 へのコメント https://www.facebook.com/NHKgendai/posts/586189844855869?comment_id=586519434822910 
㊳日本医療安全調査機構:制度運営上の現状と課題(平成31年) https://www.medsafe.or.jp/uploads/uploads/files/soumu01/R01unei/01/01_02_shiryo/shiryo05-1.pdf 。
㊴医療の場では、「予期」と「予見」は法的に違うと、医師は現場の基本認識として捉えておいた方が良いと思う。2023年8月4日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid02P13nWqwZybbE5E8p32deSKj7Mnc9tdVXbbWNKaobjNenCHg7ow7b18hSCwkcDSGjl?__cft__[0]=AZUZNV62_iXjYyXIBHZhhooD2ZNvsDRuHr9YlaFsccpKFM1k4tvfuM5jQNPn5UjMgvwblKRqkfWms46wozMzgel13fM9AqNbcYzypVGQNcf1Un-sVdbeKcE7TnzI-PEabZQ&__tn__=%2CO%2CP-R 。
㊵医療事故調査制度が責任追及に使われているという現実・・・2023年11月26日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid033ve7HdTm5BeAVip6bJQDBqYC1XfRpMeXyUrBBAfj7YHm3mFK9Na6e9ak4Dfcpb9Gl?__cft__[0]=AZUFnm61sDUHtmEvS7QRWvObE5433e8KrblnYtoq52Muuwxq5QjFreUppiQ6chbwFJ8Z7dZZUnpDB3KSZ3Wchjflnf0AZNidZWWxFFAyGtpmuUeHkY5nf5cwHlgg6qmY0aA&__tn__=%2CO%2CP-R 。

※ 日本法医学会異状死ガイドライン(以下「法医ガイド」)にofficialにも従えとの記載が平成27(2015)年版死亡診断書記入マニュアルから削除されてより、その法医ガイドは一学会の考えに過ぎない考え方になったと一般に捉えられるようになり、実際自分でもその弊害がやっと無くなったと思っていた。そして医療事故調査制度が前年創設・同27年施行されるようになり、まともな医療体制に戻ると思っていた。その後報告数が少なくなり(㊳)行き過ぎではないかと自分でも感じていたのは確かではあったが、今回変だと思い調べてみたら平成31(2019)年にそれを揺り戻す動きが厚労省医政局から出ていた(㉛医師法解釈は変えていないと強弁しているが)。平成31年版死亡診断書記入マニュアルも変わった(㉝、医師法21条は異状死体であるとの添え書きが消えた)。
医療事故調査制度も本来の機能は未だに発揮出来ていないように見える。今、旧態依然と言っても良い程変わっていないように見える。これは㉛㉝㊳の資料を見ればわずか4年の間に揺り戻されたかに見える状況がぼんやり浮かび上がる。あくまでも医師法21条の解釈は変わらないと言いながら、実態は揺り戻されていることは東京都・千葉県の指導(㉕㉖)や死亡診断書追補(㉝)と書式の病名の項を見れば明らかである。医師法21条の解釈は変わっていない(㉛)と言いながらなし崩し的に病死・自然死以外は警察に届出ることになっているからである。あたかも日本国憲法9条の解釈で実質軍隊を自衛隊と呼び矛盾はないとの解釈で、法の本来の趣旨から外れても法解釈で乗り切ることと同じに映る。行政権限のゴリ押しで、言い方が失礼だが素人目には詭弁のようにも映る。また法治国家故に法学的思考が上位かもしれないが医療系思考への歩み寄りや提案等の謙虚さが欲しいというのは言い過ぎであろうか。
 東京都の監察医制度の実態は判らないが日本の他の地域では制度上の問題で、「検案の役割」と「検視の役割」を区分けできていない、具体的に言えば犯罪性はゼロでご家族も強く法医/病理解剖を拒否している状況で現場の解剖諦めの判断を刑事・病院双方確認し合っても念のためと警察の上司決定権者(担当課長?)に連絡すると上司は裁判所の許可をとってでもやれとなり現場の刑事も態度が180度変わる、現場を知らない上司の万一を考えての自己防衛である。その立場であれば自分でもそうすると思うので非難するつもりはないし制度の問題である。犯罪性の有無を超えた警察のゴリ押しの弊害があるのである。
この点が、警察への届出は犯罪性の有無とは無関係であると法学系から言われても、医学系からは現実と矛盾していると捉えられてしまう問題であろう。

議論百出の頃の、医療法21条は異状死体についてなので、作成すべきは「異状死体検案届出ガイドライ ン」である(㉚)、という主張は素人にも理解しやすい表現であったが、今はもう「異状死と異状死体の区別」の議論は消えたようだ。「予期と予見の区別」も曖昧模糊の表現に変わってしまったようだ(㊴)。この点、良識府とされる日本学術会議の平成17年提言は罪が深い(㉜)。医療安全の観点での言葉と責任追及の観点での言葉の違いを敢て曖昧模糊としてしまったように思えるからである。

平成6年以降の医師法21条の拡大解釈による混乱以来の歴史的背景は㉑㉒㉓㉔㉘㉙に略記されている。それらによれば、医師法21条の解釈はそれまで司法警察への協力姿勢がもっぱらであったものが、1991年厚生省「腎移植医療の社会システムに関する研究班」が「異状死体の定義とわが国の検案体制」の報告書の中で、異状死体とは「確実に診断された内因性疾患で死亡したことが明らかである死体以外のすべての死体」と定義したことから解釈が一変したといい、そしてそれは1994年の日本法医学会異状死ガイドラインに繋がるという。多くの他の学会も同様なガイドラインを一時発表したがあまりにも問題が大きいために日本法医学会を除きすべてまもなく取り下げたという経緯があった。法医学会ガイドラインのみ現在に至るまで今もその正当性を主張し、他学会や日本医師会とは共有できていない(㉙㉞)。

抑々、日本法医学会異状死ガイドラインが出来た頃、他学会は同様なガイドラインを発表したもののまもなく取り下げて、多くの他学会を含む医療界からその問題点が逆に多く取り上げられるようになり医師法第2条は異状死体についてであると厚労省が平成24年に認め、更に日本医師会には日本法医学会異状死ガイドラインに従えとは言っていないと厚労省が居直って以来、日本医師会は攻撃の矛を収めて問題は鎮静化に向かったように見えた。しかしその後も「厚労省死亡診断書記入マニュアル」及び「厚生労働省リスクマネージメントスタンダードマニュアル作成指針(2000年 国立病院機構向け)」にはその記載がなお残っていた。上記の平成27年度版「死亡診断書記入マニュアル」からその項が削除されたことで名実ともに法医学会異状死ガイドラインはofficialな見解ではなくなった。しかし再びH31年には医師法21条の異状死体は拡大解釈に実態的には戻っていた。法医系主張に行政が沿ったといえる。問題は揺り戻されているが、これらは必ずしも周知されていない。
とにかく現在は、病院等管理者は「異状死」は警察と医療事故調査・支援センターの双方へ報告義務があり、「予期しなかった死」は医療事故調査・支援センターに報告義務があるという。医師の手間は却って増えている。その予期しなかった死とは省令(医療法施行規則第1条十の二)の項に該当するもので医療法改正で決まったものである。病院等管理者が報告義務を負う「予期しなかった死」とは、事前に説明・文書化・予期していることの管理者確認、この3つを満たさなかった場合を言う。即ち、事前説明には万万が一のリスクも文書化したどこかに記載しておかないと報告義務を負うことになる、管理者が「予期していたと判断した」だけでは駄目である、ということが今回調べて判った。
また、現在異状死を警察に変わって届出ることができる頼りになる第3者機関は日本にはまだないようだ(㊵)。かつては予期できたと言えばなぜ事前から対応しなかったと責められ今は予期できなかったと言えば警察届出義務も課せられかねない状況になっている(かつては医師不足のためにレントゲン造影剤検査等はナースに任せ各病院が緊急Drコールで凌いだが行政ルールの建前は原則Dr立合いだった)。
理由はともかく法学系側へ行政が組して警察に届けるべき異状死は元に戻ったと考えるべきと感じたが、以前にお産難民出現のきっかけとなった横浜の産科病院への警察捜査が大きな社会問題になった時その警察担当課長が条文通り行動しただけと居直ったりすることは今後は無くなるのではないかと思う。

日本呼吸器学会WEB視聴してー ③2024年04月30日

日本呼吸器学会WEB視聴してー ③

<第64回日本呼吸器学会学術講演会2024/4/5-7。招待講演1 睡眠の謎に挑む~原理の追求から社会実装まで~(講師:柳沢正史、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構、4月5日8:30AM~) をWEB参加で視聴した

 この招待講演は面白かったので、Webでもう一度聞こうと思っていて保留のままにしていたら本日(2024/4/30)NHKテレビのあさイチで柳沢正史先生が登場して、睡眠特集を行っていた(あさイチ ぐっすり寝たい!睡眠改善SP[総合] 2024年04月30日 午前8:15 ~ 午前9:55 (1時間40分))。実用的な話だったので気持ちが覚めて学会の方の再視聴はやめることにした。そして遥か昔高校生の頃にどう生きるべきか、体のコントロールはどうすべきか、夜眠るべきか昼眠るべきか何時間眠るべきか、食事は何回採るべきか、口の中に手を入れて嘔吐してみたり等たわいもないことでも本人にとっては深刻だったことに悩んで沖ヨガ、催眠術、睡眠等にのめり込んでいた頃を思い出した。

<ぐっすり寝たい!睡眠改善SP 初回放送日:2024年4月30日 https://www.nhk.jp/p/asaichi/ts/KV93JMQRY8/episode/te/MYXNZQVNV1/ 。>

