「敵対的メディア認知」について2026年06月03日

2026/6/3 アサブロ(facebookメモ)

「敵対的メディア認知」について

 前橋市敷島公園にあるバラ園には数えきれないほど豊富で様々に変わった種類の美しい花が今咲き誇っている。その周りには様々な樹木もあり梅の木も複数の種類がある。先日散歩に行ったときに丁度バラ園祭りをしていたが、その周りの梅の木から未熟な梅の実を管理人らしき方が獲っていたので、もう獲るのですかと聞いた所、わざわざ獲って捨てるのだという。‘何と勿体ないことを‘ が最初の自分の心の感想だった。そして、何と以前どなたかが無断で獲っていてしかもそれを告発した人がいて警察沙汰にまでなったことがあったためだという、不機嫌そうにそう教えてくれた。’何と無駄な努力を’ が次の心の中の感想で、その次は ‘なんと世知辛い世の中になってしまったことか、工夫の余地はないのか’ であった。思い返せば、同じような事例は身の回りにも最近あっちこっちにありそうだ。
 先日NHKテレビで、“中立のつもりでニュースを放送しているが同じニュースでも受け取り方が真逆である事が屡々あり苦情もあり、その状況を「敵対的メディア認知」と専門家を通して解説していた(下記①)。現在のように新しいメディアが発達するたびに一方でメディアへの不信も深まるのが常で、人々のその心理学的メカニズムを説明すると「敵対的メディア認知」という用語に政治学的・社会心理学的には説明されると解説していた。
 たかが梅の実の些細なことに結び付けて恐縮だけれど、「敵対的メディア認知」と言う言葉が浮かんだ。

科学的にはとても正しいとは思えないにも係らずその本がベストセラーになったり、黒を白と平然と言っても半数近くの人々に受け入れられてしまうという今の世の中、思い返せばそれは以前からあったと思う。かつては菊池寛賞までもらった医師がいたのにはその頃驚いたし最近でもイベルメクチンがコロナに効くとの本がまだ出て宣伝している。イベルメクチンは素晴らしい薬だし大村智氏はもう一度ノーベル賞をもらうのではないかと思うくらい立派な業績を残しているが万能薬ではないのでそれとこれは別である。最近では益々捉え方の分断が強まる対立の時代に突入して、不信の世相が堂々と跋扈する中で、此れから益々更に増長してくるであろうその世に生きていく大変さを思わずにはいられない。

「敵対的メディア認知」の用語はこの現象について議論・紹介する過程で日本語に訳されるようになったという。英語ではhostile media phenomenonやhostile media effectと言っているようだ(下記②③)。
資料:
① NHK国際報道2026 韓国 孤立する脱北者たち 初回放送日NHK BS5月29日(金)午後10:00 配信期限6月6日(土)午前4:59 https://www.web.nhk/tv/an/kokusaihoudou/pl/series-tep-8M689W8RVX/ep/BQQPLXMYPG 。
② The hostile media phenomenon: biased perception and perceptions of media bias in coverage of the Beirut massacre. R P Vallone, L Ross, M R Lepper, J Pers Soc Psychol 1985 Sep;49(3):577-85. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/4045697/ . 原著ではhostile media phenomenonとなっている。
③ (Mis)perception of bias in print media: How depth of content evaluation affects the perception of hostile bias in an objective news report. Yana Litovsky, PLoS One 2021 May 26;16(5):e0251355. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34038431/ . この論文ではhostile media effectと言っている。