夾竹桃(キョウチクトウ)の毒性への振り返り2024年10月13日

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(2024年7月:前橋公園と敷島の夾竹桃の花はこの時盛りである。)                  [7月:A+B(前橋公園+敷島公園)]
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8月:C~G(前橋公園)樹の上の方は白い花が咲き(A)、樹の下には散ったばかりの花が落ちていた(D,E)。樹の中段には散ったばかりと思われる花の付け根が見えていた(F)。樹の下の地面には散った枯葉も散在していた(G)。これだけ散っている枯葉や花びらを見ると一般ごみとは分けて処理しているとはとても思えない。 [8月:C~G(前橋公園)]
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9月:無,H,J(前橋公園)樹の上には相変わらず白い花が咲き、樹の中段には実が出来(H)、樹に着いた枯葉も見える。樹に着いたままの葉を折ってみたら透明な樹液が直ちに浸みだし写真撮る間もなく滴り始めた(J)。  樹液圧が高く染み出しやすいのは確認できた。やはり触らぬ神に祟りなしで触らないのが無難である。そうでないと原因不明の体調不良に悩まされかねない。 [9月:無,H,J(前橋公園)]
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1月:(前橋公園)昨年の実がはじけて中身が既に跳んでいた。 [1月:I(前橋公園)]

  夾竹桃(キョウチクトウ)の毒性への振り返り
 夾竹桃の毒性については紀元前のアレクサンダー大王の遠征軍隊での集団中毒死をはじめとした多くの中毒死例の逸話が知られており、その中毒例は現在もなお人畜共に時々報告されている。人の致死率は5~10%とも言われている。自殺・他殺・知識不足故の事故死・人工妊娠中絶の民間療法・インドでは性病潰瘍の塗り薬外用・健康補助サプリ等でも使われ中毒等が生じている。
 毒性が強いということには誰も異論がないとは思うけれども、医学の発達した地域では殆ど死なないとか、バーべキューで死ぬというのは都市伝説であるとか、更には夾竹桃エキスのサプリの宣伝とか、という記述も見掛けるなど極端すぎる情報もあるので、それも言い過ぎではないかと思い調べてみた(本年4月には食品安全情報が出た㉟)。
 調べてみると意外や意外、情報は伝言ゲームそのもので、両極端に分かれる。そしていかに人の心の奥底にまでその花の魅力が浸み込んでいるか、夾竹桃の花への思い入れは宗教にも近いように思えてきた。その個人の思い入れは説得で変わるものではないようだ。江戸時代後期1800年頃に渡来したこの新しい外来植物はその美しさ故かその逞しき生存力のためか底知れぬ人気があるようである。この自由平等の社会でさえも声が大きい方で社会の方向が決まるので自分なりの視点はしっかり見極めておかなければならない、そう思う。

 その毒性は人に限らず人畜共通で枯葉等での家畜の死亡例も現在も時々報告されている。その毒性は花・樹液・枝・幹・根の植物全体に有毒成分がありそれらの枯葉・小枝・木の焼却時の煙や焼却灰自体も毒性があるという特徴がある。しかも焼却灰の毒性は1年以上残存しその土壌中で育った食物にも吸収されるという報告もある。インドやスリランカでは自殺目的や人工流産(中絶薬)目的でも使用されている。その他国によっていかがわしい民間療法やサプリで使われる場合もある。牛の流産は日本でもあった。(⑩⑲㉓㉔㉟)。これらの情報に間違いはないが、時と場所、毒性の程度等についてどこまで大げさに捉えねばならないかの視点が欠けていることに気付いた。

 キョウチクトウの毒の主成分はOleandrinとされているが、そのほかにもジギタリス配糖体や非ジギタリス配糖体からなる総称強心配糖体だけでも30種類以上含まれ、他の化学物質も含むと100種類以上の成分が含まれると言われている。
 その毒性は青酸カリの1000倍強いと言われていたり、過敏な人は近くに寄っただけで喘息発作が出たり、花の香りを深呼吸しただけで翌日に喀血したという例もあると言われている。(①~㉒)。
一方、過剰な心配故に都市伝説(根拠不明の口承話)であるとの指摘も最近されるようになってきている(㊷㊸)。
それは1999年にアメリカでのボーイスカウトがキャンプでホットドッグを夾竹桃の枝串を使って食べた所翌日皆死んだという話に疑問を持った人がファクトチェックとして実験をしたところ、死に至る程の毒物が検出されなかったと報告し(その原文を見るとmax 1.5mg/HotDogのOleandrinしか検出されなかった)、故に過剰な反応による都市伝説であると結論づけたものである。同様な報告は別にもあり(0.3~0.7mgのOleandrin検出。人の致死量は0.3mg/kgと言われる)、毒性に輪をかけた警告話として大げさに伝わったためであろうとしている。これら著者の言いたい主旨は受け止めるが、食べるのは1個で済むわけがない。これは一点のみからの明らかにバイアスがかかった見方であることが解る。
 また、先進国では死に至る例はまれである等の論者の記載も見られるが、それらの例を調べてみると大量服用とあっても血中Oleandrin測定はされておらず、実際の毒素吸収量が不明であるものがほとんどである。とにかく嘔気嘔吐が酷いだけでなく苦いし辛いしとても食べられる代物ではないらしい。ジギトキシンで代用できないことは既に解明されている。またOleandrinを中心とした毒素の致死量は解明されているとはいえず、人にしても家畜にしても致死摂取量即ち毒素致死量とはならず、大量と思われても死ななかったり少量と思われても死に至ったり、決して一様ではないことが調べてみると分かる通り、まだ未解明の点もいまだに少なくないようである。好気性発酵の堆肥化がOleandrinの分解を促進することは確かだがそれでもキョウチクトウの剪定枝や葉を混ぜるべきではないと論文を載せた農研機構の報告書でも述べている(53)。
 日本の厚労省は2024年の食品安全情報No.8/2024(2024.04.17)(㉟)において、米国FDAが、キバナキョウチクトウを含むサプリ等による健康被害が出たために警告を発し、一部会社製品の回収命令を出したと情報提供している。調べてみると日本でも対岸の火事ではないことが分かる(㊺)。
夾竹桃は原爆でも生き残ったという謂れ故に希望の花として受け入れられており悪環境にも強いために高速道路の街路樹や公園等に多く植栽されていてそこの土壌や環境を選ばず良好に生育する。世界的にも身近な植物と扱われており何処にでもあるという。心を癒す園芸植物としての根強い人気もある。実際福岡市教育委員会では一部の住民の意見で撤去しようとした所反対意見が出て朝令暮改で現状維持となり、一部の住民の意見がかき消されるほどに他の住民の意見もあったようで、他の自治体の対応もバラバラで調べてみるとネット上での注意情報程度でお茶を濁しているのが実情であるようだ。
熱にも強いその毒性は焼却灰になっても土壌の中で残りしかもその土壌で育った野菜にもわずかながら吸収される、という論文もある。しかしその残存毒性は直接中毒症状を起こす量からは程遠く微量であることもまた事実である。論文(55)のように半減期という見方をすれば、好気性発酵による堆肥化しなければ1年以上極微量ながら土壌中に残存しているという意見があってもおかしくはない。通念上、良くコントロールされた焼却炉により800℃以上で焼却した場合バラバラに分解されるといわれているが一方ダイオキシンが典型であるが冷却過程で再合成されたり、1100℃以上でもガスの再重縮合でPAHsは再合成されることが解っている(㊶,61,)。Oleandrinについては調べた限り無毒化の焼却条件について行ったデータは、不完全燃焼がどの程度係わっているのかを含めて、見つけられなかった。
更に焼却灰に毒性が残るか残らないかYES/NOだけで話を進めればまさに伝言ゲームになって仕舞う。かといって症状が出ないからと微量を飲み続けて良いかというとそうにはならないこともまた言うまでもない。ましてやキョウチクトウの粗抽出物をサプリに使うなどは論外である(有効成分を抽出しての使用は別)。あいだを採って「触るくらいは大丈夫、でも避けた方が良い」、という位が無難な表現かも知れない。
とにかく、キョウチクトウ植栽は幼児の手が届きやすい場所の児童公園や小学校、あるいは家畜の飼料に混入しやすい場所ではそれなりの配慮が必要と思うし、下記資料(72)の方が言う “欧米諸国では教育プログラム「身の回りの毒性植物」を実施して注意喚起に努めている” 等の周知への具体策を実行する姿勢は日本にも必要と思う。キョウチクトウに限らず有害植物は身近にも沢山ありそれらの判別知識は生きていくための必要な基礎知識なのだから。