日本呼吸器学会WEB視聴してー ②2024年04月25日

日本呼吸器学会WEB視聴してー ②

<第64回日本呼吸器学会学術講演会2024/4/5-7。会長特別企画7 中枢気道粘液栓がもたらす閉塞性肺疾患病態のパラダイムシフト> をWEB参加で視聴した

 はじめボーッと聞いていたが、5人目の小熊剛教授(東海大学)の講演にはっとした。ABPA/ABPMの気道粘液栓のCT値は70と高くHAM(high attenuation mucus高吸収粘液栓)と名付けていた。血液(≒45)はおろか筋組織(≒60位、水=0,骨=1000,空気=-1000,)より高いというのである。ABPA/ABPMという名称も某学会でABPA以外をABPMと定義したので表現をABPMではなくABPA/ABPMとしたとのことであった(これまではABPAはABPMの一部と考える言い方が多かったと思う)。言葉は人によって定義やイメージが微妙に違うことが多く、北岡裕子教授(東京農工大学)が“中枢気道/末梢気道の言葉のイメージが使う人によって違っている印象を受けるがどう考えるか”との質問があり、司会者が戸惑う中で聴衆席から桑平一郎先生?が答えていたのが面白かった。北岡教授は拘りの強い方で若い頃より皆から距離を置かれていたことを思い出した。上記の場合は北岡教授の問いかけに賛成と言っていてその謂れは自分も別の所で言及しているので見てほしいと言っていた(オンライン開催4 Legendから学ぶ呼吸器病学のみらい3 末梢気道病変のみかた~日常診療に活かす呼吸機能検査からのアプローチ~、桑平一郎(総合東京病院呼吸器疾患センター))。これによれば末梢気道という言葉は1968年Macklemらが外径2mmのカテをヒト肺の気道に入れて内圧測定したのに由来し、以来内径2㎜φ以下を末梢気道という表現を使うようになったのが初めとのことである。末梢気道/中枢気道、上気道/下気道等、微妙に使い方が人によって違うこれまでの違和感についてはこの質問が留飲を下げてくれた。呼気ガス測定FINO→FiNOとの慣習表現も然りである(PaO2とPACO2の違いは受け入れられており大文字小文字の違いを区別すべきと今でも思っている。東北大滝島教授らの頃決まった?)。また桑平Drは閉塞気道の末梢がintactと考えると実験上矛盾が出てくるので単一指標のみで病態を判断するのは危険であるとも言って逆に質問もしていたので成程と思った。
 いくつかの新鮮表現にも教えられた。ABPA/ABPMのHAMが吸引除去し難いのは腐生付着ゆえだと表現していた。腐生という言葉には、成程と思った。気道粘液栓は昔からmucoid impaction等と表現されていたがその性質が様々であることは臨床現場では良く経験しCT登場で気管支内小塊も見つかるようになってからは特にそうだった。簡単に喀出で消えるものから気管支鏡下で吸引圧を強くしても取り難いものまで様々だった。昔、喘息発作死を経験したDrから“緊張性気胸はないにも係らずアンビュ揉んでも空気が入っていかなかったことが救命処置中にありどうにもならなかったと仲間が言っていたことを、そんなことがあるのかと思って聞いていたことがあった。上述の桑平先生も言っていたことに関連するが、気管支鏡観察で見える範囲には粘液栓が見えなくても末梢気道に粘液栓がびっしり詰まっていることのある症例を自分でも実際経験したことがあった。PaO2/PaCO2比がcross over pointを超え、挿管、レスピレータ管理に移ったが気道内圧が高過ぎ数回に分けて気管支洗浄を行ったことがあった。BALと同じ要領である(正確には気管支肺胞洗浄か?)。救命できたがそのBAL液は特異なものであった。糸くず状の細かいペレット状小塊が無数浮遊して混濁した洗浄液が採れた。顕微鏡で見ると好酸球やSharcot-Leyden結晶の塊だった(0.5x10mm位のペレット状?)、換言すれば好酸球の膿の小塊が無数に回収された。当時そのような報告は見当たらず貴重なプレパラートでいつか症例報告をしなければと思い保存しておいた積りではあったが退職時に捨ててしまったようで探したが見つからなかった。最近は難吸収性の吸入ステロイドとLABA合剤等で喘息死は激減したのであのような症例はもう見られなくなったようだ。好酸球ペレット小塊に注目した報告はその後もなく世界に一つだったかもしれない標本と思っているほど貴重なプレパラートだった(H.2年の症例で論文化はしなかったが症例報告はした?第5回日本アレルギー学会春季臨床集会1993年5月「気管支洗浄により救命し得た気管支喘息重責発作の症例」)。この患者はその後再び重責発作で或る大病院に救急搬送されて内科からICUに移り全麻の麻酔科管理になったが改善不能とのことで内科に戻された。対応に困った主治医が既往歴を知り当院へ連絡してくれて気管支洗浄処置の応援に行ったというおまけがついた。自分の在職中は元気に存命中であったがあの時は地獄を見てきたと本人は後に述懐していた。その後、簡単な論文化がされたが残念ながらそれには好酸球ペレット小塊への注目はなく光顕像は載っていなかった※※(アレルギーの臨床14(1)51-53,1994.)。この好酸球ペレット小塊の所見は末梢細気管支レベルが広汎に閉塞していたことを如実に示しており、見方を変えれば好酸球膿で細気管支レベルが広汎に閉塞されていたための気道内圧上昇であり、細気管支性の窒息病態と言っても良いとも思う。
(※※追記:正確には、糸くず状の細かいペレット状小塊が判る弱拡大写真を示していなかったというべきだった。そのイメージ像はペレット様=キャスト状=細円柱状とも言い換えられる。)

 上記の糸くず状の好酸球ペレット小塊は今流にいえばEETosisである。一般的に言われる膿は好中球の死骸であるが、単なる壊死necrosisやアポトーシスapoptosisとは言わず今ではNETosisというようだ(①②)。②によればミトコンドリアDNAが吐き出されEETsが生ずるという考え方があると言っているが之には、はて?と言わざるを得ない(今放映中の朝ドラ虎に翼,寅ちゃんの口癖)。ミトコンドリアDNAと言えばoncocyte(本来のmitochondria-rich-cell、一般的には腫瘍細胞一般とも誤解釈されている?③)の意義・機序は未だに不明だからである。スエヒロタケもHAM+という。スエヒロタケのABPMも1例経験しているが、培養期限を過ぎて放置しておいた培地から生えてきたというので記憶に残っている(これも学会発表のみ行っていた。「スエヒロタケによるアレルギー性気管支肺真菌症の一例」第594回日本内科学会関東地方会,2013,2.8.)

 末梢気管支が2mmφ以遠を言うのは納得するとしてそのあたりから気管支軟骨も消失するという別の演者からの答えがあり最近のChestでも報告されたと言ったのには、これにもはてっと言わざるを得なかった。日本人の業績には目をくれず西欧のデータのみ重きを置く傾向があると感ずるのは最近のCOVID-19流行初期のマスクすべきか否かにも表れていたことでもあるが、2mmφあたりから軟骨が消失するという意見にはその方面の専門家である北岡先生が意見を言うと期待したが発言はなかった。
かつて日本人の名著と言われた原著「Roentgenologic Anatomy of the Lung」Hideaki Yamashita,M.D. 1978 by IGAKU-SHOIN Ltd Tokyo /New York.では軟骨がなくなる末梢気管支径は0.5mmφ前後と言っていたはずである(写真:絶版になって今は手に入らない、残念である)。気管支径(細気管支径)は病態や吸気位・呼気位で変動するので測定方法によって異なるのは承知としてもそれに言及せずして2mmφが軟骨消失レベルと言い切るのには、はてっと言わざるを得ない。もっとも気管支軟骨があっても無くても2mmφ以遠は全周性※ではなく散在性島状と思われるので気管支径変動を制限するわけではないのは勿論である。もっともEEP(equal pressure point)は病態によって動くので、2㎜φ細径気管支鏡を使って実観察しているDrには是非教えて頂きたいところである。  (※正確には馬蹄形)
(形態学的視点ではなく、軟骨の存在が細気管支レベルの生理学的機能に影響してくる付近が2mmφ付近であろうと言うのならばそれはそうかもしれない)。

①NETosisの説明:東北大学 加齢医学研究所 加齢制御研究部門 基礎加齢研究分野(堀内研究室) https://www2.idac.tohoku.ac.jp/dep/mcb/study-nets.html 。
②EETosisの説明:ア レ ル ギ ー 用 語 解 説シリーズ,EETs/EETosis,アレルギー69(4)271―272,2020. https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/69/4/69_271/_pdf 。
③オンコサイトoncocyteの説明:「オンコサイトの糸粒体の電子顕微鏡的観察」片岡隆嗣,耳鼻咽喉科臨床,Supplement34,pp1-30,1989. https://doi.org/10.5631/jibirinsuppl1986.1989.Supplement34_1 。
 < Oncocyteの元来の意,即ち=mitochondria-rich cell,の説明:Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Oncocyte 。即ちtumor cellの意だけではない。Oncocyteは未だに解明点の必要ある細胞である。>

④<写真>
<div class="msg-pict"><a href="https://ku-wab.asablo.jp/blog/imgview/2024/04/25/6bce5b.jpg.html"
target="_blank"
onClick="return asablo.expandimage(this,662,956,'https://ku-wab.asablo.jp/blog/img/2024/04/25/6bce5b.jpg')"><img src="https://ku-wab.asablo.jp/blog/img/2024/04/25/6bce5a.jpg" alt="Roentgenologic Anatomy of the Lung by Hideaki YAMASHITA 1978. 1st edition" title="Roentgenologic Anatomy of the Lung by Hideaki YAMASHITA 1978. 1st edition" width="300" height="433"></a></div>


※追加:
かつては、重症喘息と難治性喘息は全く別概念だったが今は区別しなくなった。
難治性喘息診断と治療の手引き〔第2版〕2023(日本呼吸器学会版)および、難治性喘息 診断と治療の手引き2019(日本アレルギー学会版)、のどちらも同じような扱いになった。
「難治性/重症喘息の定義は,指針やガイドラインによってそれぞれに違いがあり,統一されたものはなく,時代における標準治療の違いにより,その定義も少しずつ変遷をとげている・・ATS/ERSガイドラインにも合わせ・・難治性喘息と重症喘息をほぼ同義としている・・(アレルギー73(1)11-13, 2024. ガイドラインのワンポイント解説)」、と暴露している。これを進化としているが、これは退歩と言い換えた方が良いと私は思っている。

確かにICS/LABAの吸入薬等の進歩で難治例は減少しているが無くなったわけではないのにもかかわらず世界の学会等指導者層がその難治例を経験しなくなったことによる同義化としか思えない。そもそも難治性喘息はアドレナリンが著効しないが重症喘息の中には死に至るほどの重症であってもアドレナリンが著効する例がある。難治性喘息ではまず著効はしない。かつてβ-blockade-theoryと言われた由縁である。
可能な限りの治療を行っても数週間以上体動困難な程の喘息症状が続きコントロール困難な喘息と、普段日常生活をほぼ普通に送っていた喘息患者が放置すれば死に至るほどの急激な重症喘息発作に陥る場合とでは治療薬に違いが出ることは、昔はあり今もあるはずである。20数年前までは日本アレルギー学会でも発作強度と頻度の組み合わせで重症度分類していたが現在では発作強度・頻度を同列としてそれと治療度の組み合わせでの重症度になっている。重症度を強度・頻度を含む重症度に変更にしたための違いが重症度分類に別世界を生んだ原因のようだ(GINA global initiative for asthma1993が出たことからの変更か?)。この新しい分類が悪いとは勿論言わないが難治性喘息と重症喘息を同義とするのは治療上の問題が出てくる。それは上記の違い等があるからである。また大部分は強度頻度が相関するにしても、頻度が軽度でも高度の重症強度発作リスクありの相関しない例も有るのである。
気管支洗浄してやっと救命し得た上記例は難治性喘息でもあり重症喘息でもあると言える。急激に悪化して意識消失する程の重症喘息発作でも救命回復後に本人に聞くと手元のハンドネブライザーを口にくわえたまでは覚えているがそれ以降は覚えていないというような重症喘息発作は以前には決して稀ではなかったし、アナフィラキシーとの違いがある事も明らかであった。

日本呼吸器学会WEB視聴してー ①2024年04月20日

2024/4/19 アサブロ

日本呼吸器学会WEB視聴してー ①

<第64回日本呼吸器学会学術講演会2024/4/5-7。特別報告6 ダイバーシティ&インクルージョン:日本呼吸器学会と呼吸器科医の未来に向けて(将来計画委員会・DEI委員会)>をWEB参加で視聴した

