原発は廃止できるか、ちょっと考えてみた。 ― 2016年05月14日
原発は廃止できるか、何時出来るか・・・ちょっと考えてみた。
1,現状:
☆現在の日本の原子力発電所 一基 100万KW=1000MW=1GW
(建設中の大間原発は一基138万KW)
・日本 現在42基(震災後稼働2基のみ) 計42GW(震災前は総発電量の28%)。
・日本 現在1兆KWH/年
→ 115GW即ち単純計算で現在でも1GW級原発最低115基分が必要。
(1MW級発電所では115000基必要)
→ 現在の市町村数は1718、現実的に1基せいぜい1MWとして1市町村当たり小発電所40基必要と言うことになる。これは現実的な数字では無い。
→ 現状では原発廃止は無理である。
2,世界の現状:
・アメリカ 現在100基稼働中 計100GW、原発依存度20%。
・韓国 現在20基 計18GW(総発電量の29%、総電力消費量の45%に相当)計画中を含め33GW、 原発依存度33%。
・インド 現在27基(稼働中20基)、 原発依存度2%。
・中国 現在49基(稼働中13基)、 原発依存度2%。
・ドイツ 原発依存度23%。
3,世界の資源の埋蔵予測量(技術的に採取可能な資源量、費用効果無視):
・石炭 今後1000年分、
・石油 50~100年分、
・天然ガス 100~300年分
・ウラン 100年~300年分、
4, 地球温暖化対策に則れば化石燃料依存を現状88%→30%に抑える必要がある
(2010年第3次エネルギー計画)。
→ 原発ゼロを目指すには火力発電所分を現状より60%削減する必要がある。
→ 地熱発電+海洋エネルギー発電+バイオマス発電等で現状より更に原発70基分を賄わなければならない。
→ 燃料電池発電 すでに1991年東芝が燃料電池発電所の実験プラント11MW級で実行しているがその後何故か小規模家庭用に事業変更している。水素発電所と両輪で水素社会の本命であるべきで期待の星なのに何故か?中型発電所でも実用化されれば原発推進派など一気に吹っ飛んでしまうのに。
5, 現在日本は88%化石燃料依存中(震災前62%)、
原発依存度は30%→ほぼゼロになり火力で補充中、
貿易赤字、燃料費増で消費税3%増税分がほぼ消え、CO2産生も著増。
震災後再生可能エネルギー6%(うちバイオマス発電3%)、
但しドイツ22%・イギリス14%・デンマーク48%・アメリカ6.6%で日本は低すぎる。
6, 50年後でも100年後でも良いから原発廃止を目指すとして、現在の政府は何を考えているか?
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620215004&Mode=0
http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g40225b70j.pdf
・2030年の日本の温室効果ガス削減目標:2013 年度比で26.0%減
(米国が18-21%、EUが24%)。
・2030年の日本の電力需要抑制目標:徹底省エネ対策で2013年レベルに抑える。可能な限り安定電源として、地熱・水力・バイオマスにより原子力を置き換える。
何故か燃料電池発電や水素発電所が入っていない。
・原発依存度を2013年30% → 2030年20%に抑える。
・日本の2030年予測発電量としては1兆2780万KWHを1兆650万KWHに抑えて、再生エネルギー20%を目指す(原発20-22%、化石56%、再生エネ22-24%)。
7, 再生エネルギーとして、
→ バイオマス発電 2~3MW級が普通に営業されているようだ、安定電源。
→ 地熱発電1基20~50MW可能、安定電源。
→ 海洋エネルギー発電1基20~50MW可能、 比較的安定電源。
→ 太陽光発電 不安定電源故に全体の10%以下の補助電源にしかならない。
→ 風力発電 不安定電源故にメインにはなり得ない。
バイオマス・地熱・海洋エネルギーが原発の代替エネルギーになり得るようだ。
→ 燃料電池 技術的に10MW等大型化可能になれば最有力。夢の水素社会が現実の物となる。
8, 結論:政治家が2030年までに原発ゼロを目指すと言ったら、机上の空論としてまともに受け取らない方が良いと思う。
そして2030年は無理としても、2050年代までに原発2%以下に向けて全力を尽くすと首相が言ったら国民は全力でバックアップする様な気がする。とにかくバイオマス・地熱・海洋エネルギー・燃料電池に期待しよう。
(2016.5.14.記。参考:エネルギー白書2015など)
1,現状:
☆現在の日本の原子力発電所 一基 100万KW=1000MW=1GW
(建設中の大間原発は一基138万KW)