(キョウチクトウ(夾竹桃)の猛毒性は更に幅広い周知が必要か?2023年8月2日  https://www.facebook.com/hidemasa.kuwabara/posts/pfbid0d7YbJaGGaGkXEJzFRdkjpGumeyedAAWgvcCdT3RC6JScttiWTmp7wtnfz7g4wt9Nl?__cft__[0]=AZXoITHLbyPaRUmOmMeejG-oXc672QujPvHz4SNLGBmmzhKHYi627CFq_kuurHE1hbain1ftUycwsF5duz4NAqJLLBdIHFE7MAItV4c-3cEzXXq_CFueZIBC-aTAkuGWSvE&__tn__=%2CO%2CP-R 。)
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人でのキョウチクトウ中毒の症例報告等:
① Fatal poisoning due to ingestion of boiled oleander leaf extract J Forensic Sci 2024 Jan;69(1):351-354.   https://doi.org/10.1111/1556-4029.15393 。  【2024年 奈良県立医大から自殺目的で夾竹桃の葉を煎じて飲んだ結果の中毒死1例報告。Oleandrin血中濃度は33.4ng/ml。致死量は約10ng/ml・中毒量は1-2ng/mlとされる。交差反応するとも言われるジギトキシンも測定したが正常値でこの症例は交差反応はなかったと報告している。乳酸acidosis・高K血症・徐脈あり、ECMO等も行うも救急到着後2時間で死亡判定された。】
② キョウチクトウ中毒により完全房室ブロックを呈した 1 症例 松本 優他、兵庫県立尼崎総合医療センター 日集中医誌 2022;29:543-4.  https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsicm/29/5/29_29_543/_pdf 。  【2022年 自殺目的で葉を煎じて飲み嘔吐して4時間後に救急入院したが6日目には軽快退院した。Oleandrinの血中濃度測定は未施行。キョウチクトウは尼崎市や広島市の市の花である。】
③ キョウチクトウ大量摂取の1例 神戸将彦他、群馬大学救急医学 北関東医学 70 (4), 359-362, 2020.  https://www.jstage.jst.go.jp/article/kmj/70/4/70_359/_pdf 。  【2020年 自傷目的でキョウチクトウの葉12枚摂取して増悪する嘔吐のために摂取19時間後に救急入院し、5日目に軽快退院した。Oleandrin血中濃度測定はしていない。代わりにジゴキシン血中濃度を測定しているが正常値だったと報告している。】
④ キョウチクトウ中毒の1症例 門田奈実他 鳥取市立病院 日集中医誌 2012;19:685-6.  https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsicm/19/4/19_685/_pdf 。  【2012年 女性45才が自殺目的で夾竹桃乾燥葉を手掌一杯服用して6時間後に救急搬送された。血中カリウム・ジゴキシン血中濃度は正常。3日目には軽快退院した。】
⑤ 鎌倉とオレアンドリン中毒(そのⅡ)神津仁の名論卓説e-doctor2月号20202.1.©Linkstaff https://www.e-doctor.ne.jp/c/kozu/2002/ 。(吸い込んだ本人:山田海人の鎌倉いきもの会議2017年6月8日 http://blog.livedoor.jp/kamakuraikimono/archives/8858058.html 。) 【2017年 花の香りを胸一杯吸い込んだ30時間後に喀血した例を報告している。危険を承知で胸一杯吸い込むだろうか。両報告には1か月のズレがあるが単なるミスプリかどうかは不明。】
⑥ キョウチクトウ中毒 武藤憲哉他 日集中医誌 2022;29:498-9.  https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsicm/29/5/29_29_498/_pdf/-char/ja 。   【2022年 キョウチクトウ中毒8例中6例の生存・2例死亡を提示している。摂取量と中毒重症度との相関はないとする報告があると述べている。】
⑦ 植物性自然毒による食中毒が発生 平成29年12月15日 高松市保健所生活衛生課 https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/udopen/press/attach/17/2017-01732_0_syokutyuudokunogaiyou2017.12.15_s.pdf 。 【平成29(2017)年に香川県内の小学児童2名が小学校校庭にあるキョウチクトウの葉を勘違いして3-5枚ほど誤食して入院し、軽快退院した。】
⑧ 9月夾竹桃(きょうちくとう)H27.09.07.理事長の部屋 桑名市総合医療センター https://www.kuwanacmc.or.jp/rijichoblog/1348/ 。   【1975年フランスで、バーベキューをしていて11人中7人の男女が死亡する事故が起来た。夾竹桃の枝をバーベキューの串に使ったためという。中には警察の捜査が行われたともあるが、しかし皆同じような表現の伝言ゲームのようで原典が見つからない。】
⑨ Electrocardiographic changes during inhalational oleander toxicity. S Senthilkumaran et al, Journal of Electrocardiology Volume 44, Issue 4, 2011, p 470-472.  https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0022073610006230 。   【2011年 インドでの煙による中毒報告で、夾竹桃の小枝を燃やした煙を吸って家族4人がキョウチクトウ中毒を起こした。心電図上房室ブロックⅡ度やジギ中毒様異常が見られ4日目には正常化した。巷で良く言われるバーベキューでのソーセージの串焼きが原因のキョウチクトウ中毒死が都市伝説視されるようになったが煙に言及した報告は少ない。】
   ⑩ Cutaneous absorption of Oleander: Fact or fiction. J Emerg Trauma Shock. 2009 Jan-Apr; 2(1): 43–45. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2700576/ 。   【2009年 インドでの塗り薬による中毒報告で、1名は息切れ等で救急受診し心電図上MobitzⅡ型病変を認めたが対症療法で回復した。原因不明であったが陰茎潰瘍に気付き黄色夾竹桃成分を含んだ伝統医学の塗り薬を使っていることを突き止めた。伝統医学施療者から別の3例を聞き出した。3例とも梅毒と思われる陰茎潰瘍に塗り薬を使っていてキョウチクトウ中毒変化のECG異常を確認した。4人のうち3人は無症状だった。MobitzⅡ型は心停止の急変リスクの高い異常である。】
⑪ Accidental fatal poisoning in a child due to ingestion of Nerium oleander leaf. Sathish Ayyappan et al,Forensic Sci Med Pathol.2023 Dec 22. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38133853/ 。 【2023年 インドからの中毒死報告で、グアバ葉と勘違いして子供が服用して心腎不全・出血傾向・高K血症・ショック等で36時間後には死亡し解剖もしている。住環境には植栽すべきでないと言っている。】
⑫ A fatal case of self-poisoning through the ingestion of oleander leaves. Elena Azzalini et al, J Forensic Leg Med 2019 Jul:65:133-136. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31153008/ 。 【2019年 イタリアからの中毒死報告で、自殺目的でキョウチクトウの葉を服用して死亡、解剖にて致死量のOleandrinを確認している。この報告では、キョウチクトウ中毒が事故によるものが多く自殺目的での使用が少ないのは、その毒性を一般の人が知らないためであろうとしている。】
⑬ A non-fatal oleander poisoning. J. Pietsch et al. International Journal of Legal Medicine, Vol 119, p 236–240, (2005). https://link.springer.com/article/10.1007/s00414-005-0548-6 。   【2005年 Oleandrinの血中濃度の非致死性の中毒レベルは1-2ng/mlとしている。】