 最初の演者の多賀谷悦子教授(東京女子医大)の講演は面白かった。自分よりも20年以上若い世代であるが、日々行っていたことは似たようなものだったので親しみも持てた。
 日々の多忙渦中では喜怒哀楽も辛さもその都度あったが、自分を見失わないように、溺れないように、がむしゃらに、一に勉強二に勉強、三・四が無くて五に勉強と何でも勉強勉強で知識欲はあったし体力もあった。夜に研究室の机の上で寝てそのまま出勤も平気だった。周りの仲間も同じように徹夜明けで目を赤くしながら外来診療するのも稀ではなかった。患者はいつ来るか分からず夜討ち朝駆けが当たり前だった。辛いなんという感情は捨てていた。目の前に出てくるものに制限を設けずあるがままに何でも受け入れたり聞いたり真似したりしていたせいか最も効率的な学習も遊びも周りからの耳学問・良くも悪くも他山の石であった。患者には感謝されるし充実感もあった。消化器検査はレントゲンも内視鏡もスクリーニング検査は内科の基本との当然の認識であったし、呼吸器内視鏡は当たり前で右心カテやペースメーカーも自分で入れていた。一時ペースメーカー留置でパーマネントへのつなぎであるが随分助かった患者もいたと自負している。肝臓や腎臓等同じ大事な臓器でも数分一休みしても大丈夫な臓器と違って心臓は数分止まれば永遠に止まることにつながるという違いがあるからである。診察は患者が診察室に入る様子観察から始まる、君たち専門馬鹿にはなるなよとは恩師の言葉で、目指すは富士山のような高い専門性と幅広い総合性であり小さな築山ではなかった。
次から次へと新しい疾患に出会うのでゆっくり振り返える余裕はなかったが気持ちは充実していた。おかげで家族には迷惑をかけた。我が幼子が脚に行かないでとまわりつき笑顔で突き放して出勤するのは当たり前で勲章とされた。後年、あの時はお父さんに捨てられたと本当に思った、とそれとなく言われた時はそうだったのかと内心愕然とした。でもその位やらないとやるべき役割は果たせなかったと今でも思う。おかげでこてんと何度か倒れても幸いまた復活して今まだ生きている。大戦前なら何度か死んでいると思っているので運が良かった。上記の演者も嫌だと思っても仕事にリミテーションを設けなかったのが後年役に立ったと言っていたのが印象的であった。

今回の呼吸器学会総会で男女共同参画委員会がDEI委員会に名称変更されたことが報告された。名称変更した理由・この名称になった理由について調べてみたが下記①の説明が理解しやすいようだ。
日本では1999年に「男女共同参画社会基本法」が公布・即施行されている。それを受けて多くの学会により男女共同参画委員会等が学会内に作られるようになっていた。そして今回DEI委員会に名称変更されたことになる。
人種差別や男女差別・障碍者差別等は良くない、多様性の受容は社会の存続に必須等と言われるようになって久しいが、現実社会では意識の奥に浸み込んだ無意識の差別は今でも相変わらず無くならない。男女共同参画→DI→DEI と言葉が変わってきているが、かつて医療事故防止委員会→医療安全委員会→医療安全管理委員会(平成10年代)に変わったのも同じような意識変遷の流れであろう。
DEI(DE&I, diversity equity and inclusion)とequity(公平・公正)が加わったのはアメリカが始まりといい、新自由主義やポピュリズムが受け入れられるようになりその後トランプ大統領も当選してあからさまな我田引水が抵抗もなく当たり前になり、Black-lives-Matter(黒人の命は大切だ)等の様々な事件・問題も社会に出てきた以降で、平等という概念の違和感に変わってequityが新規に追加されたのは最近で、未だ4-5年しか経っていないようだ(②)。
そして日本ではLGBT法の成立は昨年で、出来たばかりである。この法律は理念法でLGBTに限らず子供・障碍者・弱者も含むあらゆるマイノリティーの人権を守ることが目的という(③)。

貧困や格差は世代を超えて受け継がれる等と言われて既に久しいが貧困も格差も相変わらず無くならない。かつて1億総中流と言われ世界一安全な国と言われた日本も、今やあらゆる格差が拡がり犯罪多発国に陥っている。将に衣食足りて礼節を知る、である。
今や貧富格差等の格差は益々拡大しかつてノーベル賞も与えられた経済理論のtricle-downは起こらず、優位は自分の実力で勝ち取ったものと勘違いする人の心も変わらない。男女平等とも言いながら同権不平等の実態は変えようもない。そこで出てきたのがequityという言葉のようだ。確かにスタートが違えば比較できないしゴルフのハンディキャップは当たり前に皆受け入れられている。かつて先輩に院長の地位は本人の能力に与えられたものでなく自分の背中に背負う看板なので自分が偉くなったと勘違いしないようにとの心構えを送られたことがあったが、今思えば有難い先輩だった。

①【DE&I】DE&IのEとは何か?いつ頃から、なぜ加わったのか? Takahito Sasaki(佐々木孝仁) 2023年5月21日 https://note.com/takahitosasaki83/n/ndc81307fe2ed 。
②LGBT法(性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律)2023年6月23日公布即日施行 https://www8.cao.go.jp/rikaizoshin/law/pdf/jobun.pdf 。

③内閣府「性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進」 https://www8.cao.go.jp/rikaizoshin/index.html#law 。

Refeeding syndrome について2023年12月11日

Refeeding syndrome について
 戦国時代の“秀吉の兵糧攻め”が英語論文になったという(⑪,⑫,⑬)。既に知られていたRefeeding syndromeではあるが「詳細な記録が残っており教訓的な逸話として後世に残すべきだと考えた」と著者の弁である。その理由を聞いて“あっぱれ”と思う。
足尾鉱毒事件も詳細な記録がのこっている公害事件の世界的な嚆矢である。英文の著書も既にあるが未だ世界的にはあまり知られていないのが残念である。
 Refeeding syndromeも対応を間違えば致命的にもなり得るので、もっと診療現場に知られて良い疾患である。知る人ぞ知るなので、改めて調べてみた。

 かつて若い頃ヨガ道場で修業の真似をしたことがあるが、一般的に断食終了後の摂食開始は回復に2倍以上の期間が必要と言われていた。第二次大戦中のMinnesota Study(Keys,1950)では飢餓後の制限解除後は自分でもコントロールできないほどの無茶食い衝動が伴うとされた。自分でも2週間の修業後に三島道場から帰省する段になってそれに陥っていたのを思い出す。
Refeeding syndromeは、過酷な飢餓後の急速な栄養補給でかえって死んでしまうというものである。低リン、低Vit.B1、低K、低Mg、等で、心停止・呼吸停止・けいれん・意識障害などで、摂食開始1~3日以内に急激に出現するといわれている。栄養投与は150kcal以下/24hrs位からゆっくり栄養再開しなければならないという。
 第二次大戦や秀吉の兵糧攻め(鳥取城・三木城)で発生していたと既に知られていることではある。

以下、その論文等の資料を挙げる。

資料:
① 戦国こぼれ話】地獄のような鳥取城の惨劇。440年前に行われた羽柴(豊臣)秀吉の兵糧攻めの全貌 YAHOO!Japanニュース 渡邊大門株式会社歴史と文化の研究所代表取締役 2021/3/10(水) 6:00 https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/0cdb82ddb1db5bd9a53b15e73d6ba2c5b677d996 。
② 三木合戦 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%9C%A8%E5%90%88%E6%88%A6 。
③ 地獄絵図の虐殺!日本史上稀に見る鬼畜戦略、豊臣秀吉による「鳥取の飢え殺し」とは? Japaaan マガジン2022/06/29 https://www.google.co.jp/search?q=%E7%A7%80%E5%90%89%E3%81%AE%E5%85%B5%E7%B3%A7%E6%94%BB%E3%82%81&sca_esv=589734753&ei=U9p2ZcueKtyH2roPk5i3sA8&ved=0ahUKEwiLlJ7njIeDAxXcg1YBHRPMDfYQ4dUDCBA&uact=5&oq=%E7%A7%80%E5%90%89%E3%81%AE%E5%85%B5%E7%B3%A7%E6%94%BB%E3%82%81&gs_lp=Egxnd3Mtd2l6LXNlcnAiFeengOWQieOBruWFteezp-aUu-OCgTIFEAAYgARIu3lQ5AdYtm9wAngAkAEDmAGgAaABsyCqAQQzOC44uAEDyAEA-AEBqAIUwgIKEAAYRxjWBBiwA8ICHRAAGIAEGIoFGOUCGOUCGOoCGLQCGIoDGLcD2AEBwgIWEAAYAxiPARjlAhjqAhi0AhiMA9gBAsICDRAAGIAEGAQYsQMYgwHCAgYQABgDGATCAgoQABiABBgEGLEDwgIHEAAYgAQYBMICCxAAGIAEGLEDGIMBwgIKEAAYgAQYigUYQ8ICDRAAGIAEGBcYsQMYgwHCAgcQABiABBgXwgIJEAAYgAQYBBgl4gMEGAAgQYgGAZAGCroGBAgBGAe6BgYIAhABGAo&sclient=gws-wiz-serp 。
④ 第6回 秀吉の兵糧攻め 月刊レジデントノート2015年3月号 https://www.yodosha.co.jp/rnote/trivia/trivia_9784758115476.html 。
⑤ NSTミニレクチャー第 45回 ~ リフィーディング症候群について ~ 西新潟中央病院栄養管理室 NST NEWS 第71号2020 年3月3日 https://nishiniigata.hosp.go.jp/contents/bumon/nut/doc/nstnews71.pdf 。
⑥ 症例報告 Refeeding Syndrome(RS)を呈した神経性無食欲症--RSの予防と治療 精神神経学会誌111:388-397,2009.  https://cir.nii.ac.jp/crid/1520291855083616256 。
⑦ 摂食障害の救急治療と再栄養時のrefeeding症候群 日本内科学会誌 105:676~682,2016.  https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/4/105_676/_pdf 。
⑧ Refeeding syndrome and hypophosphatemia MARINELLA M. A. J Intensive Care Med 20 155-159, 2005.  https://cir.nii.ac.jp/crid/1571135650976594560 。
⑨ 神経性食欲不振症の入院中における低リン血症もしくは Refeeding Syndrome 日本心療内科学会誌 8 (4), 229-234, 2004-11-20  https://cir.nii.ac.jp/crid/1571417125364829696 。
⑩ Hypophosphatemia during nutritional rehabilitation in anorexia nervosa: implications for refeeding and monitoring  Journal of Adolescent Health 32 (1), 83-88, 2003-01  https://cir.nii.ac.jp/crid/1361418521165153792 。
⑪ 秀吉の鳥取城・兵糧攻め、「リフィーディング症候群」で大量死亡か 医師らが論文 2023/12/2 産経新聞 https://www.sankei.com/article/20231202-ZIJX5PT5VZKENAEDGSCHIEFIQU/ 。
⑫ 秀吉のおかゆ、大量に食べて急死!?「戦争に伴う飢餓への警鐘」 鳥取城の兵糧攻め後の死者、飢餓状態で起こる最古の症状か 学芸員と医師が国際論文発表 2023/11/21山陰中央新報 YAHOO!Japanニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/8276f4400777c23b223b662a5b5266a64b2cb47a 。
⑬ Hyoro-zeme in the Battle for Tottori Castle: The first description of refeeding syndrome in Japan Am J Med Sci . 2023 Dec;366(6):397-403. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37690626/  。

