脳性まひの記者川端舞さんの記事を見て感じた事2021年10月22日

2021/10/21 アサブロ 脳性まひの記者川端舞さんの記事を見て感じた事。

 自分は今、介護の仕事をしている。誰でもどの会社でもそうだと思うが、それぞれが自分たちなりの理念を掲げ、決して独りよがりにならないように、社会の規範からは決して外れないように、日々自分たちを律しながらそれなりに努力していると思う。
 ついつい自分に甘えてしまいそうになる日々の自分達を律するには忘れてはならないキーワードがある。下記の記事を読んでいてそのキーワードがいくつかちりばめてあるのが気になったので備忘録として記しておく。


〇(ひと)川端舞さん 不自由な口を動かして質問し続ける記者。朝日新聞デジタル 会員記事2021年10月20日 https://www.asahi.com/articles/DA3S15082138.html?iref=pc_photo_gallery_bottom 
脳性まひのために思うようにしゃべることが出来ない記者、川端舞さん29才、の思い。
この中にこうある、「健常者に近づこうと無理を重ねていた自分、ある重度障害者から言われた言葉、『なぜ自力で食べようとするの?ほかの障害者が介助を受けにくくなるでしょう』、この一言で人生観が変わったという。」と。ーーー
 「ほかの障害者が介助を受けにくくするでしょう」との言い分はいかにもありそうであるし、言ってしまうかもしれない言葉である。これは冷静に考えれば自分中心のegoの発想であり相手に失礼な言い分であるので、親しき中にも礼儀あり、で避けるべきである。人には相手を責めて自分が安心するタイプと自分を責めてしまうタイプの2つである。どちらも度が過ぎると心が不健康になるので素直に反省するのが正解と思う。
 そして無理を重ね過ぎるのも程度問題であるのは、自分でもかつて燃え尽き症候群になった医師を真近に見たことがあるからである。人が良くて能力のある人にこそ仕事は集まり易く上司はその配慮をしなければならないことを痛感した。ついつい頼りすぎるのは良くない。「私の嫌いな言葉「頑張る」《電動車いすから見た景色》17 2021年4月16日 https://newstsukuba.jp/page/2/?s=%E5%B7%9D%E7%AB%AF%E8%88%9E 」の「頑張り屋さん」もついつい言ってしまう言葉である。


〇車いすから見た世界を描くライター、川端舞さん。2021年4月6日 https://newstsukuba.jp/?s=%E5%B7%9D%E7%AB%AF%E8%88%9E
「言語障害のある人は、「(自分は)話さないほうがいい」と思ってしまうことがあるという。自身も言語に障害のある川端さんは、積極的に発言することで、誰もが気楽に話せる社会を作ろうとする。」ーーー
 脳卒中等で構語障害や失語症になると言葉を発し無くなる方は屡々見かける。あーでもうーでも良いからとにかく声を発するのが大事と伝えはするけれども、なかなか上手くはいかない。なのでその心境は良く判る。とにかく自分を責めすぎてはいけない。
 また、「初めから聞き取れないと諦められることが一番辛いです。私が話しているのに、介助者と話し始めてしまう人もいます。『話してるのは私なのに』って思いますよね。聞き取れなければ、気を使わずに何度でも聞き返してもらえたらうれしいです」ーーーこれも忙しいとついつい介助者に向かってやってしまう、相手の立場で理解しようとしない証拠である、気を付けねば。

〇自立生活とは自分らしい生活 《電動車いすから見た景色》23 2021年10月14日 https://newstsukuba.jp/?s=%E5%B7%9D%E7%AB%AF%E8%88%9E 
「家族には1人1人自分の生活があるため、私が何か家族に頼むことで、家族自身の生活を中断させるのが申し訳なかった。実家にいる間、私は常に家族の顔色を見ながら生活していたのだ。」ーーー
 気を使わせない、そのために高齢者介護施設があるはずなのに、実態は多いに気を使わせてしまっている。口には出さなくても気を使って、そして諦めて世話を受け入れてくれている。利用者の誰でも好き好んで施設で世話をしてもらっている訳ではなく出来れば自宅へ帰りたいと全員が思っているのだから、勘違いしないように、上から目線には気を付けるように、と平時からしていてもついつい忘れてしまう。
 そして「生活リハビリ」でその人なりの自立を支援するのが老健施設の役割なのに手を出しすぎて自立を阻害しかねないことも逆にあるのでその加減は結構難しい。
 自立の能力は一人ひとり違うがそれなりの自立支援に向けて、日々試行錯誤の中で皆が行っている。たとえ明日死に逝く人であっても生きている限り生きていると考えて生きる価値を認め粛々と対応していくのが自分たちの役割と思ってやっている。

〇日本の学校では当たり前の一斉授業 《電動車いすから見た景色》19 2021年6月17日 https://newstsukuba.jp/page/2/?s=%E5%B7%9D%E7%AB%AF%E8%88%9E
「私は子どものころ、学校の授業についていけなくなったら、学校に通えなくなると思っていた。それは私に障害があったからでもあるが、障害のない子どもでも同じようなことを感じるときはないだろうか。学校に通えなくなるまでは思わなくても、授業についていけなくて面白くないと感じたことがある人は多いだろう。 学校の授業をつまらないと多くの人が感じる理由は、日本の学校が一斉授業を基本にしていることが大きいだろう。」ーーー
 言いたいことは良く判る。分かる気がする。しかし、ではどうすればよいのかとなると、・・難しい。

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