⑭ A case of non-fatal oleander poisoning. Behçet Al et al, BMJ Case Rep. 2010; 2010: bcr02.2009.1573.  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3027391/ 。   【2010年 除痛目的で夾竹桃の花を煎じて飲んだ42才の担癌女性のキョウチクトウ中毒例の報告であり入院36時間後に回復退院した。通常は死に至るOleandrin致死量14.7ng/mlが検出されたにも係らず対症療法のみで回復生存した症例は初めてであると述べている。文献を含めた考察にて、交差反応をすると言われるジゴキシン血中濃度測定が正常でもOleandrin値は上昇しており当てにならず死亡例・回復例が混在している。Oleandrin血中濃度測定値は参考になるが、その中毒症状や治療内容はOleandrin血中濃度とは相関しない。Oleandrin血中濃度ほぼ10ng/mlでは何をやっても死亡してしまう例がある一方対症療法だけで回復する本例のような例もある。生体実験とも言えるカナダからの報告についても述べている。抗がん剤として第一相試験として認められた夾竹桃抽出物(Anvirzel)をボランティアに15mg筋注したところ3時間後のOleandrin血中濃度は7ng/mlだったと言いこの著明高値でも問題が起きないのはそのボランティアの個人的耐性があるとしか思われないと述べている。】
⑮ LC/MS/MS analyses of an oleander extract for cancer treatment. X Wang et al, Anal Chem. 2000 Aug 1;72(15):3547-52.  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10952541/ 。   【2000年 上記Behçet Alらの報告にあるカナダからの生体実験とも思える抗がん剤phase1の報告である。(※キョウチクトウにはジギタリス配糖体を含む強心配糖体だけでも30種類以上含まれ、他の化学物質も含むと100種類以上含まれると言われている。同じ強心配糖体でもジギタリス配糖体は水様性でOleandrinは脂溶性である。)】
⑯ Confirmation of oleander poisoning by HPLC/MS. A Tracqui et al, Int J Legal Med. 1998;111(1):32-4. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9457536/ 。 【1998年 自殺目的で夾竹桃中毒になり生還した45才女性のフランスから報告で、Oleandrin血中濃度は1.1ng/mlであった。測定法は高感度のHPLC/MSを行った初めての報告であると言っている。しかし資料56で示す如く臓器移行性が強く血中濃度だけではその毒性の判断が不十分であることが解ってきている。】 
    ⑰ Deliberate Self-poisoning due to Plant Toxins: Verdant Footprints of the Past into the Present. Indian J Crit Care Med. 2021 Apr; 25(4): 392–397.  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8138652/pdf/ijccm-25-392.pdf 。   【2021年 南インドの病院の自殺目的の植物毒中毒150例について報告している。夾竹桃使用例63%・oduvanthalai使用例50%だった(oduvanthalaiはタミル語で日本名は未だないが南インドの熱帯植物で自殺・中絶薬に使われる。コミカンソウ科で学名Cleistanthus collinusと言う)。致死率は9.3%。】
⑱ アマメシバ事件:都道府県等から報告されたいわゆる健康食品に係る健康被害事例について(お知らせ)平成15年8月22日厚労省 https://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/08/h0822-1.html 。 https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/hokenkinou/6c.html 。   【2003年 上記文献⑰に関連したコミカンソウ科の健康食品アマメシバの長期服用で閉塞性細気管支炎の発症例があり裁判にもなった。販売禁止になっている。】
⑲ Management of acute yellow oleander poisoning. Eddleston M, et al, Q J Med 92:483–485. (1999).  https://scholar.google.com/scholar_lookup?title=Management%20of%20acute%20yellow%20oleander%20poisoning&journal=Q%20J%20Med&volume=92&pages=483-485&publication_year=1999&author=Eddleston%2CM&author=Warrell%2CDA 。   【1999年 オックスフォード大学からキバナキョウチクトウ中毒の管理についての現状報告である。植物の強心配糖体は少なくとも12科の数十種類の植物に数百種類以上が確認されており、そのうちキョウチクトウは致死的な毒を持ちながら最も美しい花をも持つ熱帯性低木であると言っている。 この報告の時点では活性炭もジギタリス抗体も有効であろうと言っている(その後無効という報告も出た)。ジギタリス中毒とキョウチクトウ中毒では不整脈の性状に違いがあり、前者では心室性不整脈やVTが多いが後者ではVTは1%、心室性不整脈は8%にしか見られなかった。キョウチクトウはVF等による不整脈死が多いのではないかと推定し高K血症がその違いに係わっているかもしれないとしている。中毒致死率も英国では1%、開発途上国では20%であると言っている。スリランカでは1980年2人の少女が中毒死して大々的に報道されて以来、自殺目的のキョウチクトウ中毒が急増した(前年ゼロから10年後には年間103人ジャフナ病院に入院した)。キョウチクトウは世界中に見られアフリカでは矢毒に用いられ、インド・タイ・ブラジルでは自殺・殺人・流産・民間療法薬等にも使われている等も述べている。】
⑳ Toxicity effects of Nerium oleander, basic and clinical evidence: A comprehensive review. T Farkhondeh et al, Sage Journal, Online January 23, 2020. https://doi.org/10.1177/0960327120901571 。 【2020年 イランからの文献検索上のレヴューで、ヒト症例・動物実験結果等からその中毒の実態の要約をしている。全身臓器に様々な所見を呈する。肺:間質も肺胞内も気管支粘膜も出血・浮腫・うっ血・炎症細胞診潤等あり、肝臓:様々な程度の浮腫・出血・変性壊死・細胞浸潤等あり、心臓:うっ血・心筋繊維変性断裂空胞変性凝固壊死・間質浮腫・心筋組織出血・心内膜下出血・炎症細胞診潤等あり、血液:出血班は口内・胃・肺等にある、等臓器別にも詳しく述べている。毒性致死量に関しては動物によって感受性が違うこと、ヒトでは同じ量でも生還することもあれば死亡することもあること、子供は感受性が高いこと、等ありNa,K-ATPase阻害がその本態とされるがその毒性の分子学的機序はなお未解明としている。結論として毒性植物のキョウチクトウは子供や動物の中毒防止のために庭園や公共用地には植栽すべきではないと総括している。】
㉑ Self-harm and self-poisoning in southern India: choice of poisoning agents and treatment. Anuradha Bose et al, A Europian Journal of Tropical Medicine and International Health. Vol 14, Issue 7 Jul 2009, p709-837. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/j.1365-3156.2009.02293.x 。   【2009年 に南インドの2年間の田舎の自殺についての調査報告で、服毒自殺は31%、そのうち農薬服毒死は78.3%、有毒植物服毒死は19.7%。その有毒植物は主にキバナキョウチクトウとoduvanthalai(⑰参照)だった。インドでは自殺は犯罪とされているので自殺未遂を含めるとその実数は大幅に過小評価されているという。】