尾身茂著「1100日間の葛藤」を購入して、わが身を振り返る2023年10月19日

尾身茂著「1100日間の葛藤」を購入して、わが身を振り返る

 政府の新型コロナウイルス感染症対策の実質のリーダーだった尾身茂氏が後世の役に立つようにと振り返りの記録「1100日間の葛藤・・・」を上梓した。
日本を含む世界中がその対応方針を暗中模索する中で政府の助言者として陰になり時には責任を押し付けられたかのように政府の矢面に立たされたり、時には無視されたりした、自分にはそう映った。攻撃の的になったりしたことも目にした。尾身氏ら有志達は毎日曜日集まって勉強会を開いていたという。
 本書を読んで自分でもどうしてきたかを振り返ってみようと思いページを捲ってみたがあまりにも多岐にわたり、自分達の行動と照らし合せるには膨大な努力と時間がかかりそうなので、取り敢えずプロローグとエピローグを読んだだけで自分達の歩みも纏めてみることにした。
 自分も介護職場の最前線でそれなりの情報を得て暗中模索しながら努力した積りではあったが、結局自分たちの身は自分たちで守るしかないとの結論になった。試行錯誤しながらもその都度今現場で出来ることは何かを常に頭に置きながら行動した。どんなに偉い人が言っても自分達に適用できなければ無視するようになった。正解だったかどうかではなく後悔しないためにはどうするかという方針を取った。事業仕分けの政府方針が介護は社会インフラとして事業継続が必要であると明示してくれたことは自分達の方針決定には大きなベクトルとなり有難かった。通所リハ人数制限に対して地元行政は不満意向を示したがこれには従わなかった。
初期の頃(2020年2月~)は、施設内への感染侵入阻止のためには、疑いの段階で手を打つのでは遅いので、スタッフには感染の不安が少しでもあれば遠慮なく欠勤するように周知して「疑いの疑い」の段階で手を打つように心がけた。介護業務はルーチンワークを削減して最低限でも止むを得ないとした。1日の欠勤者が何人までなら凌げるかと腹を括った。各々のスタッフが主体的に行動してくれるであろうとの信頼は大きかった。

自分の職場は100人の要介護の入所者(一般棟50人・認知棟50人)がいた。通所リハ利用者も30人を上限にいた。介護施設は施設ごとに構造が皆ちがうがわが施設の一般棟は殆ど個室がない構造だった。介護業務自体が3密を満たしている上に発生しても隔離ができない。しかし現実には感染者が発生しても直ぐ受け入れてくれないことがあちこちで発生し、しかも事前にECMOの事前許可を取っていなければ受け入れ拒否される等様々な情報が入り入所者全員の事前のそれらのアンケートも取っておくようになった。
2020年4月には全国の老健でクラスター発生したが受け入れ先がなく自施設で看ざるを得ないことが現実に発生したのでおそらく全国の老健で衝撃が走った(福岡・富山・千葉県等)。老健は医師が常駐しているからとの理屈である。それ以前より老健はある時は病院扱い・ある時は介護施設扱いで行政にとって都合よく解釈されていた。だから例えばオムツは病院と同じ感染性廃棄物扱いで特養の一般廃棄物扱いより年数百万円の余分出費があった。
同じ頃群馬県でも有料ホーム〇〇にてクラスター発生したが直ぐには転入院できない事態が発生した。施設の対応が問題視された一方保健所の対応にも問題があるとのくすぶりがあり後に知事が第3者の検証チームを立ち上げた。事実が明らかになることを少し期待したが問題となる点の記録は見つからなかったとのつまらない結論になった。その頃より自施設では、気になる指示が公からあったときは日時・相手名・内容をメモしておくようにと指示するようになった。
 初期の頃はPCR検査体制が不十分であったために、現場でPCR検査依頼しても基準に合わないからと保健所に拒否されることの問題もあり国会でも取り上げられて当時の西村大臣が目安で決めただけで基準にした積りはなかったと言い訳したこともあった。既に体制改革で規模縮小されていた保健所の能力では耐えられないことは2009年の新型インフルエンザで経験済なのに今回も末端の保健所に丸投げをするやり方は全く政府に反省がない証拠であった。国会で参考人の児玉龍彦教授が民間の力を借りる具体的対策を助言したことがあった(2020年7月)が国会は動かなかった。かつて日本学術会議が医療を崩壊させないためにという公開シンポジウム(2007年8月30日 日本学術会議講堂)を六本木で開催したが、清水の舞台から飛び降りる程の気持ちで田舎から出ていき出席したことがあった。世の有識者と言われる人達はこんなにも了見が狭いのかとがっかりして帰ってきたことがあったが、この国会の議論も似たようなものだった。

 1年足らずでmRNAワクチンが実用化されて画期的ではあったが手技を筋注限定されたことには困った。インフルエンザワクチンは日本においては皮下注となっていたのでこれまで問題なく高齢者にも行えたが、筋注となると日本の高齢者施設では問題が生じる。そしてこの問題が全く取り上げられないことに大いに驚いた。日本の介護現場の実態を全く知らずに米国CDCの受け売りに日本中が終始していた(資料ABCDE)。従来より小児においては筋注の方がやりやすいようで筋注も許可してほしいと国に要望していたことはあったが、それに輪をかけて筋注にすべきだコールが米国輸入の専門家が大声で唱えていた。小児はどちらでもよいがるい痩衰弱高齢者にとっては大事な違いがある。念のためにその時点の入所者の筋注可否をエコーでチェックした所入所者の1/3程は筋注不可の結果であった。筋委縮により医学的には皮下注になってしまうということであった。免疫効果は皮下注も筋注も大同小異だとは思っていたので見做し筋注をofficialに認めてもらえれば問題なかったが、筋注でなければ免疫効果が期待できないと日本中の専門家が大声で唱えたことにまた驚いた(これは後にエビデンスがないだけで同じと思うと免疫の専門家に言って頂いた㉕)。マスクもサージカルマスクと布マスクの違いがNHKも含めて強調されすぎたためのマスク不足も同じであった。米国では不活化ワクチンは筋注が基本とされていたせいか輸入ワクチンは筋注が多い。高齢者施設が対象でなければどちらでも構わないが、そもそも米国のCDCには枯れるように痩せて亡くなっていく高齢者へのワクチンなどは視野にはないと思われる。日本の現場は西洋とは違うのである。医療は社会的要素が必須であるために世の中が認めないものは独りよがりの医療はできない故に、今回の新型コロナワクチンの副反応の度合いが初期には分からなかったこともあり、もし有害事象が出て訴えられたら裁判に耐えうるかという視点から対応を判断するしかなかった。医学的には「見做し筋注」でも問題ないとしても添付文書が筋注に限定されていて社会のいわゆる専門家たちがその違いを針小棒大に声高に唱えている以上添付文書に違反していては裁判には耐えられないと判断した。どうするべきかとあっちこっちに相談したが埒が明かず、見做し筋注を認可してくれなければ医学的判断でワクチン注射可否を判断するしかないと官邸にもメールした(2021/3/26付)。そんな細かいことに官邸が気を回している余裕はないとは分かっていたが裁判にも耐えられる方策の一助とした。従ってご家族が希望しても医学的理由でワクチン注射不可と当時判定した例が何人かいた。この点の社会の問題意識は当時全くなかった。今でさえないと思う。いわゆる専門家の意見が大きい故に最近の認可されたワクチンで高齢者こそ施行した方が良いと思われるワクチンさえ筋注に限定認可されてくるようになったことには大いに問題意識を感じている。



情報収集の軌跡の一部を以下に拾ってみた。

①新たな言葉「エアロゾル感染」について2020年2月14日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid02F5un4A2qxyawRekanhGFjtxEjMZnTuTDxVquDvN7S9JY6DiywCATvQsc6DBCEinml?__cft__[0]=AZVZgdUyRPrsYfPjPoTM5pDp6K0e5q3cu3GcLIrPW6BUArxM6eBSC9FLFaLlwN52ApAOaMK80W7WxEu8kcBaVavIo-4h0TGLX7hvVPQ1znSJ4YCFYAEHRFm7xjFaoZW_tos&__tn__=%2CO%2CP-R 。
エアロゾル感染(=マイクロ飛沫感染)という言葉については空気感染(=飛沫核感染)との異同で学者も含めて混乱していた。学会でも新型コロナは空気感染し得ると発表していた専門家もいた。しかしR2.7.30.の政府のアドバイザリーボード資料「新型コロナウイルス感染症はこうした経路で広がっています」の中では異なる概念であると明示している。空気感染が長時間・長距離まで感染が広がり得るのに対してエアロゾル感染は、3密等の一定条件下で起こり得る少し長い時間・少し長い距離にまで感染が拡がり得る場合を指すと言っていた(意訳)、この言葉が定着した今これがofficialな見解になるのだと思う。本書を読んで初めてその定義を知った。

②脆弱の読みは頂けなかったですが、価値ある発言です。2020年2月16日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid02e8eDaozHDAUeaqHe2jx7YvfxF3oWZfcYwDLdw4ZgY829ion2kHp4eGD4hN9bvUzyl?__cft__[0]=AZWil5gEBCinFSCXczChj35VbriByBM4zrfsF31wW5cIyxOsETu7vCIwBmfv82KOTF0WS3dCU7HkRPHycfjXVq8n_T7sH48JmePxAkzutQUmaNMycV43Z8SoKeLDgFz0kK4&__tn__=%2CO%2CP-R 。

③豪華客船ダイヤモンド・プリンセスにてN95マスクを使っていた?何かの勘違い?あるいは報道間違い?2020年2月21日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid02YZvhPvkFssen6DovoHDT58mKZa6c5ctpPYNkKxEtF928X5CthC9r2pR53b4Dykkdl?__cft__[0]=AZVXXSY76SoZbgwK34xbzqgTSZbdLxFJRLxVzUm_mbqo2LQK2ZcnGv4RUwhwGDAUAmkmihSxb-6mgd1Ew3OKCZ_nikMQT9IypbIAYlG45xvrwoVlW_MPptzh6EYXcWfuqWA&__tn__=%2CO%2CP-R 。
何人か厚労省スタッフにも感染者が出た時に専門家の誰かがN95マスクの使用法がまずかったと批判していたのをニュースで聞いていて、本来ならPAPRを用意できなくて申し訳なかったと労うべきものを個人の責任に押し付けるとは何事か、と怒りを覚えた。現場感覚がない証拠である。着けたまま動き回れば息苦しくなってしまうことは自分で着けて動き回ってみれば直ぐ分かる。

④新型コロナは自然環境でどの位生きているか?2020年2月21日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid032JUvj2EjqEJs3RcnaXWQumSexzvcouzLTyto62q8FSosvMQhFZh52HRsHH9VizoDl?__cft__[0]=AZWWlA69Lnh3JEmCCq6xYRdLUNc0jv9kUjN25-rl-ndURqA9iQcoAdum8ed1RYWNKcsONQCnPelidQo0-14wbwdiw8gon0SfzFhiN2tx0XPvv0ReFhpm7C7S8S0W4ISZOJI&__tn__=%2CO%2CP-R 。
 感染爆発の初期の頃は最も知りたいデータであった。情報が乏しい中で一所懸命調べたつもりではあった。もし施設にウイルスが入り込んだら入所者の1/3はなくなってしまうだろうと腹を括っていた。風邪でも亡くなりかねない程の慢性呼吸不全HOT利用衰弱者等がゴロゴロいたからである。