・日本 現在42基(震災後稼働2基のみ) 計42GW(震災前は総発電量の28%)。
・日本 現在1兆KWH/年
→ 115GW即ち単純計算で現在でも1GW級原発最低115基分が必要。
(1MW級発電所では115000基必要)
→ 現在の市町村数は1718、現実的に1基せいぜい1MWとして1市町村当たり小発電所40基必要と言うことになる。これは現実的な数字では無い。
→ 現状では原発廃止は無理である。
2,世界の現状:
・アメリカ 現在100基稼働中 計100GW、原発依存度20%。
・韓国 現在20基 計18GW(総発電量の29%、総電力消費量の45%に相当)計画中を含め33GW、 原発依存度33%。
・インド 現在27基(稼働中20基)、 原発依存度2%。
・中国 現在49基(稼働中13基)、 原発依存度2%。
・ドイツ 原発依存度23%。
3,世界の資源の埋蔵予測量(技術的に採取可能な資源量、費用効果無視):
・石炭 今後1000年分、
・石油 50~100年分、
・天然ガス 100~300年分
・ウラン 100年~300年分、
4, 地球温暖化対策に則れば化石燃料依存を現状88%→30%に抑える必要がある
(2010年第3次エネルギー計画)。
→ 原発ゼロを目指すには火力発電所分を現状より60%削減する必要がある。
→ 地熱発電+海洋エネルギー発電+バイオマス発電等で現状より更に原発70基分を賄わなければならない。
→ 燃料電池発電 すでに1991年東芝が燃料電池発電所の実験プラント11MW級で実行しているがその後何故か小規模家庭用に事業変更している。水素発電所と両輪で水素社会の本命であるべきで期待の星なのに何故か?中型発電所でも実用化されれば原発推進派など一気に吹っ飛んでしまうのに。
5, 現在日本は88%化石燃料依存中(震災前62%)、
原発依存度は30%→ほぼゼロになり火力で補充中、
貿易赤字、燃料費増で消費税3%増税分がほぼ消え、CO2産生も著増。
震災後再生可能エネルギー6%(うちバイオマス発電3%)、
但しドイツ22%・イギリス14%・デンマーク48%・アメリカ6.6%で日本は低すぎる。
6, 50年後でも100年後でも良いから原発廃止を目指すとして、現在の政府は何を考えているか?
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620215004&Mode=0
http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g40225b70j.pdf
・2030年の日本の温室効果ガス削減目標:2013 年度比で26.0%減
(米国が18-21%、EUが24%)。
・2030年の日本の電力需要抑制目標:徹底省エネ対策で2013年レベルに抑える。可能な限り安定電源として、地熱・水力・バイオマスにより原子力を置き換える。
何故か燃料電池発電や水素発電所が入っていない。
・原発依存度を2013年30% → 2030年20%に抑える。
・日本の2030年予測発電量としては1兆2780万KWHを1兆650万KWHに抑えて、再生エネルギー20%を目指す(原発20-22%、化石56%、再生エネ22-24%)。
7, 再生エネルギーとして、
→ バイオマス発電 2~3MW級が普通に営業されているようだ、安定電源。
→ 地熱発電1基20~50MW可能、安定電源。
→ 海洋エネルギー発電1基20~50MW可能、 比較的安定電源。
→ 太陽光発電 不安定電源故に全体の10%以下の補助電源にしかならない。
→ 風力発電 不安定電源故にメインにはなり得ない。
バイオマス・地熱・海洋エネルギーが原発の代替エネルギーになり得るようだ。
→ 燃料電池 技術的に10MW等大型化可能になれば最有力。夢の水素社会が現実の物となる。
8, 結論:政治家が2030年までに原発ゼロを目指すと言ったら、机上の空論としてまともに受け取らない方が良いと思う。
そして2030年は無理としても、2050年代までに原発2%以下に向けて全力を尽くすと首相が言ったら国民は全力でバックアップする様な気がする。とにかくバイオマス・地熱・海洋エネルギー・燃料電池に期待しよう。
(2016.5.14.記。参考:エネルギー白書2015など)
偏頭痛予防薬: ― 2016年05月20日
これからの原発に代わる安定電源には何が可能か? ― 2016年05月23日
日本にとってこれからの時代を担い得るエネルギーで原発以外の主要な安定エネルギーの安定電源(ベースロード電源)について考えてみた。
