焼き芋の作り方2022年03月25日

焼き芋の作り方

買って食べた石焼き芋が美味しくて自分でも紅はるかを栽培して食べるようになったけれど、買った焼き芋のように美味しくはならない。何故なのか調べてみたら下記のようなことが判り、実際美味しく作れるようになった。
 ・同じ品種でも産地、生育条件で個別の違いが出るということ。
 ・でんぷんが糊化してからでないとβ-アミラーゼが働かないということ。
 ・「紅あずま」は糊化温度が高く十分な糊化には90℃以上が必要なこと。
 ・「紅はるか」は糊化温度が低く十分な糊化に60℃でなること。
 ・β-アミラーゼには至適温度55℃、75℃の2種類アイソザイムがあり、85℃以上では1分で失活すること。
 ・焼き芋の甘さは主にβ-アミラーゼによる麦芽糖(マルトース)生成によること。

 ※1 以上から、甘い焼き芋の作り方の温度は75-80℃を保つことがコツであること。実際行ってみたら時間は50分以上かけるとマルトースが多すぎて蜜が垂れるようになってベタベタしすぎること、が判った。へたなスウィーツよりも余程甘い。
 ※2 従って、電子レンジで30分、その後ガスレンジ10分で焼いて焼き芋風に表面をほど良く焼くことで石焼き芋風にできること、が判った。
 ※3 電子レンジの設定は600Wx3分 後 100Wx30分、更にガスレンジで弱火10分 で十分美味しい焼き芋が出来ることが判った。
 ※4  ただし、電子レンジは芋の大きさで芋内部の温度は違うため、大きすぎる物は半分に切って、小さすぎるもの(径4cm以下)は水を入れたコップを一緒にレンジにかける必要がある(芋単独では温度が上がりすぎるため)。
https://youtu.be/boPdIUj-OwA  

参考文献:
1、マイクロ波加熱によるサツマイモの糖度変化 https://oacis.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=1065&item_no=1&attribute_id=20&file_no=1 
2、糊化温度の低いデンプンを含むサツマイモ「クイックスイート」における加熱に伴うマルトース生成の機序  https://doi.org/10.3136/nskkk.61.62
3、サツマイモを蒸した際のマルトース生成に及ぼす塊根のβ-アミラーゼ活性およびデンプン糊化温度の影響  https://doi.org/10.3136/nskkk.61.577