⑤新型コロナウイルスでのマスク不足・・マスクは手作りマスク で十分だ・・2020年2月28日 https://ku-wab.asablo.jp/blog/2020/02/28/9218715 。
 マスク不足・PPE不足は不必要な人たちが買い占めたために、本当に必要な病院の人たちに届かなくなってきたために、一般の人たちは手作りマスクで十分だと言いたかった頃だった。この頃からなりふり構わずネットで情報発信をするようになった。

⑥傾聴すべきご意見です。様々な現実的問題点をご指摘されています。2020年2月29日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid04WNQN2UFfAiwYSMR8yoVj9RcCFenAAgyipndiSHRDye2uDHaP4jFa2w65zBfDybhl?__cft__[0]=AZV75ysKKgREjFD1e4LoG2OjwIlZ1gxzqP_v4H-rNXDJHmcgQRweR-hnb9Fsq0Q63r4oyqmbT7H0CPbUYl7c-kutLOeM7V_MGhEDCw4qcFpi6CxYtF2UmSO-nfy3SjkuUjs&__tn__=%2CO%2CP-R 。
 初期の頃はPCR検査の結果が出るのに1週間もかかった。今ではうそのような状況であった。

⑦「中国からの輸出例の約7割が未検出か・・Medical Tribune」2020年3月4日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid0m1hPpagvuQNfb75Zc1kpM7Tb1QQi3tSxtfRW2QtpFBd4siiFcg3u1UU8NHaWUMFel?__cft__[0]=AZW7PExd76S079ZgForofNTQamwlBIGwWbvnbIFoVuPeSlbwm8ic5gW6OT-N6nDy03_tkHetnd64MooxvE2NVjlOehyhh87dO_hZ_Qz9fsp3Y4xXx9FAxF5Ws3yoC6juUoM&__tn__=%2CO%2CP-R 。
 机上での判断ではPCR検査の感度も特異性も極めて高いといわれていたが実際には偽陰性も擬陽性もあることが突きつけられてきた時期であった。

⑧日本プライマリ・ケア連合学会・・分かり易く書いてあります。2020年3月16日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid02NaMCHc1QrxASv3JJ4ovccCaffZ4WJjb5U6yaN8owGJMW2JhGq5MdZ1XS2Mzpfvyxl?__cft__[0]=AZVSiBomlOPKUH5xQumpYWCh3DaJXJCqcIj8lNdCZMMfYDaMl0JK0Ht4CmBUHbPemw6U4xrB9-7VhFmpeoQ8gwbNrtnA20MyCjnb-Dlatg4xP3MVu55fdRSIFTxplZnD4Vc&__tn__=%2CO%2CP-R 。
様々なデータが飛び交っていた時期だった。

⑨NHKや国会はこういう意見を聞くべきではないでしょうか。2020年3月17日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid02pnzP2KJDe5e7oUu8W57jpeeosrFUwp1ZNSA8vPeSExNWozdLzvZ5voZEhyDv5vxSl?__cft__[0]=AZWlvAvwlNad2DlPekQiuSBDuPydK3aKTIudzKCqR6E0eJGfMoJNyK8HO-O_k1OUtihyFDbmhf6eouwNcgdykABvPxjTdIShIPM_Vj6GqwQTwTO74lT8_ozXguw_gsLWKz4&__tn__=%2CO%2CP-R 。
 検査はただやればよいのではないことを理論的に説明している情報で、データ解釈をする上での基本だと思っていた。

⑩2020年3月19日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid026YruoTpTfi4XJYSmZfyY2z3GSwesHMtSkCb2g5HzjZHkCDbJWjbAg5CnowteC5rol?__cft__[0]=AZXGiSNP5ZuffuTiTtza1N-qvcuBH6CZlwh1a3c2WqBij7ab96S3lhwp96esuklATC6-7mGAgUU3n1Qoyc785PWLHNRHXKao-rGCHju4KWI7XMzKIRiMNJ5ZhKTnH5pkc9Q&__tn__=%2CO%2CP-R 。
検体採取手技が駄目なら検査結果の解釈も全く無意味になってしまうことから、自分は検体採取法には拘っていたが、それに拘っていた情報は論文も含めて殆どなかった。

⑪2020年3月22日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid02rGHNzbkChLCKiQdnqRysrKnwiSWUnTFDbnf3aeFhMsrmEm6bARaj3dreA7WMgYL4l?__cft__[0]=AZXJ7JQn-V_-kUuTNBuZQcHUketLH_jJ8VF2flGKGUgGnVap0MiqEjgGak47SZeZXGAn0OasoIwEOf9x8CmHF74yPejfLdD0_SPJ1RhlH7ckU9SmQL9CTkWCRAt7DEpK4U0&__tn__=%2CO%2CP-R 。

⑫マスクは有効? WHOは「どんな状況でも勧めない」・・朝日2020年4月3日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid02fgrHDT3Dt6x8HT9C7mn55AojBrCeVGqd4ak3X6XdhvTfPukWzCT22DqMjEaH4J27l?__cft__[0]=AZXYo89hRYvxy1SVFdK8938F7tU3ZNkDNYhKkuKnelb-YPwKpATADRAuUcbP-uuiOfHxIZJ8adwvnjZhPvgQDb-MtqC2_wXGTG_UkDYR8lxoJFVs_MLKAbjQ9cxl9r90TuA&__tn__=%2CO%2CP-R 。
 マスク習慣のなかった米国や欧州はマスク効用を否定していた時期の最後の頃だった。まもなくパニックになった米国ではバンダナでも良いから巻けと180度方針転換することになった。同じようなことは日本が発出した3密や8割おじさんと揶揄された政策もまもなく世界に受け入れられたと記憶している。

⑬The BBC website・・2020年4月5日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid02MkqpmShT2A8PXmo9vXDhD77pM1wsEojoJ8oTdn859TRsEaN73uBYeRD6hJHAovCql?__cft__[0]=AZX8DBUoDDi09mK6_Yzqt4WpKd4idyXp26iBrLvw8xCqiA4pL4Jsm5Hua2UcLVW3kmwKSg4D-fx3hEhq3F8GEK2piShIaKWTBQ7TvMwDkEw-rH-lX7EWSnWoiBWMevLGt-U&__tn__=%2CO%2CP-R 。
 米国もマスクの効用を受け入れたニュース。

⑭どなたか教えて欲しい。8割制限とは・・2020年4月9日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid0fKt9kXPZE9nZyy7YJh4PMhVWujxfndDChgjtmp7aqQ73jor54HAUdVCc8zb2AoJWl?__cft__[0]=AZVR-oVQ9gkgvVbgFNqB3dkNKM0EIjourPoYPeV2LYM3GNy5iAa0lBwnJc7wbrPg78uNocEmzlYe02He8GknjyKMydh1EYFDLZ747KgOg7rc-I7rhYFtGLnCAVTifTtZX_s&__tn__=%2CO%2CP-R 。
身の回りでも、8割接触回避の捉え方に個々人で違いがあることを学んだ時期だった。

⑮手作りマスクとサージカルマスクの防御効果の違い・・2020年4月13日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid056zKH35i7TfCtE6mYwMXnRGc3uveXdS7TNCNyzpoLSPpBARXC3eimqsjxvWgVJwVl?__cft__[0]=AZVErYn0Xyyy8nn_JR_JVW26FL5EtnRBtFgi41NWIFKlD2JSX9jCQMUHYhM1SpFKeutyM3DLqccM65yG2EDQoq68e94A5KggmjAFpAC2JPv70DStqUrGj5jMotLzTU8fE34&__tn__=%2CO%2CP-R 。
 手作りマスク・サージカルマスク・N95マスク等の違いのデータが出てくるようになったが初期の頃と大同小異であった。要はその環境によって使い分ければよいことでそうすることで品不足は防げると思っていた。だからテレビレポーターが戸外でN95マスクを着けてレポートしている場違いのシーンをみて怒っていた。

⑯つい最近職員がマスクをネットで5000円で買った・・2020年4月22日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid03ea1ocK2KfVvy6UDv8vjnfruQmYaGqJFqpECnJ8f28jeCtC5brj7HWsBBQKkGaDPl?__cft__[0]=AZVtuUGa6OWSVbGKHAiGE8H_U7WMp0Xb71S-9E5y1PQK8D4fQhuzs0yj96ffxVYdbvuAajkWR34E80S81v7xgH-OnO0LhGZqzlPAxsuTx5kOwMM6elEvr0uA9nSXcIvZnCk&__tn__=%2CO%2CP-R 。
 嘘のような本当の身近の出来事だった。

⑰今朝のテレビでレポーターが屋外で3Mマスク・・2020年4月23日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid0Y4SYwfWNVKM37Jv3A38tejuEBdDvx7r1NM7TLHpum8TfwgDYJ94XvhwkHMbiMYtCl?__cft__[0]=AZXndQ4SANCLTlfOuW_3kRFsXtiipE_zOj-_UQDbEMwHQk3d7pNAXrZ70KlC5HFL-2ur8-N7PErFktHbxMDkfBGAVdcWqykD88mJmhxrmiuWShN9zeoye4NCMtuXfUOYTOY&__tn__=%2CO%2CP-R 。
 偶々とは思うけれども、このような情報発信してから、テレビレポーターが戸外でN95マスクを着けている映像を見なくなった。

⑱今朝のNHKテレビのお知らせで・・2020年4月26日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid02sdgLHwSMcpy5mZM6iePcFhqS3jdw3GQqaU2SiGp2ox33CL1CbGh9UMGQd9dKy2enl?__cft__[0]=AZXNwEFMllY73nwAUqjgsdGbm7o4LSEy3q70sj0CFlqYo8G1EJ9tYCYXUFbHOgfHy3WaRTForRTzfajdbwCbLiMKyKUmMa5swBopdfhKnPIMCRb1xbuYWvCN-VQqvA11wZQ&__tn__=%2CO%2CP-R 。
 NHKもこの頃は混乱していた。こんなことだから世間でマスク警察が出てくるのも仕方ないことなのかもしれない。

⑲決してかき回すつもりはないのですが・・2020年5月13日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid0u15M4W2fyWxmDUcwbnCTckbxSeCvKU1GGuXgB7RBz7VaKCuMgr7rG7xFUBjNFg9al?__cft__[0]=AZWGAqjqqVtEXCO0DHIoNoXFgc_sXR951_byv9xUg4S0ICcIu0C5JD_ltKTfmc1pm2i5VO07KFNoGnC7RFtZ63Wv1QcY8-7GDug8SR4VeKniT--Gut2raUjgfpu66JJBlZw&__tn__=%2CO%2CP-R 。
 N95マスクも扱い方によっては布マスクと同じということになる。しかし病院でのマスク不足の絶頂期にはアルコール噴霧して再利用等の映像が出たことがあるが、それでもスタッフが感染しなかったということは材質を問わずマスクの効用があるということを証明したものであるとも思っている。言い換えれば飛沫を抑えるだけでも感染リスクは大きく下がるともいえる。

