左部蘇和(今井蘇和)の泉岳寺の歌碑について ― 2025年09月11日
左部蘇和(今井蘇和)の泉岳寺の歌碑について
今井善一郎著『炉辺郷談』の復刻版が古本屋で手に入った。初版数が少なく再版希望が多かったための再発行と言う。発行は昭和50年で発行者は北橘村教育委員会(初版は昭和36年)。
左部蘇和(1830-1891)(左部善兵衛寛信俳号三岳の長女で下箱田村今井善兵衛兼明に嫁し今井蘇和となる)の歌碑「風樹碑」 が高輪の泉岳寺にある事を「そわ女三吟」として記している。ここでは善六郎と七次郎を生んだと書かれている。著者の善一郎は今井善兵衛兼明の曾孫と言っている。七次郎は父に無断で東京へ出奔して費用の工面に母の蘇和が父との間で苦労したというが、父も内心お金の心配をしていたことが後に手帳を見て分かったという。蘇和の三句が載っている。
手元の資料では、今井善兵衛兼明と蘇和の子は善六と善平となっているが善六は善六郎で後継の今井善兵衛兼直と思われるが七次郎については記録がないので善平の事か?不明。善兵衛兼直の次男今井恭次郎には館林正田文右衛門の娘が嫁している。左部彦次郎の妻堀越ゆわは正田家の縁戚と娘の大場美夜子は詩集の中で記している。左部善兵衛寛信の兄の佐部斧次良 は初代左部宇作の父でありその初代宇作は左部彦次郎の祖父である。巡り合わせの妙である。
<そわ女三吟>
・春風や空に消えゆく舟のみち(泉岳寺歌碑[風樹碑] ・・左部氏名蘇和子上野利根郡奈良村人左部善兵衛女也善兵衛名寛信号三岳・・)
・飛ぶ蛍 押へてやみのまさりけり
・朝顔や浮世の夢も花こヽろ (辞世の句という)
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(2025/9/17追加)
別資料に依れば兼明・蘇和の長男は兼直・幼名善六・大正5年3月歿、次男は兼保・別名七次郎・幼名善平・大正5年11月歿となっていた。

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