極く最近製品化されたPCV20に関連して思うこと ― 2024年06月24日
(2024/6/21facebook メモ)
極く最近製品化されたPCV20に関連して思うこと
【新しく導入されるワクチン ~多価結合型肺炎球菌ワクチン~ 千葉大学真菌医学研究センター感染症制御分野特任助教・竹内典子 2024年6月20日 https://medical-tribune.co.jp/rensai/2024/0620563339/index.html?_login=1#_login 。】
上記資料によれば、肺炎球菌ワクチンについてはこれまでにない血清型置換が進んできておりPCV13(プレベナー)に含まれない血清型の成人IPDが最近は2/3に上るという。
そして現在、既に更に多価のPCV20が製品化されて小児IPDには今年2024年3月に認可済となり、大人にも5月現在承認申請中であるという。
ワクチンの用法が小児に対しては「皮下注ないし筋注」と筋注が加わったのは喜ばしいことではあるが、高齢者等大人の場合はワクチン添付文書の用法の傾向が最近は逆に筋注限定になってきているのが気になっている。
筋注できなければ皮下注でも良いのではないかとの意見もあるがそれは社会通念上容認されている場合である。添付文書に沿わなくても許されるのはその時代の医学の常識レベルにかなっている場合の話だと思っている。
ところが新型コロナワクチンの初期の頃が典型的であったように、世間の専門家たちの常識が筋注と皮下注は天と地ほどに違う、免疫効果も違うとの意見が圧倒的であった。免疫の専門家に聞いた所エビデンスがないだけでどちらも大きな違いはないとの答えで医学的には問題ないとは後日に判断できたが、当時は社会通念上は許容される雰囲気ではなかった。
そのため万が一の訴訟問題を考えてエコー検査でワクチン対象者全員の確認をした所、介護施設入所者の場合は当時約1/3が医学的に筋注不可能言い換えれば「見做し筋注」(医学的には皮下注になって仕舞うということ)になって仕舞うことが解った。従って第1回目の新型コロナワクチンは希望の有無とは別に医学的にワクチンの適応なしと判定した。その後2回、3回と接種が続く中で世間では高齢者の接種率が上昇してきて見做し筋注を容認している社会の実態が明らかになってからは自分でも見做し筋注を行うようになった。
西欧では肥満等のために筋注の針の短かさを気にしているが日本の高齢者の筋注では別の問題が出るので、用法は我が国の実態を見て判断すべきことである。
新型コロナワクチンだけでなく、高齢者に特に必要なワクチンと謳われながらPCV13やRSVワクチン等見ても最近のワクチン行政は筋注限定に傾いてきているのは明らかである。ワクチン認可担当官は是非一考して頂きたいと思っている。そして法曹界との認識の不一致がないような努力もお願いしたい。
極く最近製品化されたPCV20に関連して思うこと
【新しく導入されるワクチン ~多価結合型肺炎球菌ワクチン~ 千葉大学真菌医学研究センター感染症制御分野特任助教・竹内典子 2024年6月20日 https://medical-tribune.co.jp/rensai/2024/0620563339/index.html?_login=1#_login 。】
上記資料によれば、肺炎球菌ワクチンについてはこれまでにない血清型置換が進んできておりPCV13(プレベナー)に含まれない血清型の成人IPDが最近は2/3に上るという。
そして現在、既に更に多価のPCV20が製品化されて小児IPDには今年2024年3月に認可済となり、大人にも5月現在承認申請中であるという。
ワクチンの用法が小児に対しては「皮下注ないし筋注」と筋注が加わったのは喜ばしいことではあるが、高齢者等大人の場合はワクチン添付文書の用法の傾向が最近は逆に筋注限定になってきているのが気になっている。
筋注できなければ皮下注でも良いのではないかとの意見もあるがそれは社会通念上容認されている場合である。添付文書に沿わなくても許されるのはその時代の医学の常識レベルにかなっている場合の話だと思っている。
ところが新型コロナワクチンの初期の頃が典型的であったように、世間の専門家たちの常識が筋注と皮下注は天と地ほどに違う、免疫効果も違うとの意見が圧倒的であった。免疫の専門家に聞いた所エビデンスがないだけでどちらも大きな違いはないとの答えで医学的には問題ないとは後日に判断できたが、当時は社会通念上は許容される雰囲気ではなかった。
そのため万が一の訴訟問題を考えてエコー検査でワクチン対象者全員の確認をした所、介護施設入所者の場合は当時約1/3が医学的に筋注不可能言い換えれば「見做し筋注」(医学的には皮下注になって仕舞うということ)になって仕舞うことが解った。従って第1回目の新型コロナワクチンは希望の有無とは別に医学的にワクチンの適応なしと判定した。その後2回、3回と接種が続く中で世間では高齢者の接種率が上昇してきて見做し筋注を容認している社会の実態が明らかになってからは自分でも見做し筋注を行うようになった。
西欧では肥満等のために筋注の針の短かさを気にしているが日本の高齢者の筋注では別の問題が出るので、用法は我が国の実態を見て判断すべきことである。
新型コロナワクチンだけでなく、高齢者に特に必要なワクチンと謳われながらPCV13やRSVワクチン等見ても最近のワクチン行政は筋注限定に傾いてきているのは明らかである。ワクチン認可担当官は是非一考して頂きたいと思っている。そして法曹界との認識の不一致がないような努力もお願いしたい。
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