⑳既にニュースになっていたのに、確認に1か月・・2020年5月20日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid02Zkcvce7bfQ49qtwusi4HmRcDK7L8vLGMbX9hRsSaveNMUsVM1yCJFdnp7eQfnZuvl?__cft__[0]=AZXVXg6TySHDfAimpGz_OVhp9ezToPomhVHdHKmxsKb_7pg11Moje-QRALEpMFUhdGLgQV6fXVr3AnKi3PAlc-4iMcwv2pYPTw2vS2KQPG587EG7UCG4lpx-TSdgjUcjFQs&__tn__=%2CO%2CP-R 。
 虚偽製品が出回ったことへの不信は勿論あったが、その後アルコール濃度自体を表示しない製品が多く出回るようになったのには困った。

㉑新型コロナウイルスを用いた代替消毒候補物資の有効性評価・・2020年5月31日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid02QiX96oW4aXq4afz6QGzMHcvX4bQH5PuRzmF7u7it5RcBWTnXFuiPfokSqDcZ3xyyl?__cft__[0]=AZUAcWQdzmpM_rX77UyZcEubQ-El9lUa6Smb-lpkMaecNniyLXk5yVQr4kA-SR84-3MIkFzWnEGLgP7A1eg1Z0DaAZ-gn-MUrIFpbRlPOUQh44jEXlhffgFrZCmwyVYbLWI&__tn__=%2CO%2CP-R 。
 不幸中の幸いと言えるが、エタノール有効であったのは勿論、せっけんでもウイルス不活化されることには感謝した。これがノロウイルスのように次亜塩素酸Naのみ有効でアルコール無効となっていたらと想像するだけでも恐ろしい。

㉒実際に手作りガウンを造ってみて初めて気が付いたこと。2020年6月3日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid09wSS1nKeeKqhKBBZ5QG1oBVAFYUbd7MDxv1TcsWjqTKBwsSdaeRkWWk8CvYB9NzKl?__cft__[0]=AZXBYT5SO7waaxskdz2y1rnUTB_aBPUif662W_LRdQxuv7u-m2e4fu3xue5kY-hRI6idjT_iTECkVwqo_86C8_hdK8CoeLfPk714aL6UC9lVY9ewnNtMVKOn6cikDVxZSCHAWmGwch83CEXLqw7wUNa_&__tn__=%2CO%2CP-R 。
 どうすれば凌げるかと当時は必死だった。酷いときはPPEの代わりの雨合羽さえも市場からなくなりネットで手に入れようとして間違って失敗したりもした。それ以来Amazonは使わないことにした。

㉓皮下注か筋注かで気になったのでちょっと一言。2020年9月19日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid0uDrUHSyQSD6taTQ32pomA3JXo6BoMsgkRx7sHQA545BE1AvCzMAJLEe7BNQksB3El 。
 ずいぶん控えめな言い方だったと今振り返って思う。

㉔新型コロナワクチンは筋注のみに?2021年1月23日 https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid02UR7qkHCJfLZWmkK2Y7mEmdmDapVWhPUy84WuFNp5mHru89r6jH7D8KLz1tDR91gQl?__cft__[0]=AZW-Cy5af7L0p7C-bdWMW23IXD_97Oq9iGX1PMWXIBmyztAboV1VIThay-MJNHgibf8_LDGDnMOwiWdqMP8j3yTdvB2SKlT9H1KZVsCtdZ-mR3cS-YmFkhjxJM-ZcHfFPeA&__tn__=%2CO%2CP-R 。
 ワクチン注射を全員にするという大きな目的のためには些末なことを脇に置いて進むという政策は理解しているつもりだが、それとは別に必要な現場感覚があるという意味で、このような情報を大事にする。

㉕免疫効果は皮下注・筋注で変わらない、エビデンスがないだけである。2022年07月02日 https://ku-wab.asablo.jp/blog/2022/07/02/9505278 。
 探し回って得た貴重なご意見である。一般論だが免疫効果はどのルートが最善かの議論はすでに50年前にもあった。筋注こそが免疫効果が高く副作用も少ないと一様にCDC輸入の考えに違和感を持った者には有難かった。
ワクチン投与ルートではかつては鼻内局所投与や吸入も試みられたことがあったが失敗に終わっている。皮内注・皮下注・筋注のルートについての免疫効果は皮内投与が最も免疫効果が高いというのは50年前から今に至るまでその優位性は変わっていないと思う。しかし手技に難点があり実用段階には応用できなかった。皮下注・筋注についてはデータにばらつきがあり免疫効果も団栗の背比べで皮下注≒筋注が中庸の判定だったと記憶していたので今回のコロナワクチンもそう認識していたが世間はそうではなかった。
そもそも筋注という手技そのものが不正確又は不可であればその優位さ云々は基から崩れるのである。
最近では https://doi.org/10.1111/j.1348-0421.2009.00191.x 新型トリインフルエンザワクチンの第一相試験(日本人健康成人120人、Alumアジュバント含有)のデータがあるが、日本人の若い健常者の局所疼痛頻度は(筋注35%、皮下注37%)、局所発赤(筋注25%、皮下注67%)、局所腫脹(筋注7%、皮下注23%)、局所硬結(筋注2%、皮下注3%)、全身症状発熱(筋注8%、皮下注8%)、全身倦怠(筋注20%、皮下注30%)、頭痛(筋注18%、皮下注17%)であった。一般的には大きな差はないといった方がよい。Adjuvantの有無・成分の違い・pH・体質・注射部位の浅深の違いなど別の要因の方を無視できないのである。要するに団栗の背比べで、免疫効果の差を示す決定的なEvidenceはないのである。米国CDCにはそんなEvidenceをわざわざ造る価値をこれまでの所認めないのであろう。今回もワクチン効果についての世間の認識を追認するような日本の後追いデータは出てきているが十分ではないと思っている。有意差云々の前提以前に問題があるのである。


----------------------------------------------
A:〈原 著〉インフルエンザワクチンにおける皮下注射・筋肉注射の差異 環境感染誌 Vol. 36 no. 1, 2021 http://www.kankyokansen.org/journal/full/03601/036010044.pdf 。
B:インフルエンザワクチンは筋注で問題なし2020/01/13 https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/kurahara/202001/563456.html 。
C:インフルエンザワクチンは筋肉注射にするべきだ 日本だけが皮下注射の弊害 上昌広2022/11/22 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/314764 。
D:【識者の眼】「インフル・ワクチンの正しい運用を」岩田健太郎日本医事新報No.5142 (2022年11月12日発行) P.57 https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=20680 。
E:不活化ワクチンの皮下注射を再考する(矢野晴美)医学界新聞2016.02.15 https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2016/PA03162_02 。
――――――――――――――――――――――――――――

棺の中に顔を入れてCO2中毒死2023年09月28日

H25年の退官講演で使った写真
2023/9/27 アサブロ

CO2中毒・災害が相変わらず出没しているので、纏めるつもりで調べてみた。

死亡事故も ひつぎの中に顔を入れる→即時に意識消失 “二酸化炭素中毒”のリスクYAHOO!news 2023.9.24. https://news.yahoo.co.jp/articles/dbf152b6c5c4f70b936ae3c7de682f5ee24e6068 。

国民生活センターの発表①では3例の死亡者がいたとして令和5年9月21日付けで急性炭酸ガス(CO2)中毒の危険性について注意喚起している。調べていく中でCO2中毒は酸欠と世間や行政は混同誤解しているのではないかとの苦言ともいえる意見の資料も目に入った⑤⑫。
高濃度のCO2の場合は、1回でも深呼吸した場合は、あれっ?と思った途端一瞬で体が動かなくなり数秒で意識もなくなり、そのままでいれば酸欠で死亡するといわれている。その基準は濃度30%以上であるという①(②では25%以上を数回呼吸した場合となっている)。この一瞬の変化は単なる酸欠では説明できないのは明らかである⑤。Hypoxic Pulmonary Vasoconstrictionは昔から言われている事実であるがこれも何らかの関係があるものと思われる③。
自覚症状に異変を感じて30分以内に自力で脱出できるCO2限界濃度は4%だという①。
また労働作業場の労働短期暴露限界値は1.5%(即ち15000ppm、大気の正常値は0.04%=400ppm)だという②。
犬の実験では80%CO2/20%O2吸入で1分で呼吸停止・10分で心停止し、死因は酸欠ではないとしている(④の考察)。Mechanismは尚不詳の点があるようだ⑤。
 CO2中毒・災害にまつわる事例は相変わらず無くならず国の対策に不満を表明している文献もあり、単なる酸欠とは次元が違うということは各種の動物の安楽死にも使われている状況を見ればわかるはず(例えば鳥インフルエンザ防疫対策での家禽大量処分・豚の屠殺前の意識消失)と言っている⑤。
CO2ガスは大気と比べて重い。平均29に対してCO2≒44なので約1.5倍重いので空気が澱んで無風であれば下方に溜まる。従って立っている人間が大丈夫で犬が死んだ例があると聞いたこともある。マンホールや古井戸の中は空気がよどんでいる場合は要注意である。空気の澱んだ古井戸は要注意と10年前の退官講演で使った拙い絵を思い出した(図A)。かつてアフリカではある住民約1800人がほぼ全滅したという例もあった⑦。CO2は過換気症候群のように足りなくてもダメ、過剰でもダメで、適度なCO2こそが人だけでなく大部分の生命にとって不可欠なのである。

動脈血ガス分析ではPaCO2≒40Torr(mmHg)が正常値だが、正常からの急性上昇悪化と慢性からの急性上昇悪化では病状は全く異なる。CO2中毒でも急性ではPaCO2≒70-80Torrで意識消失するが、慢性の場合は馴化してPaCO2≒150-200Torrになっても傾民状態ではあるが呼びかければ返事をすることもある。もちろん回復してから尋ねると本人は全く覚えていない。放置すれば呼吸中枢は高CO2によって麻痺し徐々にではあるがやがて呼吸停止する。過換気症候群などでPaCO2が低下し過ぎて酷い場合は意識障害やけいれんも出ることがある。ゆっくり浅く呼吸するようにと説得してもできないからこその病気なのである。私は5%CO2ボンベを急患室に置いておき使っていた(大気中CO2濃度は0.04%、呼気中3%、細胞培養では5%CO2ボンベが使われていた=37℃湿度飽和状態ではCO2分圧36Torr)。深く速く呼吸してもかえって病状は早く回復するから便利であった。
酸素(O2)の場合は主な問題は酸欠即ち低PaO2であるが高すぎて酸素中毒というものもある。高圧酸素療法だけでなく平圧でも人工呼吸器を装着している場合は勿論配慮する。目安は、100%O2設定では24hrs以上は続けない・濃度は50%以下にするように努力する等である。しかしPaO2≧40を保てなければ組織障害が出るのでやむを得ず50%以上を続けざるを得ない場合も重症時には勿論ある。
酸素欠乏悪化即ち低PaO2による臓器障害は秒分単位で危機進行する一方、慢性高CO2血症の急性増悪の場合は数日単位での進行が普通であるのでその緊急度も違ってくる。従って救急車の場合はCO2ナルコーシスを避けるべくO2流量調節を気にし過ぎるとより危険な低酸素を招きかねないので要注意である。即ち取り敢えずはO2高流量でも差しつかえないのである。
病態の低O2、高CO2が慢性化すれば馴化して酸欠には強くなり、急性CO2中毒とはその病態も違ってくる。
慢性高CO2血症の急性増悪時には呼吸中枢は抑制されるので慢性低O2血症増悪を伴うのが普通である。この場合はPaO2≦40Torrでもすぐには死なないがいずれ必ず酸欠による臓器障害が出てくる。慢性呼吸不全の定義の一つはPaO2≦60Torrである。慢性馴化して酸欠に強くなったとはいえ、さらに悪化すれば酸欠下で細胞が生き機能する限界値がありそれがPaO2=40Torr(目安)であり、長引けば多臓器不全に必ず陥る。
かつて延命治療を拒否して慢性呼吸不全の病状悪化でいよいよ多臓器不全となり今夜が山という段になってどうにかしてくれと妻にすがられて今更遅いとはなったが同僚とも相談して処置中の死亡も覚悟で人工透析・人工呼吸器等処置を行ったことがある。幸い回復したが次はもういいと本人が言って自宅で亡くなった方がいた。病院の往診制度はなかったが一部のスタッフに文句を言われながらも往診で看取った。GOT/GPTは数千、血中Crは10以上、BUN100以上の多臓器不全であり処置中に呼吸も止まったが呼吸管理して処置後は正常化してそののち数年生きた。もちろん在宅酸素療法は続けた。