㉒ Epidemic of self-poisoning with seeds of the yellow oleander tree (Thevetia peruviana) in northern Sri Lanka. M. Eddleston et al, A Europian Journal of Tropical Medicine and International Health. Vol 4, Issue 4, Apr 1999, p243-318.  https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1046/j.1365-3156.1999.00397.x 。   【1999年 (⑲参照、同人報告)スリランカの二次医療機関であるアヌラーダプラ病院で1995年に実施された罹患率・致死率の結果の報告である。この報告時点でスリランカ国内のキョウチクトウ中毒は急増し年間数千例となり、同病院だけでも過去7年間で4倍に増加したという。11か月間で415人が入院し61%が女性でしかも21才未満が46%を占めた。しかもそのきっかけは子供の場合大半が死にたいと思って自殺行為に及ぶわけではなく些細な理由だったという。前向き研究をした79名中5名(6%)は入院直ぐ死亡、34名(43%)は房室ブロックⅡ~Ⅲ度、ペースメーカー処置に救急車移動で4時間かかり移送中にうち1名死亡、40人は生還退院した。徐脈や伝導障害が多くVTは稀だった。致死量については摂取量との直接関係は見いだせず、しかも3日以上経ってからAVブロックⅡ度に陥った例もあった。致死率は10%或いはそれ以上であった。】

家畜のキョウチクトウ中毒:
㉓黒毛和種繁殖雌牛群に発生したキョウチクトウ混入粗飼料給与によるオレアンドリン中毒事例. 2011年10月発生、大分保健所 大分県 https://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/178943.pdf 。   【2011年 牛計170頭を飼育する農場で、夾竹桃の枯葉が混入した飼料で牛16頭が死亡した。他の牛の中毒症状が収束するまで1か月半を要し、流産した牛もいた。夾竹桃枯葉の混入した飼料は知人から譲り受けたもので危険の認識はなかったという。調査の結果から個体ごとにオレアンドリンに対する感受性(致死量)が異なっていたのではないかと推定している。】
㉔有毒植物による中毒の再発防止対策 キョウチクトウ中毒2015年7月発生 紀南家畜保健衛生所 和歌山県 https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/070400/h27kentoukai_d/fil/05niwa.pdf 。   【2015年 夾竹桃枯葉の飼料混入により飼育牛5頭のうち2頭死亡、1頭流産した。周辺畜産農家を調べたところキョウチクトウ以外にも毒性植物が身近にあり牛の流産もその為と判定している。】
㉕431 キョウチクトウによる牛の死亡事故発生事例、鹿児島県 農林水産省 家畜衛生の進歩 No.39 全国家畜保健衛生業績抄録 平成17(2005)年度(平成18年4月 農林水産省消費・安全局動物衛生課) https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_kaho/pdf/syoroku_47.pdf 。   【2005年 鹿児島県内の農家で牛の下痢が散発していてそのうち重篤な牛2頭が死亡した。解剖で出血病変を認めるも原因特定には至らなかったが現場への立ち入り検査で野草飼料中の夾竹桃の枯葉を確認。刈り取った場所に夾竹桃が植えてあり周囲に枯葉も散在していたため血中Oreandrinを測定した所50ng/mlの著明高値だった。】
㉖千葉県の農場で昭和55(1980)年に飼料にキョウチクトウの葉が混入し、乳牛20頭が中毒をおこし、そのうちの9頭が死亡した。混入した量は、牛1頭あたり、乾いたキョウチクトウの葉約0.5g程度だったという。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%83%81%E3%82%AF%E3%83%88%E3%82%A6 。   【1980年に発生 どういうわけか行政からの発出文書が見当たらない。夾竹桃は千葉市の市花である。】
㉗A Probable Fatal Case of Oleander (Nerium oleander) Poisoning on a Cattle Farm: A New Method of Detection and Quantification of the Oleandrin Toxin in Rumen. Silva Rubini et al, Toxins (Basel). 2019 Jul 25;11(8):442.  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31349685/ 。   【2019年 イタリアの牛肥育農家で牛6頭全部が夾竹桃中毒で死亡した。野草飼料中の夾竹桃葉の含量は2.6%であった。また夾竹桃自体の強心配糖体総含量は0.08%でありその主なものはOleandrinである。その飼料中の葉のOleandrin濃度は2.7mg/g、第1胃中の胃液中300ng/ml、胃固形物中294ng/gであった。牛死亡発見翌日に獣医に連絡があったために死後時間が1日以上経っていて既に腐敗が始まっていたためキョウチクトウ中毒は確かだが一部の牛は通報が速ければ助かっていた可能性も否定できないと言っている。毒素検出法には新たな分析法LC-HRMSを導入した初めての報告であると言っている。考察ではキョウチクトウの致死的毒性は昔から周知されていることなのに未だに同様なことが繰り返されていることが懸念事項で相変わらず家畜も人も中毒例の報告が繰り返されているために、Oleandrinの化学的性状から家畜への被害や人の致死量の問題まで幅広く論述している。キョウチクトウには強心配糖体が30種類以上含まれ、同じキョウチクトウでも強心配糖体の詳細成分はその部位、根=種>実>葉で異なり花の色も白色より紅色の方が毒性は強い。一般に強心配糖体は100種類以上知られているがジギタリス配糖体とそれ以外の強心配糖体に分けられ、ジギタリス配糖体は初めヒキガエル等から皮膚障害物質として発見されたがキョウチクトウの強心配糖体は乾燥しても毒性が保たれ、燃やした煙にも毒性があるという特徴がある。ジギタリス配糖体は水様性だがOleandrinは脂溶性である。バーベキューというと串による中毒が神話の如く強調されているがこの論文ではバーべキュー時の煙による中毒例を示している。牛の致死量については、成牛一頭当たり葉3~10枚・50mg/kg・110mg/kg等と報告により大きなバラツキがある。人の子供では1枚でも致死量になり得る。懇切丁寧に詳しく報告している論文である。実際のヒト報告例は大量に服用しても回復した例が多いようであるが酷い嘔気嘔吐が必発であること、夾竹桃毒の保持は植物間でもその部位間でも大きく異なること等から摂取量は毒吸収を反映していないのではないかとも考えられる。実際、米国マウントサイナイ病院のキョウチクトウ中毒の項には症状はあらゆる臓器に及び致死率は低いものの成人でさえも葉1枚でも死亡し得る、としている(Oleander poisoning https://www.mountsinai.org/health-library/poison/oleander-poisoning )。】
 
  夾竹桃の毒性等の説明:
㉘『ビジュアル「毒」図鑑250種』齋藤勝裕著 2023年 秀和システム発行 https://www.shuwasystem.co.jp/book/b623719.html 。   【毒の専門家による本。キョウチクトウについて正当な説明がなされている。原爆復興のシンボルとなったこと、燃え難いので耐火樹として知られて乾燥や大気汚染に強く街路樹や高速道路によくみられること、有毒故に食害昆虫は少ないがキョウチクトウアブラムシ・シロマダラノメイガ幼虫・キョウチクトウスズメの幼虫が寄生して育つこと、毒性は樹の全ての部分・周辺の土壌・生木を燃やした煙・腐葉土にしても1年間は毒性が残ること・家畜飼料に1頭当たり乾燥葉0.5gが混入して牛16頭が死亡したこと等が記載されている。】
㉙『毒草を食べてみた』植松黎著 文春新書099文藝春秋 2000年発行 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%92%E8%8D%89%E3%82%92%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%9F 。   【毒草に造詣の深い著者が書いた本で驚いて購入して読んで見た。1話~44話で構成されており、驚異の表題であるが実際は3種以外は口に入れてはいない。1話のドクウツギはその実1粒を口に入れて吐き出したがラリッた状態で睡眠薬中毒のようになったと書いてあった。その後果実酒を飲んで生死をさまよった実例を聞き悪夢のような症状に陥らなくて良かったと振り返って胸をなでおろしたという。第3話の夾竹桃については全く試そうとはせず、逆に高速道路の生垣について「道路が火事になることなど考えてもいないのだろう、その時こそキョウチクトウが恐るべき毒草として復活する日なのではないだろうか」と皮肉を込めた感想で終わっている。】
