4年前の心を打つ不思議な短文2025年02月11日

4年前の心を打つ不思議な短文

もう4年前になるけれど折に触れ思い出し、何故その奥様は小生にあの時あの短文を手紙に添付してきたのだろうかと、今でも少しいぶかしくも不安にもなる文章だった。それとも生前患者さんから頂いたものなのだろうか。亡くなったご主人の机の中にあったという。そのDrは小生より5年先輩だった。そして添え書きもなく唐突に送ってくれたその奥様もDrだった。以下に忘備録として載せておく。

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2021/3/11 facebook  ある介護老人の短文ー心の吐露
 長らく疎遠でありましたが最近足利でいとこが亡くなり、遺族からご報告のお手紙を頂き、下記の詠み人しらずの短文が同封されていましたが妙に胸に刺さりました。
 高齢者の医療介護業務に従事する者は、この様なお心を皆が奥に秘めているかもしれないことを忘れてはならないと訴えているような、自らを戒めてくれる言葉ではないかと思い紹介致します。以下がその短文
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君は老ひたる者の悲しみを知るまい。
歳老ひて生きつづけるとき
もはや 道化して過ごすしかないことを知るまい。
そして私も それを知らなかった。

思いもしないものによって
老人は 『老い』 という オリ につながれてゐる。
つなぐ側も つながれてゐる側も
つゆ それを知ることなく。
君は 老の悲しみを
知ってゐるか。
       72歳女性 老人ホーム入所中  S.60年
――――――――――――――――――
ーー以上です。

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