 エベレスト山頂の気圧は228Torr(mmHg)である(1気圧=760Torr)。(2009年に山頂付近で実測した報告がNEJMになされた。8400m地点、気圧272Torr、酸素分圧56.8Torrで10人の登山家22~28才の平均値は動脈血ガス分析PaO2=24.6Torrだったという。計算上はゼロ?)エべレスト山頂の酸素分圧は228x0.209=47.7Torrである。37℃飽和蒸気圧47Torrなので上気道内酸素分圧は37.8Torrである。肺胞に至るまでは混合気で希釈されるので計算上は肺胞内推定不可ゼロである。高地順応したとしても朦朧状態のまま一定の時間内に戻らなければ死が待っている状況なので、無酸素登頂など狂気の沙汰であるが実現する人がいるので絶句するしかない。臨床でも低酸素に強い場合は一時的にチアノーゼ・心停止しても目の前で直ちに処置できれば後遺症なく回復する慢性重症喘息を経験して人間の生命力には想像を絶するものが有り得ることを否定せず受け止めるしかないと思っている。今回の新型コロナ感染症でもhappy hypoxiaで知られるごとく自分で気が付いたときは既に遅く死の淵に立っていたという病状もあるのである。かつて粟粒結核でhypoxiaが有るにも関わらず自覚症状を欠いた例を経験したことがあるが呼吸困難という自覚症状とPaO2は必ずしも並行せずその関係は不明な点が今なお残っている。同じことは心機能と息切れとの関係でもある。TMETを行っていて本人は大丈夫と言っているにもかかわらず顔面は蒼白で脈泊数上昇が止まってしまっているため直ぐ中止してバイパス術で事なきを得た例もあった。偏狭な医学理論では説明できないことが臨床現場ではよくある。
 だから高濃度CO2を吸入して、あっ!と気付いた時には既に遅く自力脱出不能に陥っていることも、何となく理解し得るのである。


これまでの主なCO2ガス中毒による死亡例を挙げてみる:
・1984年アフリカのマヌーン湖で住民37人が死亡⑦。
・1986年アフリカの二オス湖の村で約1800人の住民や家畜・昆虫等ほぼ全滅し、死体に蠅も止まらなかったという⑦。
・1997年八甲田山の田代平で訓練中の自衛隊員12人のうち3人が死亡、火山性CO2ガス濃度15-20%だった。火山性ガスによる死亡例はSO2やH2Sが多いがCO2ガスでも起きうる⑧。
・1999年10月兵庫医大病院でCO2ボンベ誤用事故で患者死亡⑫。
・2019年天然炭酸水の井戸に転落して2人死亡、原因は不詳のようだがCO2中毒が係わっているのは否定できない⑩。この点は⑤⑫等の行政への苦言ともいえる提言を大いに参考にすべきと思う。
・2002年ドライアイス貯蔵庫内で作業中に1名死亡④。
・2008年8月公立八女総合病院でCO2ボンベ誤用事故で2名死亡⑫。
・2011年7月神戸市の医療センターでCO2ボンベ誤用事故で患者死亡⑫。
・2020年2月沖縄県の自宅で棺桶内に顔を入れた状態で発見されて死亡①。
・2020年12月名古屋市の立体駐車場内でCO2消火設備の誤操作でCO2中毒で1名死亡⑥。

・2021年1月東京都港区の地下1階駐車場内でCO2消火設備の誤操作でCO2中毒で2名死亡⑥。
・2021年3月宮城県の葬儀場で棺桶内に顔を入れた状態で発見されて死亡①。
・2021年4月東京都新宿区の地下1階駐車場内でCO2消火設備が作動して作業員4名死亡⑥。
・2021年5月宮城県の葬儀場で棺桶の小窓のそばで倒れていたのを発見1名死亡①。
・ビール工場内でビール貯蔵庫からビールが大量に流出し、その処理中に1名死亡、CO2中毒+酸欠+溺死の判定。


以下参考資料:
①棺内のドライアイスによる二酸化炭素中毒に注意2023年9月21日独立行政法人国民生活センター https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230921_1.html 。 https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20230921_1.pdf 。
②二酸化炭素(CO2)国際火山災害健康リスク評価ネットワーク(International Volcanic Health Hazard Network; IVHHN) http://www.ivhhn.jp/2018/information/information-different-volcanic-gases/carbon-dioxide.html 。
③Hypoxic Pulmonary Vasoconstriction Chest. 2017 Jan; 151(1): 181–192. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5310129/
④症例 ドライアイスによる急性二酸化炭素中毒の1例 関西医科大学滝井病院高度救命救急センター平成19年6月11日 日職災医誌,55:229─231,2007 http://www.jsomt.jp/journal/pdf/055050229.pdf
⑤特別寄稿: 厚労省も陥ったか,ヒューマンエラーと二酸化炭素中毒にまつわる謎 (続) 二酸化炭素 (炭酸ガス) を不活性気体と見るのは危険ではないか 佐藤 暢,飯野守男「麻酔・集中治療とテクノロジー 2017」鳥取大学医学部社会医学講座法医学分野 2018年2 月10日 https://jsta.net/pic/magic-2.pdf 。
⑥【災害事例】二酸化炭素(炭酸ガス)*放出事故が頻発!一般社団法人東京技能者協会 https://www.tokyotsa.com/file/65_saigai.pdf 。
⑦ニオス湖 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%AA%E3%82%B9%E6%B9%96 。
⑧防災メモ 気象庁 https://www.data.jma.go.jp/vois/data/tokyo/STOCK/monthly_v-act_doc/sendai/02m06/200_02m06memo.pdf 。
⑨上水道配管工事における酸素欠乏症 職場の安全サイト厚生労働省 https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=001013 。
⑩天然炭酸水の井戸に2人転落、死亡 酸素薄く意識失う?2019年8月15日朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASM8H3HWCM8HUGTB002.html 。
⑪労働災害事例 職場の安全サイト 厚生労働省 https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=000841 。
⑫二酸化炭素ボンベ誤用事故 (6)―特に書き残しておきたいこと―鳥取大学 佐藤暢 麻酔・集中治療とテクノロジー 2018 https://jsta.net/pic/sato-6.pdf 。



――――――――――――――――――――――――――
2023/10/2追加
すみません、訂正と追加です。
【1】上記の訂正:エベレストでの血ガス測定データ(NEJM)の原文を読んだら、
・10人の内訳は28-48才となっていた。そして8400mでの平均はその内の4人の平均であった。
・この論文のエベレスト山頂8848mの気圧は253mmHgとなっていた。天候によって25-26mmHg変動するとのことなので228mmHgは変動範囲内ではある。
・A-aDO2の平均5.3mmHgでこの論文では高いとなっていたがこれは正常値ではないのか?定評ある医学雑誌なので何か理由があるのか自分の判断は保留。
・最近は専門家でも慣習的にPIO2をPiO2と書いているがこの論文はPIO2と正確に記載していた。IやAは体外・iやaは体内、と定義されていたはずだが今は曖昧になっている。
( Arterial Blood Gases and Oxygen Content in Climbers on Mount Everest N Engl J Med 2009; 360:140-149 DOI: 10.1056/NEJMoa0801581 https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa0801581 。)
【2】急性CO2中毒死で気になることは、
・心停止していないのになぜ同じような意識消失になるのか?
・VT等の心停止の時は屡々けいれん(硬直性けいれん)を伴うのにCO2中毒死事例集でけいれんの記載がないのは何故なのか(救急の現場では初めてのけいれんを見たらまず脳性てんかんよりもまず心拍確認が常識のはず)。
―――――――――――――――――――――――――――――

(アサブロのみに、さらに追加)
S氏:
確かに棺の中はドライアイスでCO2濃度が上がっているけれど、CO2濃度が即失神するほど高いわけはないと思う。これは低酸素で失神するので、酸欠でしょう。

私:
それが大部分の世間の教科書的な観念(医師や医療行政官も含む)だと思いますので、従って一部専門家の苦言も出てくるのだと思います。失神という表現は不適切と自分では思っています。一瞬で体が動かなくなり、数秒で意識消失も起こるようです(これは脳の酸欠??)。意識のあるその数秒は本人は何が起こったかわからない。動物実験では1分で意識消失とも言っていますが経験してみなければわかりません。臨床現場では、心臓のVTでけいれんと共に意識消失し(数秒内)Cardioversionで回復した高齢者は何回か経験していますが、意識回復した時に本人に聞いてもキョトンとして全く覚えていません、記憶が飛んでいるのです。それもペースメーカー入れて後遺症なしで回復しています。慢性型重症気管支喘息で急激な発作でCyanosis+++で心停止?した患者も経験したことがありましたが(バイト先での外来中ナースの叫び声で数メートル先の病室へ跳んで行った)回復後本人に聞いたら”急に苦しくなったのでハンドネブライザーを口にしたまでは覚えているがその先はわからない”と言っていました。生きるか死ぬかはその時々のTPOで運と言うしかないと感じることが医療現場では日常的にありました。 

私:
例えば100%N2ガスを数回吸っても意識消失まではいかないと思いますが、CO2ガスは1回の深呼吸(あるいは数回の普通呼吸?)で体が動かなくなり数秒で意識消失ですよ。単なる酸欠でかたずけるわけにはいかないと思いませんか?

