覇権主義・権威主義そして泥棒政治、その違いとは ― 2025年05月26日
覇権主義・権威主義そして泥棒政治、その違いとは
クレプトクラシー(泥棒政治、kleptocracy)はネットの裏世界を見れば今尚生きているが少なくとも先進国の表の世界では死語になっていたと思われた。事実、アメリカは2006年にブッシュ・ジュニア大統領が世界に向けてその排除声明の宣言をしている。その「クレプトクラシー」が表の顔でも今現実になって戻って来ていた。
1、グリーンランドをよこせ、パナマ運河をよこせ、カナダをアメリカに併合する、等の悪い冗談としか思えないことが現職トランプ大統領から現実に発せられるという現実社会は誰も予想できなかったのではないだろうか。挙句の果ては公けの賄賂とでもいうべきジャンボジェット機をくれるというのだから有難く貰ってしまえというこれまでの常識では考えられないことが起きている。矮小なことで申し訳ないがかつて“儲けて何が悪い”と居直って顰蹙を買ったライブドアの元社長がいたがこれらと比べればちっぽけのものであったがそれでも当時は有罪になった。渋沢栄一が典型と思われるが儲けるにも道理があるというのが少なくとも日本の良識である。それが覆ってしまった。
2、ロシアのプーチンもクリミア半島を10年前に突然併合し更にはウクライナ自体が自分のものだと言って武力で取り戻そうと3年前より戦争を始めて今も継続中である。プーチンの豹変も誰も予想できなかったであろうし、特にドイツのあの真面目なメルケル首相は想像さえできなかったことが現実に起きてしまったと感じているのではないだろうか。
3、中国は鄧小平の改革開放政策により大きく成長し今や超大国の一つとしての地位を築いた。その鄧小平に精一杯、贖罪の気持ちも含めて日本も大いに協力してその成長に貢献してきたのは万人の認める所である。そして周恩来首相以来覇権主義には絶対陥らないと中華人民共和国の憲法にさえ記載してあるその中国が今やその覇権主義の先頭を走ってしまっている。
これらは、当たり前と思ってぬるま湯に漬かって油断してきた世の所謂有識者にとっては青天の霹靂であろうが厳然とした事実であり、世界中の国々が防衛力増強に政策変更していること自体も悪夢の現実である。武器商人国家はこれまで揶揄的な意味合いを含んでいたが今や立派な国家理念であると受け止めざるを得ない状況に陥ってしまった。
それらを表すのに、覇権主義・権威主義・全体主義・独裁国家・泥棒政治等の様々な表現の言葉が使われているが、どう違うのか改めて調べてみた。
A. 覇権主義(ヘゲモニー、Hegemonism)について:少なくとも米中共同声明(1972年)では覇権主義とヘゲモニーは同じ概念で使われ、中国は決して超大国にもならず覇権主義にもならないとその時に宣言している。
B. 権威主義について:権威主義は全体主義と違って反対勢力の存在を実質的に許容する場合である。但し権威者に同意しないことは大多数の人々から反逆とみなされるという点で被支配者の思考様式からみた言葉であるという。表面上の許容だけでは全体主義の範疇に入る。スウェーデンのV-DEM研究所の『デモクラシーレポート2022』では国家や地域を、選挙権威主義・選挙民主主義・独裁国家・自由民主主義に分けているという。中華人民共和国は独裁国家に入る。
C. 全体主義・独裁国家について:独裁国家には2種類あり全体主義(強制服従を伴う)と権威主義(自発的服従を伴う)という違いがあるという。
D. クレプトクラシー(泥棒政治)について:少なくともアメリカは第41代大統領のジョージ・ブッシュ・ジュニアの時には2006年に泥棒政治は排除すると世界に宣言している。
参考:
〇「覇権主義」 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%87%E6%A8%A9%E4%B8%BB%E7%BE%A9 。
〇「権威主義」 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%A9%E5%A8%81%E4%B8%BB%E7%BE%A9#:~:text=%E6%A8%A9%E5%A8%81%E4%B8%BB%E7%BE%A9%EF%BC%88%E3%81%91%E3%82%93%E3%81%84%E3%81%97%E3%82%85,%E4%BD%93%E5%88%B6%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82 。
〇「全体主義」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E4%BD%93%E4%B8%BB%E7%BE%A9 。
〇「ヘゲモニー政党制」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%82%B2%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E6%94%BF%E5%85%9A%E5%88%B6 。
〇「クレプトクラシー(泥棒政治)」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A5%E6%A3%92%E6%94%BF%E6%B2%BB 。
〇「覇権主義」 の定義 メモ―2024年01月19日 https://ku-wab.asablo.jp/blog/2024/01/19/9651960 。
〇中国はいったいどうなってしまったのか?―2023年09月02日 https://ku-wab.asablo.jp/blog/2023/09/02/9614626 。