㉚ キョウチクトウの乳液が有毒とされるがそもそもキョウチクトウが乳液を出すのか?2016.3続・樹の散歩道205,木のメモ帳 https://kinomemocho.com/sanpo_oleander.html 。   【夾竹桃についての体験に基づいた記録で分かり易く解説している。樹液で皮膚炎を起こす。キョウチクトウとセイヨウキョウチクトウは日本では変種扱いだが日本以外は同義語扱いだと言っている。またインド原産と言っているのは日本だけでインド自体もインド原産の自覚はなく、一般的には原産地は地中海沿岸や南西アジア・インドを含む広い地域が起源とされる。花の芳香は有るもの無いものがある(強心配糖体はラクトン環を持つので芳香を持つものが多いがないものもあるということ)。花には蜜がないとされるが科学的根拠は未だにないし、結実も滅多にしないとされるが実際はする。現に前橋公園の夾竹桃も毎年結実している。しかし花の蜜によるハチミツ中毒は心配ないという。レンゲツツジ・トリカブト・シャクナゲ等の花の蜜が混入して発生したハチミツ中毒と違って夾竹桃ではその蜜が混入する心配はないという。】
㉛ 医薬品情報21 夾竹桃(Oleandere)の毒性 古泉秀夫 2004.8.17. .http://www.drugsinfo.jp/2007/12/10-231834 。   【夾竹桃の毒性についてコンパクトにかつ詳しく纏めて説明している。強心配糖体の一部にジギタリス配糖体がある。致死量は0.3mg/kgとしている。フランスで7人が死亡したことにも言及している。】
㉜ Na,K-ATPaseの反応機構とNa,K-ATPaseをターゲットとする薬物。鈴木邦明,北海道歯学雑誌 第38巻 第1号 p16-27.(2017) https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/67303/1/38_01_02_Suzuki.pdf 。   【ほぼすべての動物細胞膜に存在するNa,K-ATPaseを専門に研究してきた方の説明である。心臓への作用はほんの一部で全身あらゆる臓器の症状を呈する理由が分かる。】
㉝ Oleander poisoning. The mount Sinai Hospital https://www.mountsinai.org/health-library/poison/oleander-poisoning 。 【2024年時点:この米国マウントサイナイ病院のキョウチクトウ中毒の説明にあるように、実際キョウチクトウ中毒に対応する救急現場では、症状は心臓等循環器に限らず胃腸・神経系・目・耳・鼻・口・喉・皮膚などあらゆる臓器に出現し得る。ここでは致死率は低いとなっているがたとえ1枚の葉でも成人が死に至ることもある毒であるといっている。服用量と致死率の相関はないということにも矛盾しない。酷い嘔吐は必発である。】 
      ㉞ キョウチクトウ抽出物、その医薬組成物及びその調整方法 https://patents.google.com/patent/JP2002526452A/ja 。   【2002年特許 キョウチクトウ(Nerium oleander)の100種以上の化学物質が含まれているとしている。ジギトキシンとの交差反応成分があるとしてもそのごく一部と思われるので患者の毒性成分分析の代用はできないと思われる。】
㉟ 食品安全情報(化学物質)No. 8/ 2024(2024. 04. 17)p.37-38.国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 厚労省 https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202408c.pdf 。   【2024年 米国FDAが、キバナキョウチクトウを含むサプリ等による健康被害が出たために日本でも警告を発し、一部会社製品の回収命令を出したと情報提供している。】
㊱ 高知県の外来植物2019調査報告書(牧野植物園) https://www.makino.or.jp/img_data/PAGE_science-new_2_19.pdf?8 。   【高知県立牧野植物園はキョウチクトウ7種について、甚大な被害が予想されるため対策の必要性が高い「重点対策外来種」に挙げている。それには日本で一般的にみられるものと思われるNerium oleander L. var. indicumも含まれている。】 
㊲ Quantitative variations in the cardiac glycosides of oleander.  Yamauchi T, et al Phytochemistry 22:2211–2214, (1983).  https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0031942200801491?via%3Dihub 。   【1983年 同じキョウチクトウでも個々でOleandrinの含有量は大きく異なると報告している。キョウチクトウの毒性を軽く見るか重く見るかの個々人の判断の違いの原因の一つと言えそうだ。】
㊳ Oleandrin: A Systematic Review of its Natural Sources, Structural Properties, Detection Methods,Pharmacokinetics and Toxicology. Jinxiao Zhai et al. Front Pharmacol. 2022; 13: 822726.  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8902680/pdf/fphar-13-822726.pdf 。   【2022年 中国の大学からの報告で包括的レビューである。同じ強心配糖体のジギタリスについては豊富なデータがあるがOleandrinについてはデータ不十分で殆ど解っていないと言う中で、乏しい症例報告内容と動物実験データを併せて考察をし、P糖タンパク等の個々の遺伝子多型の違い・腸内細菌叢の違い・などで個々の反応の違いがあるらしいとし、体内薬物動態について吸収・体内分布・代謝・排泄に分けて特に詳しく著者の考えを述べている。実験的に筋注や静注・腹腔内投与よりも内服の方が排泄遅延するのは腸肝循環があるためだとしている。血液脳関門も容易に通過しこれは神経症状の発現に直接繋がる。全身のあらゆる臓器障害も生じる。なおここではキバナキョウチクトウの毒はOleandrinではなくThevetinAが主だとしている。】
㊴ A review of the natural history, toxinology, diagnosis and clinical management of Nerium oleander (common oleander) and Thevetia peruviana (yellow oleander) poisoning. Veronika Bandara et al, Toxicon. 2010 Sep 1;56(3):273-81. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20438743/ 。   【2010年 レビュー報告】
㊵ Review of Current Evidence in Management of Oleander Poisoning. Vineeth Varghese Thomas et al, Current Medical Issues 20(2):p 82-88, Apr–Jun 2022. https://www.researchgate.net/publication/360429948_Review_of_current_evidence_in_management_of_oleander_poisoning 。   【2022年 レビュー報告】
㊶ 焼却とダイオキシン問題について考える.2003年2月1日 塩ビ工業・環境協会 坪田勝也. https://www.vec.gr.jp/mag/02/koramu.html 。   【加熱でも土壌中でもすぐには分解しないキョウチクトウ毒素の焼却処分は如何なる条件ならば安全か、それはダイオキシン問題での議論が参考になる。この資料は素人でも分かり易く説明している。一時期、目の敵のようにマスコミをはじめとしたダイオキシンへの攻撃は平成11年「ダイオキシン類特別処置法」が制定されて一段落した。以後、野焼きは原則禁止になってしまったが、そもそもダイオキシン発生が抑えられるのは「良い燃焼条件」がそろった場合の事でそうでなければ何を燃やしてもダイオキシンに限らず有害物質は排出してしまう。キョウチクトウ焼却も同じと考えてよいようだ。「良い燃焼条件」でなければダイオキシンに限らずHCNやPAHs(多環芳香族炭化水素、発癌物質や内分泌攪乱物質)をはじめとした公害物質が発生する必然がある。地球上に宇宙放射線がある様に、あるいはどの原発でも稼働する以上必ず出るトリチウム(半減期12.3年)の存在が避けがたいように、あるいは原爆実験で既に出来てしまったプルトニウム239(半減期2.4万年)が避けがたいように、焼却で有害物質ゼロにすることは不可能なのである。800℃以上ならばダイオキシンも分解し得るとしても発生したガスが冷却する過程で再重合によりダイオキシンが再生するという。PAHsは石油製品の不完全燃焼で多く発生すると言われるが木材でさえもその成分のリグニンからPAHが生成される。防腐剤や合剤が混ざっていれば尚更だ。PAHの一部のベンゼンやトルエンは800℃を超えても増加し1500℃でも生成するという。NOxは1200℃以上なら逆に急激に増加し、ABS樹脂で出るHCNは1200℃以上にならないと分解しないという。完璧は無理のため現実の焼却炉は800~1000℃の維持コントロールが目標であるという(別資料)。しかも焼却後ガスは200℃以下に急激に下げないとその間に再重合も起き易い。ガス冷却と集塵フィルターも当然必要になる。無機化した焼却灰や飛灰だけではない。これらの後工程がそろって初めて「良い燃焼条件」というが、そのためには終日運転が必要とされているという。一方経費が掛かるために一旦導入した終日運転の自治体も最近撤退の動きが出て来ているという現実もある。とにかく焼却条件を知って折り合いをつけてヒトが生きていかなければならない。その一端を教えてくれる資料である。】