W氏:
身につまされる経験談ですねー
息子を亡くした時、介護士さんには感謝感謝でしたよ

―――――――――――――――――――
その後追加 私:
急性CO2中毒が単なる酸欠では説明できないと思われる点は、
・急激な心停止が先行しないにも関わらず心停止による脳の酸欠と似たような意識消失が数秒で発生する点がひとつ目。
・VT等による脳の酸欠による急激な意識消失はしばしばけいれん(硬直性けいれん)を伴いCardioversionで心拍再開して後遺症なく回復するが、急激なCO2中毒で死亡した事例集を見てもけいれんを伴っていたという記録が見られない。これも単なる循環障害による意識消失とは異なるという点が二つ目。
・救急の現場では初診でけいれん(硬直性けいれん)をみたらまず最初に鑑別しなければならないことは脳性の「てんかん」ではなく心性の「心拍停止の有無」チェックである、ということは常識のはず。そのけいれんがないのが3つ目。


------------------------
2023/10/6 追加

富士山より1000m以上高い山で生活している人たちが現にいる。人の低酸素への馴化能力には計り知れないものが今尚ある。
( 体感!グレートネイチャー 大遡行!ヤルツァンポ川〜聖地を生んだ大陸衝突〜 初回放送日: 2023年9月25日 https://www.nhk.jp/p/greatnature/ts/J8QQ63X7V1/episode/te/6QRJP2XMZK/ 。)

「予期」と「予見」は法的に違う、など。2023年08月05日

2023.8.5. アサブロ(facebookメモ2つ)

①(2023.8.4.facebookのメモ)
https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid0JuTXTh2JG6Yj3AbwKxPY7jeg4FLayu3C2NsxZeyvxNpGmGFYiqDtnerML7NroQTel?__cft__[0]=AZUh99UPc2wxilVUx9GjXUQgh1zhQw0HOs7dK5Us2-MDdEuDhGxhd7faUxAF7Ajc6JJCimVp7AqPZyIRNgSms_wnb5Ec7dM5To45XVR1UP38Pkz-ahjLxbohnnZUfgAQ1V-7QIjzyBwU38aUpp8JeOuO&__cft__[1]=AZUh99UPc2wxilVUx9GjXUQgh1zhQw0HOs7dK5Us2-MDdEuDhGxhd7faUxAF7Ajc6JJCimVp7AqPZyIRNgSms_wnb5Ec7dM5To45XVR1UP38Pkz-ahjLxbohnnZUfgAQ1V-7QIjzyBwU38aUpp8JeOuO&__tn__=%2CO%2CP-R]-R 
医療の場では、「予期」と「予見」は法的に違うと、医師は現場の基本認識として捉えておいた方が良いと思う。

かつて医療においては、予期或いは予想できたのならばなぜおこなった、と責められた事例を見聞きして、それをまともに捉えれば我々は今後医療そのものが出来なくなる、と恐怖を感じたことがあった。かといって目の前には医療を必要としている人々が現に沢山いる。医療そのものには不確定要素が大小さまざまであろうが内在している。でもまさか本当に死ぬかもしれないと思って施療することなどは断じてない。万万が一でも予期して置いてそれを避けるための心構えで細心の心を砕きながら施療するのが当たり前であるからである。
 でも法的に、予期で来ていたならば有罪、予期出来ていなかったならば無罪、との単純な捉え方はいかにも酷い、と思って現役時代は、紛争になった場合は予期出来ていたとは決して言ってはならない、と思っていた。純粋な医学的医療と社会学的医療は混同してはならない、自分はそう思ってこれまで区別してやってきた。
 この、「予期」と「予見」を混同している人たちはいわゆる専門家の方々のなかにも少なからずいると思う。
 下記の報告は、それを私達に知らしめてくれている、そう思う。
【識者の眼】「医療事故調査制度の『予期しなかった死亡』要件の『予期』を『予見』と混同してはならない」日本医事新報, No.5166 (2023年04月29日発行) P.60,小田原良治 (日本医療法人協会常務理事・医療安全部会長、医療法人尚愛会理事長) https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=21815 。


――――――――――――――――――――――――――――――――
② (2023.8.3.facebookのメモ)
https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid06NfVThd47ydaRzWdYQygU4Lbd1uwzd13qYDXn3c8e5B8bXPD3pSrb3xMrv3cqcRyl?__cft__[0]=AZWl1S4Wd1SKgNia8JYdEZD2hdOnBvz_QHlr7-H1ewJGFMMDLHhSIA_OJtDhJuXk3om5yka_srFOTnx9aQ9S9CHunmoSU_MjGx4h6xIgEzv9Jb35dE9FDngzEQhZTH2GheH62htUTp2zw5URjIPKExOPx3yg2HP8P3JMMVHRm1bTKBWUALpwUYx6ABb8glX2fFE&__tn__=%2CO%2CP-R 
「高本眞一×佐藤一樹」対談◆Vol.4&Vol.6 M3.com医療維新2023年5月5/19日 ( https://www.m3.com/news/iryoishin/1132425 。)について、

特に、このVol4&6の対談後の補足のコメントの「佐藤一樹先生コメント」は現代医療の深奥の悩ましい点について現場感覚満載に記述されていて、是非一読をお勧めしたい。「患者中心の医療」なんて当たり前のことです。でもその当たり前が一人ひとりの頭に描くものが違い、運用の段階になると相反するものにさえなってしまう。これこそが問題で現場感覚が必要な所でもあると感じている。
(以下は蛇足です。かつて、不審死はなんでも警察に報告するようにとのことで当時の多くの医療系の全国学会が積極的届出の異状死ガイドラインを作成した時期がありましたが、問題が多すぎるとのことで殆どの学会がまもなく取り消したことがあった。唯一日本法医学会だけがその異状死ガイドラインを取り消さずしかも厚労省はその法医学会異状死ガイドラインを参考にするように指示していた。そして当然のことながら法医解剖が多くなり、ある朝のNHKテレビのインタビューでその法医学会理事長が法医解剖医が足りなくて困っていると嘆いているシーンが放映されていた。その時は、自らその状況を作り出しておきながら何を言うか、と腹立たしく聞いていたことがあった。そして、問題が大きくなり日本医師会はじめ様々な方面から追及された厚労省は追い詰められて?一部の病院を除いて法医学会異状死ガイドラインに従えと指示したことはないと居直った。そのために日本医師会等は矛を収め納得して問題は鎮静化したように見えた。しかしその後も毎年作成される厚労省の死亡診断書記入マニュアルには法医学会異状死ガイドラインを参考にするようにとの行がまだ残っていた。その後も私共はルールだからと遺族を説得してまで警察に届け出ていたが警察の性分で犯罪を前提において対応するために家族とのトラブルが却って多くなり、おそらく後日のための自己保身を考えてのことと思われるが、明らかに医療過誤や犯罪とは無関係でも強引に法医解剖に持っていくのが殆どであった。例えば現場では刑事も病院側も外因死でもなく医療過誤でもなく家族が強く解剖を拒否しているので強要しなくて良いでしょうと合意しても念のために警察の上司に許可を得たいと連絡すると裁判所の令状をとってでも法医解剖をやれとなり180℃態度が変わってしまう。ある裁判官に法医学会異状死ガイドラインは問題があるのではないかと聞いたこともあったが、その方は“僕は間違ってはいないと思う”と言っていた。法曹界はそう考えるのかと諦めて、困ったもんだと思っている中でのある年(2015年)に密かに?死亡診断書記入マニュアルから法医学会ガイドライン云々の行が突然消えていた(⑥)。あんなにそれまで頑固に変えなかった厚労省が何故に消せたのか、調べているうちに佐藤一樹先生に突き当たった。聞いてみるとそれまでやはり暖簾に腕押し状態が続いていた厚労省だったが偶々橋本岳議員政務官が知ることとなりその件を伝えた所すんなり消えたとのことであった。政治家の力の大きさに感嘆したことを覚えている。以来佐藤一樹先生と橋本岳議員の言動には心を傾けている。)

以下主な参考資料:
①医師法 21 条の問題点および判例動向について, 尾崎 孝良, 日医総研 Annual Report 2005 第1号 http://www.jmari.med.or.jp/download/9_ozaki.pdf 。
②医師法21条問題は新たなステージへ ~正確な解釈と適正な運用の周知をさらに広げる努力を~, 細田悟,東京保険医協会2013年01月25日 https://www.hokeni.org/docs/2016072400356/ 。
③田村厚労相らに医師法21条で公開質問状,M3.comレポート2013年1月25日 https://www.m3.com/news/open/iryoishin/165168 。
④死体外表に異状なければ警察届出義務ない――「医師法21条」解釈 厚労省が見解表明,東京保険医協会2013年01月25日 https://www.hokeni.org/docs/2016072400370/ 。
⑤死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル改訂の提言 ~その2~,佐藤一樹, 医療ガバナンス学会 (2014年9月6日 http://medg.jp/mt/?p=2637 。
⑥「死亡診断書記入マニュアル」がひっそり改訂
「医師法21条」の誤解、ようやく解消へ,日経メディカル,2015/06/30 https://medical.nikkeibp.co.jp/.../201506/542804_2.html 。
⑦「医師による異状死体の届出の徹底について」(平成 31 年2月8日付け医政医発 0208
第3号厚生労働省医政局医事課長通知)に関する質疑応答集(Q&A)について, 厚生労働省医政局医事課,平成31年4月2 4日 https://www.neurology-jp.org/.../pdf/news_20190513_02_01.pdf 。

(佐藤 一樹 5日 · シェア、拡散お願いします。著者フォローも。
東洋経済「診療に関連する死=医療事故」とはいえない理由 医師が解説「医療事故の仕組みと制度のこと」 東洋経済に不定期で投稿させていただくことになりました。一般人向けの記事です。 https://toyokeizai.net/articles/-/689775 医療事故調査制度をめぐり、不信な動きが出てきました。これに対しては、小田原良治先生が医事新報の「識者の眼」で投稿を継続されています。私のm3.comでの髙本眞一先生との対談もその流れの一つですので、以下もあわせてご高覧ください。「診療に関連する死=医療事故」とはいえない理由
TOYOKEIZAI.NET 「診療に関連する死=医療事故」とはいえない理由・・・)へのコメント。

「自助・共助・公助」か「自助・互助・共助・公助」か2023年07月08日

2023/7/7 アサブロ
「自助・共助・公助」か「自助・互助・共助・公助」かについて、

同じ言葉でもその受け取り方が各人で一致しないのは世の常だが、今朝、NHKで共助死が多いのが改めて問題になっているとのニュースがあった。 (NHKニュースおはよう日本2023/7/7 7:00am―特集共助死を防ぐには https://www.nhk.jp/p/ohayou/ts/QLP4RZ8ZY3/episode/te/L1VQ4J4QRM/ ) 
 互助で死亡に巻き込まれるものを共助死と表現していた。
以前、災害拠点病院の議論が始まった頃、互助・共助の概念が人によって違った受け取り方をしていると感じていた(「自助・共助・公助」か「自助・互助・共助・公助」か)が、互助は最近使わなくなったようだと気になっていた。そこに今朝のNHKの特集の「共助死」である。災害時には二次災害を防ぐことが大前提なので、自分の身が危なくなったら他を差し置いて逃げろ、は万人の認めることと思う。そんな中での議論であったと思う。
今朝、「共助死」と言う言葉を聞いて、もう概念は統一されたのかと思い調べてみたら、もともと決まっていたことに気が付いた。頓珍漢な議論をしていたことになる。

(裁判所法79条)では「裁判所が事件を処理する際に相互に与える法律上の援助」を司法共助と言うという。 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/hourei/data/CACT_2.pdf 。
 即ち共助は互助を含んでいることは既に決まっていたようだ。そして公的保険は共助ではなく公助に含まれるようだ。好むと好まざると法治国家では「官報」は無視できない。