クレプトクラシー(泥棒政治、kleptocracy)はネットの裏世界を見れば今尚生きているが少なくとも先進国の表の世界では死語になっていたと思われた。事実、アメリカは2006年にブッシュ・ジュニア大統領が世界に向けてその排除声明の宣言をしている。その「クレプトクラシー」が表の顔でも今現実になって戻って来ていた。
1、グリーンランドをよこせ、パナマ運河をよこせ、カナダをアメリカに併合する、等の悪い冗談としか思えないことが現職トランプ大統領から現実に発せられるという現実社会は誰も予想できなかったのではないだろうか。挙句の果ては公けの賄賂とでもいうべきジャンボジェット機をくれるというのだから有難く貰ってしまえというこれまでの常識では考えられないことが起きている。矮小なことで申し訳ないがかつて“儲けて何が悪い”と居直って顰蹙を買ったライブドアの元社長がいたがこれらと比べればちっぽけのものであったがそれでも当時は有罪になった。渋沢栄一が典型と思われるが儲けるにも道理があるというのが少なくとも日本の良識である。それが覆ってしまった。
2、ロシアのプーチンもクリミア半島を10年前に突然併合し更にはウクライナ自体が自分のものだと言って武力で取り戻そうと3年前より戦争を始めて今も継続中である。プーチンの豹変も誰も予想できなかったであろうし、特にドイツのあの真面目なメルケル首相は想像さえできなかったことが現実に起きてしまったと感じているのではないだろうか。
3、中国は鄧小平の改革開放政策により大きく成長し今や超大国の一つとしての地位を築いた。その鄧小平に精一杯、贖罪の気持ちも含めて日本も大いに協力してその成長に貢献してきたのは万人の認める所である。そして周恩来首相以来覇権主義には絶対陥らないと中華人民共和国の憲法にさえ記載してあるその中国が今やその覇権主義の先頭を走ってしまっている。
これらは、当たり前と思ってぬるま湯に漬かって油断してきた世の所謂有識者にとっては青天の霹靂であろうが厳然とした事実であり、世界中の国々が防衛力増強に政策変更していること自体も悪夢の現実である。武器商人国家はこれまで揶揄的な意味合いを含んでいたが今や立派な国家理念であると受け止めざるを得ない状況に陥ってしまった。
それらを表すのに、覇権主義・権威主義・全体主義・独裁国家・泥棒政治等の様々な表現の言葉が使われているが、どう違うのか改めて調べてみた。
A. 覇権主義(ヘゲモニー、Hegemonism)について:少なくとも米中共同声明(1972年)では覇権主義とヘゲモニーは同じ概念で使われ、中国は決して超大国にもならず覇権主義にもならないとその時に宣言している。
B. 権威主義について:権威主義は全体主義と違って反対勢力の存在を実質的に許容する場合である。但し権威者に同意しないことは大多数の人々から反逆とみなされるという点で被支配者の思考様式からみた言葉であるという。表面上の許容だけでは全体主義の範疇に入る。スウェーデンのV-DEM研究所の『デモクラシーレポート2022』では国家や地域を、選挙権威主義・選挙民主主義・独裁国家・自由民主主義に分けているという。中華人民共和国は独裁国家に入る。
C. 全体主義・独裁国家について:独裁国家には2種類あり全体主義(強制服従を伴う)と権威主義(自発的服従を伴う)という違いがあるという。
D. クレプトクラシー(泥棒政治)について:少なくともアメリカは第41代大統領のジョージ・ブッシュ・ジュニアの時には2006年に泥棒政治は排除すると世界に宣言している。
参考:
〇「覇権主義」 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%87%E6%A8%A9%E4%B8%BB%E7%BE%A9 。
〇「権威主義」 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%A9%E5%A8%81%E4%B8%BB%E7%BE%A9#:~:text=%E6%A8%A9%E5%A8%81%E4%B8%BB%E7%BE%A9%EF%BC%88%E3%81%91%E3%82%93%E3%81%84%E3%81%97%E3%82%85,%E4%BD%93%E5%88%B6%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82 。
〇「全体主義」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E4%BD%93%E4%B8%BB%E7%BE%A9 。
〇「ヘゲモニー政党制」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%82%B2%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E6%94%BF%E5%85%9A%E5%88%B6 。
〇「クレプトクラシー(泥棒政治)」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A5%E6%A3%92%E6%94%BF%E6%B2%BB 。
〇「覇権主義」 の定義 メモ―2024年01月19日 https://ku-wab.asablo.jp/blog/2024/01/19/9651960 。
〇中国はいったいどうなってしまったのか?―2023年09月02日 https://ku-wab.asablo.jp/blog/2023/09/02/9614626 。
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