都市伝説(根拠不明の口承話)あるいは夾竹桃毒性の軽視、逆に有効利用を考える資料、その他:
㊷ Oleander Poisoning by D Mikkelson Updated July 30, 2011 Fact Check Snopes.com https://www.snopes.com/fact-check/fatal-wienie-roast/ 。   【2011年 max 1.5mg/HotDogのOleandrinしか検出されなかった故に過剰な反応による都市伝説であると結論づけている。しかし食べるのがホットドッグ1ケだけとは思われないのでこの報告もfact checkとあるが眉唾の域を出ない。】
㊸ Negligible Oleandrin Content of Hot Dogs Cooked on Nerium oleander Skewers. J Suchard et al, Journal of Medical Toxicology (2021) 17:57–60.  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7785611/pdf/13181_2020_Article_805.pdf 。   【2021年 HotDogに0.3~0.7mgのOleandrinしか検出されなかったので、毒性に輪をかけた警告話として大げさに伝わったためであろうとしている。】
㊹ キョウチクトウ中毒 木の枝や葉を家畜に与えない 家畜疾病図鑑Web(動物衛生研究部門 山中典子)国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 https://www.naro.affrc.go.jp/org/niah/disease_dictionary/other/o14.html 。   【2021年 口に入れない限り葉や幹に触っても中毒を起こすことはない、としている。漆と同じで大部分のヒトには大丈夫であろうことには同意できる。】
㊺ 庭園から食料品まで: 食品および飲料におけるキョウチクトウエキスの台頭© 2024 市場調査インテリジェンスMarket Research Intellect https://www.marketresearchintellect.com/ja/blog/from-gardens-to-groceries-the-rise-of-oleander-extract-in-food-and-beverages/ 。   【2024年 毒性だけでなく使い方によってはサプリメント・スキンケア・抗がん作用・抗ウイルス作用・抗炎症作用等有用であると宣伝している。しかしアマメシバ事件の如くじわじわと体を蝕む事例があるので慎重になる必要があるであろう。(※キョウチクトウにはジギタリス配糖体を含む強心配糖体だけでも30種類以上含まれ、他の化学物質も含むと100種類以上の成分が含まれると言われているからである。因みにホメオパシーと言われる怪しい民間療法は効果のない代替療法とされている。)】
㊻ キョウチクトウ科植物由来抽出物による炎症促進性型M1マクロファージ活性化と破骨細胞分化の抑制 石田千賀他 日本薬理学会年会要旨集95_3-P-164,2022年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpssuppl/95/0/95_3-P-164/_article/-char/ja/ 。   【2022年 実際有用性研究のための試みもなされていて、これはキョウチクトウ抽出物の抗炎症効果の実験段階の報告である。本来、毒を治療に結び着けようとの発想は正常細胞と癌細胞等との感受性の差を利用するもので正常細胞には一時的に耐えられても毒は毒なので、その抗炎症成分を分離確認しない限り、粗抽出物を人間のサプリに応用しようとの発想はもっての外であるが、結びつけようとする業者がいるのには驚く。】
㊼Food Poisoning by Oleander Skewers: Investigation of a Toxicologic Urban Legend. Jeffrey R. Suchard et al, Journal of Medical Toxicology, Vol 20, p 222–225, (2024). https://link.springer.com/article/10.1007/s13181-024-00993-3 。   【2024年 この著者は2021年にもキョウチクトウの串焼きのホットドッグにはオレアンドリンがほとんど含まれていないと報告している(㊸)。】
㊽ 福岡市が学校のキョウチクトウ伐採 ?2009年12月17日 Gooブログ 筑紫の国から『花つくし日記』 https://blog.goo.ne.jp/shitorin/e/87fc0e4e871fc1781ca39bf413be7dc3 。   【2009年 学校のキョウチクトウ伐採 福岡市教委、一転見送り 「安易に切らないで」指摘受けて朝令暮改。】
㊾ YAHOO!Japan知恵袋:2009/12/11 キョウチクトウ伐採、福岡は国中の笑いものですか? https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1033989595 。 【2009年 福岡市教育委員会の対応は決して馬鹿にできるものではないと思うが、この質問に対する回答の数々が面白い。単なるyesかnoだけの意見で解り合えない溝の典型に見える。】
㊿ 毒がある夾竹桃(キョウチクトウ)をなぜ植える?5つの理由をご紹介します2022年12月11日 https://rs-hamada.net/?p=6713 。   【2022年 有毒にも係らず広く植栽されているその一般的な理由をのべている。】
51 急性中毒への活性炭投与は効果なし 死亡率の低減効果見られず Lancet誌2008年2月16日号より 2008/03/10 https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/lancet/200803/505682.html 。   【2008年 農薬中毒又はキバナキョウチクトウ中毒患者のRCTで活性炭使用の有無での効果の有意差無しだった。但し治療開始までの平均時間が4時間経っていたのでもっと早かった場合の効果は不明。】
52 水田の(復古化)のためのキョウチクトウを利用したジャンボタニシ駆除の有効性解明. 池田充著 科学研究費助成事業 研究成果報告書(文科省) 令和2年5月25日(2020). https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-19H00312/19H00312_2019_seika.pdf 。   【2020年 バケツ稲栽培でのキョウチクトウ乾燥葉の有効性の検討を行い、有害ジャンボタニシは即座に死滅できた。メダカやオタマジャクシは更に簡単に死滅した。毒性成分のOleandrinは収穫米には検出されなかった。】
53 キョウチクトウ剪定枝混入豚ふん堆肥の施用による作物へのオレアンドリン移行可能性の検討.二宮恵介他 沖縄県畜産研究センター研究報告 第56号p11-16.(2018) https://www.pref.okinawa.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/011/275/56_03_2018_56-03_02-03_kachiku_haisetsubutsu_taihi-kanri_gijutsu.pdf 。 https://www.naro.go.jp/laboratory/karc/prefectural_results/files/30_3_18.pdf    【2018年 豚ふんに粉砕したキョウチクトウ剪定枝を14.3%混ぜて堆肥化(一週間ごとに好気発酵のために切り返し)、3週間後にはOleandrinは21%まで減少した。その3週間目の堆肥の5%を土壌に混入して小松菜を栽培した所、堆肥の濃度のごく一部0.0063μg(堆肥濃度の10万分の1以下)が小松菜に吸収された。Oleandrin測定は高感度のHPLC-MS/MSを使っている。考察では著者もこの要約を載せた農研機構も混入は避けるべきであるとしている。特に農研機構はキョウチクトウ剪定枝の利用を推奨するものではないと釘を刺している。 】