水力発電所が環境問題で、火力発電所が地球温暖化問題で、原発が高リスク過ぎて現実的な視野から外れている現在可能性を期待されるメジャーな安定電源(10~100MW級?原発の1/100以上は欲しい)は、地熱発電所、水素発電所、燃料電池発電所、海流発電所この4つと思われる。ポイントは持続可能なもので1基10MW以上のものができるか、1基1MWでも数多く作れるかという問題である。
現在家庭用30%、産業用30%、業務用30%の必要量比という。産業用・業務用は1MW以上等小発電所は必要であろうが家庭用は数キロワット程度の能力で充分である。各家庭に燃料電池を普及させれば小発電所は3分2で良いことになる。
そうなればせめて1MW以上の小中発電所の普及可能性があるかどうかにポイントが移る。可能性があれば即ち脱原発も可能と言うことになる。
水素発電所は現実的な物に既になっているが経済的な安定性を考えると一つに絞るのは危険であるので、やはり地熱、燃料電池、海洋発電等リスク分散政策も必要である。
地熱発電はマグマ溜まりがないと大型の発電所は無理とも言うが専門的にはどうなのだろうか?
☆燃料電池発電については、調べてみると既に実用化している。
1.2MW燃料電池発電が既に Bloom Energy Japanとソフトバンクが大阪中央卸売市場に導入しているという。HONDAやGOOGLEが0.4~1.2MWレベルの燃料電池発電をアメリカで既に導入している。
アメリカでは12MW級の燃料電池発電所が稼働しているようだ。
(http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1412/04/news044_2.html)。
FuelCell Energyは15MWを運転しているという。(http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75089640R00C14A8000000/?df=2)。
何で日本政府は400KW~1MW~10MW級のこの小発電所に力を入れないのか不思議だ。東芝は12MWの実験プラントを作っている実績があるのに何故撤退してしまったのか。
やはり現政府のエネルギー政策はズレた所が在るようだ、何故なのか。400KWレベルでも安定電源として普及すれば世の中はがらりと変わるではないか?
水力発電所が環境問題で、火力発電所が地球温暖化問題で、原発が高リスク過ぎて現実的な視野から外れている現在可能性を期待されるメジャーな安定電源(10~100MW級?原発の1/100以上は欲しい)は、地熱発電所、水素発電所、燃料電池発電所、海流発電所この4つと思われる。ポイントは持続可能なもので1基10MW以上のものができるか、1基1MWでも数多く作れるかという問題である。
現在家庭用30%、産業用30%、業務用30%の必要量比という。産業用・業務用は1MW以上等小発電所は必要であろうが家庭用は数キロワット程度の能力で充分である。各家庭に燃料電池を普及させれば小発電所は3分2で良いことになる。
そうなればせめて1MW以上の小中発電所の普及可能性があるかどうかにポイントが移る。可能性があれば即ち脱原発も可能と言うことになる。
水素発電所は現実的な物に既になっているが経済的な安定性を考えると一つに絞るのは危険であるので、やはり地熱、燃料電池、海洋発電等リスク分散政策も必要である。
地熱発電はマグマ溜まりがないと大型の発電所は無理とも言うが専門的にはどうなのだろうか?
☆燃料電池発電については、調べてみると既に実用化している。
1.2MW燃料電池発電が既に Bloom Energy Japanとソフトバンクが大阪中央卸売市場に導入しているという。HONDAやGOOGLEが0.4~1.2MWレベルの燃料電池発電をアメリカで既に導入している。
アメリカでは12MW級の燃料電池発電所が稼働しているようだ。
(http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1412/04/news044_2.html)。
FuelCell Energyは15MWを運転しているという。(http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75089640R00C14A8000000/?df=2)。
何で日本政府は400KW~1MW~10MW級のこの小発電所に力を入れないのか不思議だ。東芝は12MWの実験プラントを作っている実績があるのに何故撤退してしまったのか。
やはり現政府のエネルギー政策はズレた所が在るようだ、何故なのか。400KWレベルでも安定電源として普及すれば世の中はがらりと変わるではないか?
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