子宮頸がんワクチンが再び推奨されるか、そしてISRRについて2021年11月14日

2021/11/13 アサブロ

子宮頸がんワクチンが再び推奨されるか、そしてISRRについて

NHK NEWSWEB「子宮頸がんワクチン接種 積極勧奨再開へ」 厚生労働省専門家部会2021年11月12日 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211112/k10013345391000.html?fbclid=IwAR0z8ywJXyneP7cY9LQ5LHoyupwxcUFdkygm1iMi9YOlBEci7-F1HP5Q-wg 
 臆病になりすぎていた厚労省もやっと重い腰を挙げたようだ。

 このワクチンは、現在サーバリックス/ガーダシル/シルガード9の3種類あるがいずれもadjuvantが入っていて筋注である。通常の国産の季節性インフルエンザワクチンよりも副反応が強いことは当然予想されるが、この点ワクチン対象者への副反応の事前周知の配慮が8年前の初期対応では足りなかったかもしれないと思う。

 今回の新型コロナワクチンの場合は、事前に高熱等の副反応が出ること等が国民一般と医療従事者の双方に周知されていたので現場で注射する際にも不安感を払拭するような働きかけが出来た。
 実際職場では発熱して辛かったら遠慮なく休むこと等の対応が取れたし、集団接種会場では一時的には高熱が出るかもしれませんがワクチンが効いていると思ってあまり心配しないようにと不安払拭策も取れた。職場では同時に多数が勤務を休んで仕事が回らなくなっても困るので初めは少人数毎の職場ワクチン注射で始まったが思ったほどの出勤不可者が出なくて順調に職場注射も進行できた。

 このように今回の新型コロナワクチン注射対応では、副反応への大げさすぎるくらいの覚悟が施療者・受療者ともに事前に出来ていたから上手くいったが、そうでなかったら現場は不満百出で、新型コロナワクチン注射政策も今回のようにスムーズには多分いかなかった。

そして今回、若者へも新型コロナワクチン注射が拡げられて、ISRR(ワクチンストレス関連反応)が多発していることを聞くと成程とも思う。
 殆どがVVR(血管迷走神経反射)のようであるが、ましてや多感な若者に副反応への事前の心の準備が無くいきなり注射すればISRRが発生しても何ら不思議ではない。採血されるのを隣で見ているだけで顔面蒼白となって倒れるいわゆるVVRは医療の現場では日常茶飯事であるからである。
 これまで医療者は問題意識も乏しく、だらしないねえ、等と茶化す程度のことが多かったが最近はそうとも言っていられないようだ。立位のまま倒れ顎を骨折してしまう若者もいるという。
 そのために新型コロナワクチン注射に当たってVVR等のISRR発生の心配をキャッチした場合は臥位になって貰ってからワクチン注射をする配慮が必要という医師も出てきた。

 子宮頸がんワクチンの副反応もISRRの1種と捉えられつつあるようである。ISRRは今回の新型コロナ騒ぎが始まった頃の2019年12月にWHOが出してきた新しい名称である。子宮頸がんワクチン訴訟は今尚裁判中のものもあるので滅多なことは言えないので、冒頭のNHKの記事も慎重に言葉を選んでいるが、解離性障害は昔のヒステリーである。
(〇日本産婦人科医会 No106 思春期のケア 「思春期の予防接種と接種ストレス関連反応」 https://www.jaog.or.jp/note/%e6%80%9d%e6%98%a5%e6%9c%9f%e3%81%ae%e4%ba%88%e9%98%b2%e6%8e%a5%e7%a8%ae%e3%81%a8%e6%8e%a5%e7%a8%ae%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%ac%e3%82%b9%e9%96%a2%e9%80%a3%e5%8f%8d%e5%bf%9c/ )
(〇WHO Immunization stress related responses.(ISRR)  A manual 20 December 2019.  https://www.who.int/publications/i/item/978-92-4-151594-8 )

 医療においては相関関係があっても因果関係はないということが屡々あるので、ワクチン注射一般の有害事象の中で相関関係はあっても因果関係がないものの説明はこのWHOの報告で説明し易くなった。COVID-19ワクチンや子宮頸がんワクチンだけでなく、最近はハバナ症候群もこれで説明しようとしているようだ。断定には慎重を要するが、ISRRのDNSRの一部そしてDSM-5の解離性障害は昔のヒステリーなので、ハバナ症候群は集団ヒステリーと言うことになる。本当の所は未だ分からず保留ではあるが。


 (以下はワクチンの効果と副反応、筋注か皮下注か、について補足 - 一部訂正)
 同じ新型インフルエンザワクチン(H1N1 pdm09或いはH5N1)について言えば輸入品と国産では成分が違う故に、効果と副反応にも多少の違いが生ずる。国産の一般インフルエンザワクチンはadjuvantが含まれずかつ皮下注であるが上記輸入ワクチンはadjuvant含有で筋注である。筋注の方が痛みが少なく免疫効果が強いなどと皮下注か筋注かの違いを針小棒大に強調しすぎる専門家がいるが決して筋注の方が軽い訳ではない。CDCやWHOの言うことを鵜呑みにする専門家も多いが注意が必要である。免疫効果については自分でも心配になったので信頼できる免疫の専門家に聞いた所エビデンスがないだけで筋注も皮下注も余り違わないと思っているとのことであった。
(〇新型インフルエンザワクチンの国内産・輸入ワクチンの有効性・副反応の違い。厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/inful_100210a.pdf )
(〇Immunogenicity of an inactivated adjuvanted whole-virion influenza A (H5N1, NIBRG-14) vaccine administered by intramuscular or subcutaneous injection. https://doi.org/10.1111/j.1348-0421.2009.00191.x 新型トリインフルエンザワクチンの第一相試験で、日本人健康成人120人・Alumアジュバント含有、によれば、日本人の若い健常者の局所疼痛頻度は(筋注35%、皮下注37%)、局所発赤(筋注25%、皮下注67%)、局所腫脹(筋注7%、皮下注23%)、局所硬結(筋注2%、皮下注3%)、全身症状発熱(筋注8%、皮下注8%)、全身倦怠(筋注20%、皮下注30%)、頭痛(筋注18%、皮下注17%)、である。疼痛の頻度は文献によって皮下注が多いともいうがこの文献では同じようである。全身症状も両者で変わらない。腫脹や発赤が皮下注の方が多いのは、筋注か皮下注の違いなのか、深さの違いなのか、については必ずしも明らかではないようである。 )
(〇2020年11月11日 ワクチン注射は皮下注か筋注か、で気になったのでちょっと一言。 https://ku-wab.asablo.jp/blog/2020/11/11/9315455 )