54 オガコ養豚における粉砕剪定枝の利用確立試験(3)キョウチクトウ混入剪定枝の堆肥化処理による効果の検証,嘉数良子他,沖縄県畜産研究センター研究報告,第54号.99-103.(2016) https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010912210.pdf 。   【2016年 前記期論文53.の2年前の論文で、キョウチクトウ剪定枝と乾燥葉を併せた堆肥化の検討である。3週間でOleandrinは1.44%まで減少したと報告している。考察では、Oleandrinは分解され低減したがそれ以外の毒性は不明のままなので更なる検討が必要としている。ここでは成牛450kgの致死量は6.08mgでキョウチクトウ乾燥葉は0.27μg/gのOleandrinを含むとしている。】
55 Toxic potential of oleander derived compost and vegetables grown with oleander soil amendments. Jim Downer et al, Vet Hum Toxicol. 2003 Aug;45(4):219-21.  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12882497/ 。   【2003年 Oleandrinは堆肥化によって半減期が15日となり、50日で10%まで分解される。Oleandrinの野菜への吸収は一部に極微量が検出されたほかは検出されなかったとしている。考察ではOleandrinの土壌汚染については更なる研究をしたいと記しているが調べた限りではその後の論文は提出されていないようである。】
56 Outbreak of Oleander (Nerium oleander) Poisoning in Dairy Cattle: Clinical and Food Safety Implications . by Luigi Ceci et al, Toxins 2020, 12(8), 471.  https://www.mdpi.com/2072-6651/12/8/471 。   【2020年 イタリアの農場で乳牛50頭のうち13頭が死亡した。解剖して血液中にはOleandrin 1ng/mlだったが臓器中にはその約15倍の濃度のOleandrinが検出された(ほぼ心臓15ng/ml,肝臓16ng/ml)。製造されていた牛乳・チーズ中にも検出された(牛乳1.3ng/ml,チーズ0.8ng/ml)。Oleandrinは脂溶性である。消費者にも影響し得る報告の最初であると言っている。測定法はUHPLC-MS/MSに依った。そのほかキョウチクトウ中毒の概況、症状等についても詳しく説明している資料である。キョウチクトウ中毒の症状は動物種によっても牛個々によっても違うとしている。キョウチクトウ中毒はヒトでは自殺目的が一般的であるが、動物の場合はキョウチクトウの味は苦くて辛いので動物も普通は食べないが偶発事故で頻繁に牛などの動物で発生しているとしている。その症状は、元気がなくなり反芻が無くなり不整脈や下痢だけでなく全身臓器に様々な症状が出得る(牛の場合下痢はあるが嘔吐はない?)。病理学的所見は実験的に中毒させた羊での報告と同じという。幸いなことに人は嘔吐する症状がある事でリスク低減効果があるとしている。牛は感受性が高く致死量は50mg/kgで羊はその5倍の250mg/kg、ヒトの子供は葉1枚でも致死量になり得るとしている。】
57 Toxicity of Oleander Derived Compost. James A Downer et al, EJ Slosson Endowment, University of California, Division of Agriculture and Natural Resources. (1998) https://slosson.ucdavis.edu/newsletters/Downer_199829067.pdf .    【1998年 上記論文55の基礎資料と思われる。キョウチクトウ毒性低下には堆肥化が極めて有効としている。野菜の栽培には堆肥化前のキョウチクトウ粉砕物を使っているが1例を除いてレタス・トマトにOleandrinは検出されなかったと報告している。論文55と57の著者の名前は一部違うが経歴書によれば同一人物である。】
58 ポリエチレン熱分解に及ぼす雰囲気並びに分解温度の影響。山村光夫著,分析化学,1983年32巻4号 p. 228-233. https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku1952/32/4/32_4_228/_pdf 。   【1983年 ポリエチレンを空気下の300~800℃で熱分解の実験で、分解生成物はPAHs(ベンゼン・トルエン・スチレン等の芳香族炭化水素)が温度に伴って増加生成しアルデヒドも伴って出現した。】
59 炭化水素熱分解における多環芳香族化合物の生成機構。三枝直路他,化学工学会 研究発表講演要旨集化学工学会第40回秋季大会2008年9月 https://www.jstage.jst.go.jp/article/scej/2008f/0/2008f_0_230/_pdf 。   【2008年 エチレンガス等を高温下で注入してのPAHs生成機構についての研究で1100℃を超えてもPAHsが生成されるようだ。】
60 熱分解プロセスにおけるタールおよびコーク生成機構の解明と反応速度論に関する研究。香束,明広著,2014 年,京都大学 工学博士論文(工博第3909号) https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/189366/1/dkogk03909.pdf 。   【2014年 熱分解プロセスでPAHsがより大きなPAHsに成長する機構についても述べている。】
61 廃木材のリサイクリングに伴う重金属類,PCP,ダイオキシン類及び多環芳香族炭化水素への曝露。浅利美鈴他, 環境化学Vol.13,No.1p77-88.(2003) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jec1991/13/1/13_1_77/_pdf 。   【2003年 廃木材にはヒ素等重金属・防虫防カビ剤等の様々な木材保存剤が含まれている。焼却・リサイクルそれぞれの場面での暴露の程度について検討している。】 62 焼却残さ資源化システムとは?太平洋セメント https://www.taiheiyo-cement.co.jp/service_product/recycle_mw/hai/index.html 。 【2024年時点 焼却に伴って出る焼却残さ(焼却灰や煤塵)のセメント原料への再利用について解説している。】
63 処理方式の検討(資料 5-3)明石市:市政情報>審議会等>設置している審議会等>新ごみ処理施設整備技術支援会議(第1回技術支援会議 配布資料)令和元年10月16日 http://www.city.akashi.lg.jp/kankyou/shigen_junkan_ka/sinnro/documents/1-5-3shorihoushiki.pdf 。   【2019年 可燃ごみの焼却方式の分類と特徴について分かり易く説明している。】

自治体によって異なる対応 その他の資料:
64 愛知県安城市:小学校校庭の夾竹桃の撤去の要望が住民より有ったが撤去せずの返答あり 令和元(2019)年6月 https://www.city.anjo.aichi.jp/shisei/jouhou-hassin/2019koe/0619.html 。   【2019年 小学校校庭のキョウチクトウ撤去依頼の意見に対して、有益な面もあるとして拒否している。いかに福岡県教育委員会の朝令暮改の件が影響しているかを物語っている。キョウチクトウへの愛着者がいかに多くいるか、それ故敵に回したくないとの教育委員会の思惑が働いていることを示している。(㊽参照)】
65 愛知県江南市:剪定枝・草 https://www.city.konan.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/003/248/eda.pdf 。  【2024年時点 《夾竹桃(キョウチクトウ)の処分について》毒性が強く、堆肥化できないため、受入不可。但し、他の枝草とは別々にし「可燃ごみ」もしくは「焼却場へ持込み(200 円/10kg)」での処分をお願いします、となっている。】
66 佐世保市が指定する「市の花」はどれでしょう?2021年12月11日させぼ通信編集部。 https://sasebo2.com/entertainment/quiz/19400/ 。   【2021年 昭和43(1988)年佐世保市がキョウチクトウを市の花に指定した直後に牛が葉を食べて中毒死して物議を醸し平成14(2005)年市制施行100周年を機にカノコユリに変えた。一方、鹿児島市・千葉市・広島市はキョウチクトウが市の花である。】
67 大阪府:府民の声 公表(詳細) https://www.pref.osaka.lg.jp/cgi-bin/citizen_voice/detail.php?id=16896&site=f-koe2 。   【2022年 公園の夾竹桃の撤去希望の公表のみでそれに対しての回答無し。】
68 栃木県真岡市:夾竹桃(キョウチクトウ)の捨て方・処分方法. https://www.city.moka.lg.jp/kakuka/kankyo/gyomu/gomi/bunbetsu_shushu/11394.html 。   【2024年時点 燃えるゴミで出して良いとしている。】
69 千葉県福津市:家庭ごみ の 出し方 令和6年度保存版 https://www.city.fukutsu.lg.jp/material/files/group/21/R6kateigomi.pdf 。   【2024年時点 庭木の剪定くず・草類:夾竹桃は毒性があるため出せません。剪定くず・草ステーションでも出せないとなっている。但し燃やすごみ項に記載なし。】
70 沖縄県南風原町:平成26年第4回定例会 会議録(第4号-2) http://www.town.haebaru.lg.jp/docs/2016081600013/ 。   【2014年 町内各公園の毒性樹木の管理について(1)と(2)は関連しますので一括して答弁しますとして、一部は撤去し、一部は札を立て清掃員が毎日チェックしていると答弁している。毎日チェックする方は大変だと思う。】
71 キョウチクトウの毒はどのくらい危険?なぜ広島では平和の象徴?蜜を分泌しないキョウチクトウの花は絶滅種に擬態していた!? https://ecological-information.com/archives/2647 。   【2022年 一般的な説明だけれど根拠を示しているところに共感を持てる。】 
72 夾竹桃 EGGSEED 2023年7月26日 # 植物図鑑 『有毒編』note https://note.com/eggseed13/m/m3308346cfac1/archive/2023-07 。   【2023年 フランスでの1975年のバーベキュー7人死亡事故以来、欧米諸国では教育プログラム「身の回りの毒性植物」を実施して注意喚起に努めているのに比べて、日本にはこんな大事なプログラムがないと嘆いている。そしてその教育プログラムの実例を示している。 】 
73 Behind Puducherry’s suicide problem. 20 Mar 2015,by Ashwaq Masoodi, mint(e-paper) https://www.livemint.com/Politics/PqUjAR1Fn62kjeCsM0ay8M/Waves-of-despair.html 。   【2015年 南インド東海岸の元フランス植民地である通称ポンディシェリー(プドウチェリー)での新聞Mintの報道(2015年3月20日)。インドでは若者の自殺率が世界で最も高いとWHOは指摘している。特に当地域ではインド平均の3倍自殺が多く、そのよく知られている自殺方法の一つであるキバナキョウチクトウを食べて20歳の女性が家庭内不和で自殺したことをきっかけに、その背景について報告している。特に若者の自殺が多く、自殺に対する偏見があるために実際はもっと多いかもしれないという。高所得国の自殺の90%が精神ストレスによるとされるがインドでは60%しかなく自殺の他の要因が多く複雑に絡み合っている結果という。当地域の識字率は85.8%と全国平均の74.04%より高く、観光地としても有名な地域である。大学院生や博士号取得者や教授さえ自殺しているという。ポンディシェリでは自殺率が高いにもかかわらず、この問題に関して証拠に基づいた実質的な研究はこれまで行われていない、とこの新聞は訴えている。】
74 Fatal Oleander Toxicosis in Two Miniature Horses. J Butler et al, J Am Anim Hosp Assoc. 2016 Nov/Dec;52(6):398-402. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27685366/  。   【2016年 キョウチクトウ中毒で馬が死亡、1頭は3日後に死亡、もう一頭は回復見込み無く安楽死させた。多胃動物の牛と違い、同じ単胃動物でも人は嘔吐できるのに反して馬は嘔吐できないという。】
75 Retrospective study of cattle poisonings in California: recognition, diagnosis, and treatment. Anita Varga et al, Vet Med (Auckl). 2012; 3: 111–127. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6065581/ .   【2013年 米国カリフォルニア州で2011年までの12年間に届出された牛中毒例1199例(乳牛55%、肉牛41%)についての分析結果の報告である。中毒の原因が分かったのは13.5%にしかならず、そのうち最も多かったのは亜硝酸塩中毒で次がキョウチクトウ中毒とゴシポール中毒だったという(ゴシポール:木綿植物が含む黄色の有毒色素で食用油の粗綿実油に含まれる。精製綿実油は除去されている。但しその絞り粕は飼料に再利用され飼料への配合割合に注意を払いながら使っているという。人の精子に障害を与えるので中国のある地域では綿実油を使っていた故に出生率が低かった。実際、男性不妊薬にも使われた)。家畜の食用肉自体や生産牛乳への混入まで配慮を要し、ひいてはヒトの健康にも係る事なので、この報告は正確な診断と治療と対処をすべき獣医にとっては大切な意味を持つとしている。新規発生を予防・生産牛肉や牛乳の摂取禁止措置・適切な治療等役割は多岐にわたるが、解毒剤も乏しく費用も手間もかかると言っている。80%以上が原因不明とは驚きだ。】
76 重質油の熱分解技術(特集 重質油対策技術の開発)吉井茂雄他 エ ネ ル ギ ー ・ 資 源 Vol.4No.2(1983)p139-144. http://jser.gr.jp/kaiin/JSER_BOOK/1983/4-139.pdf 。   【熱分解および生成物等について分かり易く説明している。一般に1300℃の石炭乾留の生成物は大きなバラツキあるが大略コークス60%・ガス30%・タール5%・灰分10%とも言われる。ここでは1100℃以上でカーボンブラック(炭素純度99%)になるという。熱分解ではガス・タール等の重縮合でPAHsも生成する。カーボンブラックであってもPAHsを含む。】
77 1.炭素と黒鉛の違い~カーボンとグラファイトの違い(炭素入門編)株式会社レイホー製作所 https://www.0ho.co.jp/carbon/p1/ 。   【分かり易くその違いを説明している。黒鉛(グラファイト)は2700℃以上の無酸素下で作るという。】
78 硝酸塩中毒をご存じですか?(家保通信平成17年度 第3号)熊本県天草家畜保健衛生所 https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/104922.pdf 。   【硝酸塩/亜硝酸塩の急性中毒で、牛のヘモグロビンがメトヘモグロビンになり、酷い場合は酸欠で急死することもあると啓発している。】
79 土壌有機物と農業生産との関係についての総説 松﨑守夫 農研機構研究報告2021年6号p.1-9  https://www.jstage.jst.go.jp/article/naroj/2021/6/2021_1/_pdf/-char/ja 。   【窒素飢餓、窒素過剰についても述べている。】
80 飼料中の硝酸態窒素―中毒と対策― 高橋潤一 牧草と園芸第40巻第6号p5-9(1992). https://www.snowseed.co.jp/wp/wp-content/uploads/grass/grass_199206_03.pdf 。   【乳牛の硝酸塩中毒が米国で1937年報告されて以来、今も相変わらず死亡報告例が後を絶たない。日本でも乳牛用の輸入粗飼料が利用拡大しているが、急性中毒死が報告されない限り意外にも見過ごされて対策もしていないという。亜急性中毒の場合は臨床症状が表面化しないので判別が難しい。専門書や実用書でも紹介されているが必ずしもその本質が理解されていないという。その解説をしている。(その後平成19年に硝酸態窒素を含む輸入乾牧草を原因とする牛の中毒事例(8 頭死亡)が報告されている。「硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素」農林水産省)】